「なんで 離れてんだよ」
僕のアクションに
目の前のアイドルが
過剰に反応見せる
「…ひょっとして今 痴漢扱いした?」
さっと 離れた僕の様子に
そうさせてしまう様なセリフ
口にした事
早くも 後悔になったか
本能的に逃げた
僕の方が
意識し過ぎだって事に
話を持って行く気なのか
かわす姿勢が
過剰だと
指摘しては
機械音
そこそこ響く 箱の中で
見合わない音量で
ごにょごにょ と
聞き取れない なにか言ってる
アイドルが
「…ってか そういうの
逆に意識するし 止めてよ」
と
キメのセリフは
滑舌よく
ハッキリ伝わる 音量で
告げると
後退った僕が離れた分
距離をつめる様に
僕へ近付く
わっ…となった 僕が
さっきみたいに
逃げないよう
「…物を取るだけだ」
と
追っかけっこ させるんじゃないぞと
念を押すと
僕が
肩から下げてる
彼の荷物に
手を突っ込んで来た
只でさえ重い 肩への負荷に
何か探しているのだろう
トートの中で
動かされる 手によって
Gが掛かって
思わず
うっ… と
声が漏れたところで
「…何だよ 筋力ねぇなぁ」
そう
肩のあたりで
囁いて
寄り近くへと
身体の距離が 詰まる