最高のラブコメは?と私が聞かれたとき、まず、候補にあがるのは「めぞん一刻」です。
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たぶん、一般的な意見としても最初にあがる候補なのではないでしょうか。もはや説明するまでもなく最高にふさわしい作品です。うだつのあがらない主人公の成長と、前旦那と新たな恋との葛藤に悩みぬく未亡人。最終巻の、主人公が前旦那の墓前で語る台詞は涙無しでは読むことができないと思います。
この漫画は本当に最高のラブコメにふさわしいと思います。しかし、ただ一点、この漫画には致命的な欠点があります。それは七尾こずえの存在です。
七尾こずえは主人公のガールフレンドであり、物語において、主人公とヒロインの恋愛関係を阻害する役割を担っています。主人公と七尾こずえは、付き合うという明確な合意はありません。しかし、七尾こずえ自身は付き合っていることを前提として、主人公と一緒にデート等をしています。それが、作中で多分6年くらい続いています。その間、キスすらしていません。
これがありえないと思います。大学入学~就職が決まるまでの間(たぶん6年くらいと思います)、肉体関係が全くないのに、七尾こずえが主人公と付き合っていると認識し続けている点が異常だと思います。作品が1980年代の作品としても、あまりにも非現実的です。
さらに、主人公が不能で会ったり、七尾こずえが性的行為を病的に嫌っているならばまだしも、主人公は成人男性としての性欲を備えていますし、七尾こずえはむしろ積極的に性的行為を迫っています。このような状況下において、6年間もの間、何もないということはおよそ考えられません。
ラブコメを語るならば、ラブの部分にある程度のリアリティー備えることが必要と思います。しかし、主人公と七尾こずえとの間の関係には全くリアリティーを感じることができず、ラブコメとしての評価を大きく下げます。
以上から、ラブコメとしてめちゃめちゃ面白いめぞん一刻ですが、七尾こずえの存在というただ一点の欠点がある限り、最高のラブコメに進呈することができません。
次の候補として、とらドラがあがります。
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これもまた、一般的に最高のラブコメとして候補にあがる作品ではないでしょうか。
主人公はヒロインの友人であるA女を、ヒロインは主人公の友人であるB男をそれぞれ好きで、主人公とヒロインがそれぞれをくっつけ合うように画策する中で、主人公とヒロインが惹かれあうという作品です。絵柄からオタク層以外から倦厭されがちですが、一度読むとやみつきになります。アニメ版でもいいと思います。
この作品の内容には致命的欠点はありません。しかし、中だるみするところがやや不満です。
というわけで、私が考える最高のラブコメは↓です。
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これをジョークだと思った方は、きっと美味しんぼの20~40巻くらいを読んだことがないと思います。
美味しんぼのラブコメ編(20~40巻くらい)は、めぞん一刻のような短所がなく、とらドラのような面白味のある恋愛要素を加味した素晴らしい内容となっています。ぜひ読んで。