催涙雨 》期間限定 | ラテックスは妄想中

ラテックスは妄想中

暴走ギミな妄想をチラカスBananaです。
甘味世界を目指し オリジナル小説書いてます。
腐 要素 多くなってきちゃいました。苦手な方ご注意ください。





子供の頃は 


願い事をする日だった


七夕



いつ頃からだろう


恋人を意識する日になったのは




あぁ…あれだ


学生の頃の知人が


結婚記念日にしてからだ



卒業後

職種の違いで


すれ違い多くて



まだ付き合ってるって


本当かよって


よくからかわれてた




なのに 別れもせず


そのまま


くっ付いちゃった




あの二人





元気かなぁ




「…ねぇ どう思う?」




雨のせいで


然程暑くない空間



すぐ隣で

 横たわった裸 体



恋人の肌



部分的…二の腕とか 触れれば


ヒンヤリしてる




「…あつい」



僕の手の体温に 小さい声


軽く揺れ

 反応する体



触れた手 離さず


肌の上滑らせ


脇の窪みに 納まる



ヒンヤリとした肌は同じでも


熱の感じ方が違うのか



脇に差し込んだ僕の手を



暑いと 嫌がる所作は無く



すぅすぅと 呼吸音



手の体温位では 


冷たいままの恋人の肌に




心まで ヒンヤリしてそうな不安


掻き立てられ



温かい部分 探して


肌の上 手を這わす





「…んん…」



微睡む中 



僕の手で

 促がされる覚醒に



少し 不愛想な動き



「…なに? 」



薄く開かれた恋人の瞳



キラキラと光を受け


 夜空の様な黒目が


僕を捉え


 納めてる




「触れたい時


 近くに居てくれる喜び

     かみしめてる…」




僕の言葉


 目覚め始めたばかりの脳で


どの回路 通って

 解読しようとしているのか


もしくは


機能停止状態なのか



考え事 してる表情で


眩しさから目を閉じ



フリーズしている恋人の反応



「…ひょっとして 寝た?」



無反応の 長さに掛けた声




返答なくて



 いいよ 別に…



肌の上 探る手が


見つけた 恋人の温かい部分に


唇を寄せ



僕の熱との

 違いの無さを


確認する



その 



確認作業で



恋人の体温が 上がり始め




外でする 雨音


 地を濡らす 雫の垂れる音に



重なる 恋人の声



僕の髪に


 絡まる


恋人の指





伝え合う 熱







涙を誘う 



そう言われる


 七夕の雨




僕は




誘導する


 恋人の涙を



歓喜を








 ゆっくり離せば




溢れた



 


唇を伝い



ぽとりと 落ちる








―――――――――



短冊に願いを書かなくなって


早幾年月


世界中の


愛し愛される人たちへ


今日が良い日であります様に








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