BREAK 63 | ラテックスは妄想中

ラテックスは妄想中

暴走ギミな妄想をチラカスBananaです。
甘味世界を目指し オリジナル小説書いてます。
腐 要素 多くなってきちゃいました。苦手な方ご注意ください。

 


決して


乗り心地の良いものではない


運搬用のエレベータ



稼働音も 


そこそこ重厚に響く


広い箱の中で



荷物 持つ者と


その荷の中から 何かしらを


取ろうとしていた


アイドルが



くっ付いて立ってる




本来なら


僕の仕事は 送迎のみの


運転手で



荷物持ちも


アイドルの仕事場である


建物内に入る事は



先輩である 社員さんの仕事で


…そう 理解していた



送迎の仕事は


今日が初日で



冷静に考えれば


テンパってもおかしくない


状況である事は


事実




とは言え


目的の階に 着けば



一端は


終了するだろう



荷物持ちの行為に



早く


社員さんに バトンタッチしなきゃ





急く思い


徐々に 高めつつ



移動時間の 長さに


わきゃわきゃ する


うちに



目的の階に


到着したエレベーターが



ゆっくりと 重そうな扉を開く




その先に見えた 眺めは



外の人間に


見せるものでは無く



舞台で言うところの


裏側



…と言った 


装飾の無い 空間で



作られている 華やかな諸々の


セット裏



と 言った雰囲気に




…部外者の僕が 入っていいとこか?




思いつつも



無くはない 好奇心で


あちこち見たい 感情


抑えながら




アイドルの後を 


黙々と ついて歩こうと



彼の 動きに調子を


合わせるべく



注視していれば




バックの中から 出された手を


今度は


ポケットに突っ込むと



耳のイヤカフに触れ



「…あぁ もうそっちへ行くよ」



通話だろう


独り言のように 喋りながら



僕に 何言うでもなく



エレベーターを 降りた