『15歳のテロリスト』も読みまして、
既刊タイトルだけを見て「読まねば」な直感が働いたのは、当たりでした。
『現代』が詰まったような作品。ゲーム化にならないかしら。
あらすじには2年A組の生徒が連続失踪と書いてありますが、
物語は、この失踪者たちが主役です。
さて、彼らは何ゆえに失踪状態になったでしょうか。
作中に登場するヤングケアラーの少女。
このような子供こそがケアラーであって、
放課後の数時間、兄弟の世話をする程度まで含めたら、
往年の少女コミック『世界でいちばん大嫌い』の主人公なんて6人兄弟の長女、末っ子の保育園まで顔が売れていて、漫画の中すらヤングケアラーだらけになります。
こちらの小説で話している彼ら、
担任や友人に本音を伝えたところで理解されないことを知っており、
ハイティーンながら疲れきっております。
夢や希望はすでに潰えて、それでもどうにか立ち直ったり、立ち行こうともがいています。
ラストシーンは、勧善懲悪のような展開になり、快哉を叫べます。
ガーシー議員が資格剥奪になり逮捕されましたけど、
この彼らから見た現在の選挙のあり方は、どのように映るかしらん。
そういう印象を残すストーリーでした。