あたし、恐いみたい。
まだ記憶をリライトすることに、恐さを感じる。
前の彼と出逢ってすぐ、大好きな唄があった。
出逢ったのは、雨の多い季節で、
いつもいつも、車に乗ってた。
クラブへ行ったり、
レコード漁りに行ったり、
ドライブしたり、
買い物行ったり。
その頃聞いてた歌を、なぜか今更聞きたくなって。
ジットりした失恋ソングなんだけど、
カラッとした歌が好きな彼にはきっと珍しかったと思う。
カラオケ行くと歌ってた。
鼻歌で歌ったり。
当時、この歌ばかり聞いてた。
すっかり忘れてたのに。
なんか今更ふと思い出して。
探してみた。
あの頃と何も変わらない。
蘇る。
彼との思い出にとっておきたい一曲。
秋の長雨。そんな時期だったかな。
彼のローレルで、
古いステレオから聴こえてくる、
スレた音が雨音と混じって、そして、
隣で彼が歌ってて。
哀愁の匂い。
温かかった頃の彼を思い出す。
もう、彼に繋がるものは全て捨てようって思ってた。
他の誰かと聞くのが怖いよ。
そっか。当たり前のように恐いんだ。