「 エイタぁ 最近のお前の絵
…誰かに似てねぇ? 」
清水の作品用に描いた絵数枚
キャライメージが有った方が
話が進むから…と
あらすじ段階の
登場人物のデザイン画を頼まれた
「 …そう? 」
清水が好きなアイドル
彼女に似た人物像は避けろ
絵のイメージに引っ張られ
彼女のファン向け
創作物語になってしまう
…と 中野から注意を受けていた
「 絶対 あのアイドルの要素を
入れるな 」
中野の要望
「 それはそれで面白いと思うけど 」
ゼロから作るより
モデルが居た方が 何かと楽だし
僕からの主張
「 俺が嫌なの そういうの 」
文章を書くでもなく
絵を描くでもなく
僕らと活動を共にする
中野は
こういう時に ガツンと発言する
「 …誰だろう …何か知ってる
このキャラの 雰囲気 」
中野がマジマジと
僕の描いた 人物像を眺める
登場人物 主役の女性
それは
無意識だった
最近凄く目にする人だから
その表情を
目で追って 見つめている相手だから
ゼロから作り上げた つもりでいた
キャラクターだけど…
「 あ! 分かった お前 これ… 」
中野が僕を見て ニヤリと笑った
その目に ドキッと
僕の心臓が 跳ね上がる
「 やるねぇ 顧問を辱める作戦か? 」
え?ケント先生?
…なぜ ここで ケント先生が?
女性にしては 少し手足が長いから
多少中性的かもしれない
…でもそれは
頭の中に居る 天城先輩を
無意識にイメージしたからか?
…なんて
ちょっと
気付かれたら どうしよう
って
ドキドキしてたのに
想定外に ケント先生の名
中野がそう思うなら
そう言う事に しておこう
激しく
女性を虐めるのが得意な
清水の作風
その主役 イメージ画
…ケント先生 ねぇ …
清水にも中野の助言が
ダメ出しが 入るだろう
顧問を女性化した と仮定して
進行する 物語が
…どんな展開を見せるのか
何故だろう
早く 先輩に読ませ
感想を聞きたい
自分が
いた
――――――
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