名前は知っていたけど

一緒に働いたことはない

社内の先輩Aさん(男性)と、

 

初めて会う機会がありました。

 

先日退職した私の同僚Bさんが

声をかけてくれ、3人で。

 

Aさんは、

社歴30年ほどのベテランで、

 

かつて会社の黎明期には、

現場の責任者として苦労し、

貢献してきた人。

 

それなのに、

 

なぜか周りからは

あまり評価されなくて、

 

60代に入った現在は、

 

年齢や体調を理由に閑職扱いされ、

いまも現場で粛々と働いている。

驚くほど薄給で。

 

私と気の合うBさんが

「ものすごくいい人だから」と

引き合わせてくれたのですが、

 

本当にものすごくいい人だった。

 

俺が!俺が!

みたいなところが全くなくて、

仏様みたいに、

ただただ静かにそこにいる、

 

という感じ。

 

最初、3人で公園のベンチに座り、

コンビニで買ったお酒を飲んだのですが、

(青春か!)

 

私の開けた梅酒サワーが吹き出して

あわあわしていたら、

 

左隣のAさんから、

サッと無言(←ここがポイント)で

ティッシュが出てきた…。

 

そんな感じの人です。

 

で、ここからが本題。

 

結局、評価される人って、

 

目立つのがうまい人

 

なのだよなぁ、と。

 

成績が良くて、評価されて、

周りからも「あの人すごいね」

と言われている人が、

 

現場の見えないところで

トラブルや問題を作り続けている…

 

ドヤ顔の本人の陰で、

周りの人たちが疲弊していく…

 

ということは、

少なくない(というか割と多い)。

 

困っている人に、

無言でティッシュを差し出す

 

といった類の振る舞いは、

 

売り上げ第一の現場では、

評価の物差しの隙間から

こぼれ落ちてしまうから。

 

加えて、

 

スタンドプレイが苦手ともなれば、

どんどん埋もれていってしまう。

 

かつてAさんと

一緒に働いたことがあるBさんは言う。

 

「俺が一緒に働いた人の中で、

Aさんほど男気がある人はいない」

 

と。

 

おだやかな仏様キャラなので、

「男気」という言葉は不釣り合いですが、

 

Bさん曰く、

どうやら「逃げない」らしい。

 

うむ、なるほど。

 

たしかに、

パフォーマンスは天才的でも、

 

何か面倒が起こったとき、

 

見て見ぬ振りをする人、

保身に走って逃げる人、

 

いるもんね。

 

さて、そんなAさん。

カラオケでは恥ずかしそうに

柳ジョージを歌っていましたよ。

(し、しぶい…)

 

今後も一緒に働くことはないと思うけど、

Aさんのような人が、

同じ会社にいてくれるのは嬉しい。

 

そして、

 

Aさんのような人が、

あまり評価されないことに、

心痛む。

 

いま、

彼と一緒に働いている

若い人たちの中に、

 

ひとりでも、

Aさんの「男気」にちゃんと気付ける人が

どうかいますように。