アバラ日記。 -29ページ目

理由。

ここにある一杯の酒は

数え切れない絶望の

欠片ひとつを

飲み込むためのもの

約束。


私はまた家族を失った
私はまた家族を弔った

家族と言い切れる程の
間柄でなかったけれど
悲しみはそこにあった
会う約束をしてたから

ひとりでもひとりです
ふたりでもひとりです
3人も4人も何人でも
最期は独りきりですね

でもここにいる人々は
あなたに会いたがって
お疲れ様と言いたくて
駆けつけてきたのです

誰かの死はいつだって
何かひとつを心に残す
決意や反省や思い出や
過去を振り返る機会を

それを拾い集めながら
形や色を変えてみたり
元に戻してみたりして
そんな繰り返しですね

私との約束を最期まで
憶えていてくれました
だからあなたのことを
忘れずにいたいのです









10月7日の読了。

長い期間の不調を経て、
久しぶりに一冊読んだ。


「永遠の0」


アバラ日記。-zero


講談社文庫

百田尚樹


日頃「0(ゼロ)」というものについて、
思い更けるクセのあるあたしは、
内容も知らずに手にとっていた。

戦争の話。
海軍の話。
零戦の話。
特攻の話。
命の尊さの話。
人間の愚かさの話。

読んで欲しい。
読んだ方がいい。


この本を読んで、
「泣けた」とか、
「こんなんで泣けるのか?」など、
いろいろ賛否両論があるようですが、
読み手によって、受け取り方は自由です。

あくまでも史実を基にしたフィクションなわけで、
主軸である題材もデリケートなものなので、
あたしも抽象的な感想しか書けません。
ちなみにたくさん泣きましたけどね。

歴史の本としてではなく、小説として描かれている。
だから、これを読んで戦争を美化することや、
主観で何かを批判するべきではないわね。

だども・・・
主人公が取材していく「伝説のパイロット」が、
あたかも実在していたような錯覚に陥るんだな。
この辺りが、著者の綿密な取材によるもので、
そこに描写力が加わってのことなので、
読み物としての面白さも充分にありました。

少なくとも歴史の勉強くらいにはなるよ。
戦争について深く考えたことがない人が、
この本を読んだことによって、
少しでもそれについて考える時間を持ったら、
それはとても良いことだと思います。

あたしの場合は・・・
今まさに「この時代・この国」と、
そしてそこにある自分自身と、
重ね合わせながら読んでいたよ。

守るもの。 守ること。



この方の本を読んだのは初めてです。
文体も無難に読みやすくて、
ボリュームをストレスに感じることもない。
それ以前に、グイーッと引き込まれるので、
あっという間の608ページ。