卵子提供: 家族の反応とは@ドナーコンセプションミーティング | がんサバイバー、母になる  in カナダ

がんサバイバー、母になる  in カナダ

'16年夏、乳がんになり抗がん剤、放射線治療を17年5月に終了。定期健診のみ行いタモなしで妊活。日本人ドナーから卵子提供を受け、2020年に出産。山あり谷ありのカナダ生活を綴ってます。

ミーティングから暫く時間が経ってしまった
けど、書いておこうと思うことがある。

卵子/精子提供を行うにあたって、親世代に
どうしたかと言うこと。ミーティングに参加
した人カップルは全員自分の親にある程度の
段階で話をしていた。

私は卵子提供をする前から双方の親に話し
説明をした上で何度も意見を交わした。
幸いなことに、私の親は反対はせず、母は
資金援助までしてくれた。私の気持ちを汲み
取ってくれたからだと思う。

父は賛成せずとも反対まではしない。これは
私のパートナーがあっての事だと思う。
父は完全男尊女卑の中で育てられ、今も
そのまま生きている人だ。私のパートナーを
立て引いた結果だと思う。

パートナー側は特に問題はなく、むしろ私の
エストロゲン受動体を心配された。妊娠は
ガン再発のリスクを高めるから。
どちらの親も話自体はタブーではない。

すでに子どもが生まれている2組のカップルは
妊娠中に伝えて、それ以来一度もその事が
会話に登らないと言っていた。気にしないのか
あえて話さないのかはわからないそうだけど、
たまにずれた事を言うので、精子提供自体を
深く考えていないか、理解していないか、
忘れているかのどれかだと思うと言っていた。

まだ子どもが生まれていないカップルも、既に
話したけれど、遺伝子の部分を完全に理解して
いないのか、血のつながりに纏わるコメントを
ふいにしたりするらしい。そこでカップルが
遺伝子は継がれないからというと、
あぁ、そうかとなるらしい。

両方に言える事は、提供で生まれた子どもで
有る事は大した問題ではなさそうだった。
でもあえて突っ込んで話すほど心地よくは
ないといった感じだろうか。

もう一人は親も理解し、卵子提供に纏わる
ジョークを交わしたりもする事もあると言って
いた。

それぞれが言っていたのは、もし親世帯が
話したくないのであれば、それでいいと。
無理に話はしない。でも事前に事実を伝えて
おく事は子どもの環境を整える意味でも大事
だと言っていた。子供が否定されるような
事は絶対に避けたいのはみんな同じだ。

親世代はカナダでも日本でもやはり保守的で
有る事は間違いない。違いは親が子どもの
人生の選択に大きく影響するか、しないか。

カナダ人は意見をはっきり言う。でもそれに
従わないといけないことはまずない。

日本だとやはり親に許しを請わなくてはいけず
駄目だと言われるのが怖くて言えない人もいる
のかななんて思った。

うちの親も日本人だ。元はゴテゴテの保守的な
家だった。社会人になっても一人暮らしは
させないと言われていた。

それを段々切り崩し、私がカナダに移住し
カナダ人パートナーと一緒になり、その時点で
かなりの意識改革があったと思う。

子どもの人生をコントロールするどころか
手の届かない所に居ついてしまった。
諦めざるを得ないと同時に、結果的に私らしく
生き方がある事に気づき認めてくれたんだと
思う事にしている。

過干渉に近く、自分の意見を伝えるのに苦労
していた頃の自分がもどかしい。今の自分の
意見を伝えられる環境が素晴らしい事か。

お互いにとってこの変化は良かったと思うし、
親不孝だとは思わない。

時間のかかる話だけど、今卵子提供で悩んで
いる人たちが、将来親世代になった時、意見を
聞く側になれたなら、前向きに変わるかも
しれないと感じた。