おそらくご両親は我が子がカンニングしたショックの上から、亡くなったショックが加わりかなり混乱なさっていると思います。

厳しく躾けた、ちゃんとしてきた意識の強い人ほどかような状況を受け容れがたいだろうし、視野が狭くなるのではないかしらん。

学校も含めて、これが「管理教育」のおぞましさです。

 

私が育った実家のご近所には大変優秀な御子息を持つ親御さんがおられて、話されていました。

後に対人関係の問題が芽吹いたことから家庭内暴力へ発展し、就職難民になったこともあり、

御子息と父親が殴り合う光景が日常になったらしく、奥様はとても辛い日々を送る中で様々なことを考えたそう。

そうして当時を振り返り、「子供の成績がよくて、親が天狗になっていた。子供には少なからずそれも影響を与えていたと思う」このように後悔し、それを夫に伝えることにも難儀なさったらしい。家庭内暴力の後に冷戦期間を経て、ご両親が反省するに従い御子息の暴力も治まっていったそうで、私が聞いた頃には「腫れ物に触るような心地」で三十路の御子息と関わっておられました。

 

だから、親の思考や態度は子供に多くの影響を及ぼすし、子供を追い詰めてもいい事は起こりません。子供は親を映す鏡とはまさしくこちらの家庭のような現象。

 

私がこの種の事件で初めて強い衝撃を受けたのは、こちら。

 

桜の宮高校で起きた指導死。この指導者はかなりの曲者だったそうで、校長先生の指導に自分は従わず、生徒には服従を望むナルシストぶりだった模様。かなり自己肯定感が高そうです、上も下も征服するまで納得がいかないのでしょう。

 

この教員は、自分も他人も、何も見えておらず

ひたすら夢ばかりが見えています。

夢を見ているから目的地への最短距離を模索して

最短距離を通る言い訳に「指導」の文言をあてはめ

「子供(相手)のためになる」と思い込む自己欺瞞が働き、

成功した感触ばかりを得て、自己批判や自己否定は起こりません。

戦時の軍上層部もこうなってないかい?

 

たとえ我が子であっても、自分を管理するより他者を管理する方が気楽なことは

人の“ゴウ”やら“サガ”やら―

そこから解き放たれたとき、自分の本心を知るのかもしれませんね。