ホスピタル #2-20・線路 》片手分の空白 | ラテックスは妄想中

ラテックスは妄想中

暴走ギミな妄想をチラカスBananaです。
甘味世界を目指し オリジナル小説書いてます。
腐 要素 多くなってきちゃいました。苦手な方ご注意ください。

 

━─━ 線路 ━─━



 人の 習慣 というやつは

窮地の時にも現れる


私の足は 図書館に向かっていた


時間を潰したり

サトコと待ち合わせをしたり


そんな馴染みの場所



…が 知り合いに出くわす確率を考えると

今は避けるべき場所かもしれない


兎に角 人の目が少ない所に

逃げ込みたかった




気にしすぎているのか

すれ違う人

誰もが 私を見ているような気がする


無意識に 襟に 手が行く



…どうしよう


ポケットの中

携帯と家の鍵 そして財布



私は 図書館への 道をそれ


人目を避ける様に


駅に向かった





━─━─━─━─━─




事務所直通の携帯が鳴り


夕方 交代要員が一人足りないから

来てくれないか と呼び出される


「 ブライアン 今どこ? 」


アソシエイトのモリー

彼女は常に完璧を好む


彼女との仕事は

嫌いじゃない



「 夕方って 何時に行けばいい? 」



本来なら 今日僕は休みだ

断ってもいいものの


一向に姿を見せない ショウを

待ち続けるのも やるせない



「 実は 事務所来る前に 

 資料取ってきて欲しいのよ 」



地図情報をメールしてもらい

チェックする



「 …じゃぁ 18時に 」


「 気を付けてね 待ってる 」




通話を終え 

ショウの為に作った食事を

冷蔵庫に 詰める



…全く 


他人を残し 帰る気配のない 

この家の住人を思う


防犯意識の低さと

人を容易く 信用する


僕の感覚からは 有り得ない現状


…どこまで ピュアなんだ



そう…ショウは悪くない



今の状態を招いたのは 僕だ



僕から始めた事



室内を見回す

固定電話


もしかして…

登録を検索してみる



あった ショウの携帯NO



僕は迷わず 

ショウに 掛けた




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