「B1A4 2016 JAPAN TOUR」セットリスト
1月14日@NHKホール
01. 白いキセキ
02. IF...君さえいれば
03. Love is Magic
04. SOLO DAY -Japanese ver.
05. おやすみgood night -Japanese ver.-
06. Beautiful Target -Japanese ver.-
07. イゲムスンイリヤ~なんでどうして?
08. O.K
09. Wait
10. サラン グテン(恋、あの時は)
11. Believe in Love
12. HAPPY DAYS
13. イェッポ
14. You Are a Girl I Am a Boy
15. Sweet Girl
16. LONELY
17. Beautiful Lie
18. Only One -Japanese Ver.-
<アンコール>
19. IN THE AIR
20. ムルハンジャン
21. WHO AM I
メロディーのリフレインとビートの効いたフック、そして目を引くパワフルなフォーメーションダンスやポイントダンス。そういった、“いわゆるK-POP”とは一線を画す音楽性とセルフプロデュースでグループの魅力と世界観を打ち出し勝負し続けている、B1A4(ビーワンエーフォー)。
近年は、ドラマや映画、ミュージカルなどの演技活動やMC、バラエティ出演など、ソロ活動も活発で、そこで培った自信は個々をますます輝かせているようだ。今年1月11日から31日まで全国6か所9公演で2万人を動員したライブツアー「B1A4 2016 JAPAN TOUR」。ステージに立ったメンバーは、それぞれの輝きはそのままに、5人がひとつになることでより磨きのかかった“B1A4のカラー”を発揮した。
韓国出身の5人組ボーイズグループ、B1A4が1月14日、東京・渋谷のNHKホールで全国ツアーの東京公演を行った。
ツアーを目前に控え、メンバーが突如小さくなってしまった! というファンタジー要素が可愛らしいオープニング映像。その中で、問いかけられる「等身大のB1A4であるために必要なものは?」。その答えはどこにあるのか?
ゆっくりせり上がりながらステージ上段に登場したメンバーは、リーダー・ジニョンが作詞作曲を手掛けた日本オリジナル楽曲『白いキセキ』、そして『IF...君さえいれば』で会場を温めていく。冬に似合う、爽やかさと、切なさと、相反する感情を呼び起こす楽曲でしっとりとしたスタートを切った。
3曲めからはダンスも解禁。シヌゥが手がけた『Love is Magic』で会場に“魔法をかけ”、ロマンティックでセクシーな色に染めていく。バロの低音ラップとソウルフルなジニョンのファルセットがより気分を高めてくてれたところで放たれるのは、『SOLO DAY -Japanese ver.-』『おやすみgood night -Japanese ver.-』。カラフルでキュートなポップチューンは、B1A4の代名詞といっても過言ではない。会場とのコール&レスポンスをしながら、思い思いにステージを、楽曲を楽しむメンバー。会場には笑顔の花が咲き乱れる。茶目っ気たっぷりに「チュッ」とリップ音を響かせるバロには、黄色い悲鳴が上がったのは言うまでもない。
「みなさん、ハッピーニューイヤー!」。多幸感に満ち溢れる会場を眺めるメンバーもうれしそうだ。「1年の始まりを、こうしてBANA(=B1A4のファン)のみなさんと一緒に過ごすことができて幸せです」というジニョンは、「2016年もきっと、絶対に、間違いなくいい年になりそうですね! BANAたち、一緒に幸せになろう...」と甘い約束でファンをノックアウト。末っ子のゴンチャンも「2016年もいろいろな夢を実現させます。BANAのみなさんの夢は僕たちが必ず叶えます! お互いに幸せな1年を過ごしましょう」と頼もしく宣言した。
会場となったNHKホールは、日本デビュー時にテレビ収録で立った舞台。当時を振り返り、メンバーは懐かしさを口にする。「僕たちは21歳でした。今は25歳(韓国数え年)です!! 時間が早い~」とバロ。続けて、「ジニョン君は26歳。オッパ(お兄さん)じゃないね、アジョシ(おじさん)です。僕とサンドゥルとゴンチャンまではオッパ、ジニョン君とシヌゥさんはアジョシです~」なんて、軽口を叩くバロに、シヌゥは「僕は永遠にオッパだよ」とニヤリ。そんなシヌゥの笑みに、会場は「きゃ~~~!」。幼さは抜け、ビジュアルはすっかりオトナだけれども、メンバーのワチャワチャぶりはやっぱり可愛らしく、会場も大興奮だ。
そんな懐かしさを込めて、日本デビュー曲『Beautiful Target -Japanese ver.-』と、『イゲムスンイリヤ~なんでどうして?』と“ザ・B1A4”なポップチューンで遊ぶと、今度はしっかり聴かせるパートへと突入し、異なる世界観へと誘った。
「突然姿を消した君。もう二度と会えないなんて……」(ジニョン)
「運命みたいに、嘘みたいにもう一度、僕の目の前に現れてくれないか?」(シヌゥ)
「他には何もいらない。また会えたなら、僕の全部を君にあげるのに」(バロ)
「これは恋なのか? また会えたなら、僕の心にキレイな花が咲くのに」(サンドゥル)
「僕はずっと君を捜してる。君の香りが忘れられない。ねえ、君は今、どこにいるの?」(ゴンチャン)
「運命なら、また会えるよね? ずっとずっと待っているから……」(ジニョン)
メンバーそれぞれのナレーションで会場を切なさで満たして放たれる『Wait』。ピアノやハーモニカの旋律が、より悲しみを引き立て、ラップのバロもボーカルとして歌い、楽曲の世界観をうまく形成していく。続く、『サラン グテン(恋、あの時は)』『Believe in Love』と、しっかりボーカルを届けていった。
オープニング映像の続きとなる可愛らしいブリッジ映像で空気を一変。日本最新曲『HAPPY DAYS』と、『イェッポ』というポップチューンで会場にハッピーをばらまき、“可愛い子を探そう”と会場を見渡すメンバーに沸く会場。ゴンチャンがサンドゥルのほっぺをツンツン……と、可愛いふたりのワチャワチャぶりに会場の興奮は加速するばかりだった。
後半のMCではちょっとしたハプニングも。夢の話で盛り上がるサンドゥル。夢中で話すサンドゥルの振り上げた腕が、ジニョンにまさかのヒット。マイクを歯にぶつけたジニョン。ゴンチャンが心配そうにジニョンの口元をのぞきこむ……と、こんな様子にもファンはノックアウト。そこでゴンチャンがひとこと「安心してください! 歯があります」。“とにかく明るいゴンチャン”に会場も大爆笑だった。
そして、韓国の音楽番組で8冠に輝き名実ともにトップアーティストの仲間入りを果たすきっかけとなったヒット曲『LONELY』や、日本初アルバム(2012年)のリード曲『Beautiful Lie』と、思い出深い楽曲を歌い、ファンと思い出を共有すると、終演の足音が聞こえてきた。
メンバーそれぞれがライブを振り返り、ファンへ感謝と愛情を伝えた。「僕、頼みたいことがあります」と切り出したゴンチャンは、「BANAとB1A4は、歌手とファンだけど、今日から友達。歌手とファンは距離が遠いけど、友達はちょっと近いでしょ?」と微笑む。「BANAヤ~」と親しみを込めて会場に呼びかければ、「ゴンチャナ~」と歓声が飛ぶ。「今日からもよろしくね! 友達~」と言うと、温かな雰囲気に包まれた。
そして、「僕は永遠にオッパになりたい」というシヌゥは、優しい眼差しをたたえながら「BANAがいるからB1A4がいます。これが重要なこと」と、冒頭の映像のヒントを。バロも「誰かのために一生懸命に準備して、こうして舞台に立てることが幸せ」と満たされた思いを噛み締めているようだ。
「本当にすごく幸せでした」としみじみと語るジニョンは、「新しく心に刻んだことがある」という。「(今年は)去年のプレシャーを忘れて、大切な人たちと大切な瞬間を逃さないで楽しみたい」と心の内を明かし、「BANAと一緒にいる瞬間が本当に楽しい。これが本当に大切な瞬間です。今日だけでなく、これからも大切な一緒に瞬間をたくさん作っていきましょう」と、気持ちも新たに呼びかけた。もちろん、「愛してる」という言葉も忘れなかった。
サンドゥルも「みなさんに本当の気持ちを伝えたい、共感したいと思ってステージに立っています。いつもそばにいてくれてありがとうございます」とファンに感謝。ちなみに、メンバーそれぞれがコメントの後に、指をクロスさせてハートを作ってみせる仕草に、黄色い悲鳴も止まらなかった。
そして、明かされる冒頭の映像の「答え」。ファンと一体になって作り上げた時間や、進めてきた歩みで、すでに答えは明白だったけれど、シヌゥは言った。「B1A4が、等身大のB1A4であるために必要なもの、それはBANAのみなさんです」。ジニョンも「BANAは、たったひとつの、掛け替えのない存在です」と大きくて深い愛情を示し、『Only One -Japanese Ver.-』を熱唱。BANAへ届けとばかりに、メンバーはじっと目を閉じ、思いを楽曲に乗せて歌い上げた。
ヒット曲や代表曲が並んだ本編から迎えたアンコールでは、会場がひとつになってキラキラと輝きを放った。『IN THE AIR』『ムルハンジャン』で会場中が腕を突き上げジャンプ。最後の『WHO AM I』では、メンバーがカラーボールを客席に投げ入れると、「みなさん、大きいハート!」という会場に呼びかける。この声に応えて、誰もが頭上で大きなハートマークを作って“サランへポーズ”。心がほっこり温まる光景。掛け替えのない瞬間を胸にメンバーは「みなさん、アイラブユー」という言葉を残してステージを後にした。
「B1A4 2016 JAPAN TOUR」セットリスト
1月14日@NHKホール
01. 白いキセキ
02. IF...君さえいれば
03. Love is Magic
04. SOLO DAY -Japanese ver.
05. おやすみgood night -Japanese ver.-
06. Beautiful Target -Japanese ver.-
07. イゲムスンイリヤ~なんでどうして?
08. O.K
09. Wait
10. サラン グテン(恋、あの時は)
11. Believe in Love
12. HAPPY DAYS
13. イェッポ
14. You Are a Girl I Am a Boy
15. Sweet Girl
16. LONELY
17. Beautiful Lie
18. Only One -Japanese Ver.-
<アンコール>
19. IN THE AIR
20. ムルハンジャン
21. WHO AM I
僕らが等身大であるために!
導入部は彼らの練習風景を映したモノクロ動画。その後、5人は突然小さくなり、「元に戻る方法を探さなきゃ!」と慌てることに。元の大きさに戻る、つまり、“自分たちが等身大であるために必要なことは?”を追求する……それがこのコンサートの柱になった。イエローのサインライトが揺れる中、舞台にせりあがって来た5人。バックには白い雲が流れ、ホワイトスノーに包まれたステージで「白いキセキ」を歌えば、彼らは奇跡を起こすロマンティックなマジシャンとして立ち現れた。続く「IF…君さえいれば-Japanese ver.-」もじっくりと歌い、序盤はしっかりとした歌唱力を主軸に魅せていく。そしてバロのラップから幕を開けるR&Bチューン「Love is Magic」は彼が途中「Happy New Year」と声をかけ、お年賀モード。終盤には彼の「Let's Go」という言葉を受け、ファンが手を左右に揺らし、会場中がラブリーな雰囲気に包まれた。
「一年の始まりをこうしてBANA(B1A4のファン) の皆さんと過ごすことができて、本当に幸せ。2016年も絶対に、間違いなく、良い年になりそうです。僕たち、一緒に幸せになろう!」(ジニョン)
「今年の活動もがんばって、休みがとれたら、旅行に、例えばワイキキに行きたいです。そして皆さんに会うため、日本にもっとたくさん来ますね! 約束!」(バロ)
「今年はもっともっと日本に来て、(サンドゥルを諭すように) おいしいものを食べたり、遊園地に行ったり。2016年もいろいろな夢を実現させながら、BANAの夢も僕たちが必ず叶えますので、お互い幸せな一年を過ごしましょう」(ゴンチャン)
飛行機が着地すると同時に、VTRと現実が一つになり、5人がステージ奥から飛び出した。カジュアル・ファッションにチェンジした彼らが歌ったのは軽やかなエレクトロチューンの「HAPPY DAYS」。シヌゥがラッパーとしての顔を強く見せる「イェッポ」ではゴンチャンが右頬に人差し指をクリクリさせ、キュートさが爆発! そして爽やかなロック調の「You Are a Girl I Am a Boy」ではステージ横のモニター画面で男女のシルエットがジルバを踊り、後半は甘いステージから幕を開けた。
そしてジニョンの「小さくなる夢を見ました。歩いても歩いても中々、進まなくて怖かった」という告白から始まった夢トークでは、ゴンチャンが「僕は小さくなったら、メンバーたちのポケットに入りたい」とコメントし、その可愛らしさにファンは大興奮。バロが「2016年もBANAの皆さんにたくさんの夢を見せてあげます」と夢トークを凛々しく締めた。
ゴンチャン「BANAとB1A4は歌手とファン(の関係) でしょう。でも、今日からは僕たちは友達。なぜなら、歌手とファンだとちょっと遠く感じるから。友達は近くでしょ! 今日から友達しましょう!」(指ハートつき)
シヌゥ「ゴンチャンは友達になりたいって言ったけど、僕は永遠にオッパ。BANAがいるから、B1A4がいます。これが重要な部分です」(ダブルの指ハートつき)
バロ「僕もオッパです。BANAのために一生懸命準備をして、ステージに立っていることを幸せに感じています。これからもBANAという友達のために良いステージを準備していきます。(右手を突き出しながら) BANA、B1A4、クロス!」
ジニョン「去年のプレッシャーを忘れて、大切な人たちと大切な時間を楽しもう、と今年に入って心に決めました。今、BANAの皆さんと一緒にいるこの瞬間が本当に楽しいです。大切な人と大切な瞬間を過ごして、本当に幸せです」(指ハートの投げキッス付き)
ファンとの距離がグッと近づいたことで、メンバーは、この日のテーマの答えをこう確信する。
「(B1A4が等身大であるために必要なのは) BANAの皆さんです」(シヌゥ)
スターたらんと無理に背伸びすることなく、ファンに対し、友達のように接するB1A4。でも、本編幕締めに「Only One-Japanese Ver.-」を選び、かけがえのない友達を優しく包み込むように歌いあげた姿はスターそのものだった。
2016年初のコンサートには単独コンサートにありがちなソロ・コーナーやユニットでのステージがなく、5人の一体感を強く印象づけた。そして、ド派手なセットやバックダンサーの助けを借りることなく、彼らは歌手としての底力をしかと見せることに成功。ボーカル・グループとして一層の成長を見る2時間だった。
ライター:きむ・たく