「 ねぇ お前ん家 行っていい? 」
ショウの髪から手を離し
唐突に問う
ショウが家に来る事が当たり前になってた
その逆は…考えてみたら
今まで無かった方が 違和感ある
「 …両親 仕事で 誰もいないから 」
…お決まりの返答
だから?いつも思ってた
親がいない方が 遊び放題なのに
…なぜか 今までは その言葉で
曖昧にし
んじゃぁ 俺ん家ね って
流してきた
「 いいじゃん? 別に 」
ショウが え? って顔して見てくる
俺は席を立つと
ショウの正面に向かい
机に両肘を付け しゃがみ
下から覗き込むような 体制になる
ここで見せてない 別の顔が
ショウの中に 存在するんだ
昨日まで…さっきまでと
なんら変わっていないのに
首の痣一つで
俺は ショウを違う人間の様に感じ
それがどこかに見て取れないかと
ガン見する
少し眉をよせ 困惑気味のショウ
…あ…唇に 傷がある
俺は自分の唇を触り
「 ショウ こんなとこ 傷あるね 」
俺の仕草を見て ショウの目が泳いだ
明らかに 動揺している
…何だろう
俺…
「 …トモキ…チャイムなってる 」
ショウがホッとした様に 時を告げる
俺に教室へ戻れと
ガタガタと 周辺が着席始める音
「 …放課後 待ってろよ 」
ショウの返事も聞かず 教室を出た
誰に 何に どうして
訳も分からず
俺は 酷く ムカついていた