国内の採捕可能なタナゴを全部釣ってみた〜北関東編〜 | 1/6釣り旅人

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身近な魚から遠征釣行まで。とにかく色んな魚を釣りまくります。

  ​関東で狙う宝石探し


8月に入り季節はすっかり真夏。

2021年中に国内で採捕可能なタナゴを釣るという目標を掲げた中ですっかり忘れていた種類が3種類ほどありましたので、お盆休み中にまとめて釣ってしまおうと北関東は栃木県と茨城県へ向かいました。



​避暑地と灼熱の地へ



2021年8月8日



別の用事があったのでその足で前日夜から那須のとあるビジネスホテルへチェックインしました。

このビジネスホテルのプランで、格安のプランでなにやら訳ありの部屋という事でなんだろうと思いながら予約したのですが…。










入ってビックリ。恐ろしいほど縦細な部屋だったのです。

とはいえ綺麗で清潔且つベッドは充分過ぎるくらいふかふかなので、この異常に縦細な以外はなにも問題無かったので、こんな部屋も中にはあるのだなぁということで寝酒を入れて就寝しました。



という事で翌朝起きるとしとしとと小雨模様。

予報では降るような事は書いてなかったのですが、山の近くですし天気は変わりやすいのだろうとチェックアウト時刻ギリギリまで部屋で待機していると雨は止んできたので出発します。






緑の深い那須の道は走ってても気持ちのいいものですね。

宿からしばらく走りやってきたのはとある小川。

川らしい川でもなく水路でも無いThe小川です。



夜の間にそこそこ水量が増えた様で、釣れるかどうかはかなりギリギリのライン。

この場所は以前にも訪れているので、その時釣れた場所を点々と仕掛けを入れていくのですが、この日は何故か釣っても釣ったもカワムツしか掛からないそんな状況でした。



様子がおかしいなぁと最初はスルーしたエントリーポイントのすぐ近くの場所を流すとここが正解だったようで、小型ながらマタナゴがポツポツ釣れ始め合間にアカヒレタビラが釣れてくる状況になりました。







真夏という事もあり婚姻色はすっかり抜けてしまっていますがそれでもそれぞれの特徴はハッキリと出ています。

アカヒレタビラやマタナゴは私がタナゴ釣りを始めた小学生の頃は北浦や霞ヶ浦の船溜まりや流入河川でもよく見かけたタナゴでしたが、現在ではオオタナゴに変わってすっかり見掛けなくなってしまいました。


そうした中でここ栃木県の山中の一部地域で現在も細々と姿を見せてくれます。

関東型のアカヒレタビラは特に貴重な存在ですので守っていきたいところですね。







マタナゴの集合写真です。

婚姻色が無いと種類の特定が難しい事もありますが、マタナゴの場合はイチモンジタナゴ程では無いにしろ体高が低いため、同じ場所で釣れる事の多いアカヒレタビラと見分ける事が出来ます。


またマタナゴは「えっ?こんなところで?」と疑うくらい流れの早い場所を好む傾向があるため、釣り分ける事も可能ではあります。


私は知りませんが、山奥の小河川に生息するマタナゴに関してはヤマメと同じような場所に生息する個体も居るそうです。



ちなみに先程からマタナゴマタナゴと言っていますが、正式和名は「タナゴ」です。

正式和名の紛らわしい話として「マタナゴ」というウミタナゴの仲間も存在しますが、タナゴ愛好家の中ではタナゴの事を「マタナゴ」と呼んで区別する事が多いと思われます。


もっと紛らわしい話として、先述した通り霞ヶ浦水系ではタイリクバラタナゴの事を「オカメ」(更に遡ると霞ヶ浦水系にゼニタナゴが生息していた頃はゼニタナゴの事を「オカメ」と呼んでいた)、ヤリタナゴやアカヒレタビラ、タナゴの事を「マタナゴ」と区別して呼ぶ方も中には居るため非常に紛らわしいのですが、当ブログでは正式名称「タナゴ」の事を「マタナゴ」と区別して呼ばせていただきます。



さて、20匹前後釣ったところで急に食いが渋くなってきまして、アカヒレタビラとマタナゴのポイントはここで一区切りとしここから一気に南下する事にしました。




​インターナショナルレイク霞ヶ浦


正直通常であればこのような行程を取るタナゴ釣りの方はまず居ないと思うのですが、3時間ほど車を走り峠を越えて辿り着いた先は霞ヶ浦です。






八郎潟の干拓により日本で2番目の面積である霞ヶ浦ですが、この湖も多種多様な生態系を持つ湖でした。

残念ながら15年から20年前を境にその環境はがらりと変わりました。

その当時から水質は良くは無かったのですが、この湖に関して言えば外来魚により大きく環境が変わってしまったと思える湖と言えます。


オオクチバスやブルーギルの食害が幅を利かせていると言われますが、私がタナゴ釣りを始めた頃からこの2種類は居ましたし、その頃は在来タナゴも良く釣れました。

大きく変わったのはアメリカナマズとオオタナゴが大繁殖し始めた頃からと思います。


その2種が増え始めると次第に在来タナゴを始め、在来のコイ科の魚は少なくなっていったように感じます。

大事な事なので言いますが、悪いのは魚ではなく人間です。



もはやインターナショナルレイクと呼ばざるを得ないこの湖に何を釣るのかと言うと、先程からチラホラ言葉にしているオオタナゴです。



現在霞ヶ浦水系のオオタナゴはココ!という特定の場所ではなく、周囲に広がるこの護岸沿いのどこでもその姿を見かける程に大繁殖しています。



ただその中で纏まって釣ろうとなるとある程度条件があるようで、例えば上の画像にあるような流入河川でしたり水門、船溜まりやところどころにある縦杭といったストラクチャー周りに多く居るように私は思います。



魚体や口も名前の通り他のタナゴと比べると大型のため、通常のタナゴ仕掛けより繊細な必要も無く、どちらかと言うと前回の琵琶湖でのシロヒレタビラを狙うような仕掛けやコブナ釣りで使用するような仕掛けで充分代用が可能です。



私はハエウキを使用したシンプルな仕掛けで挑みました。

場所はある程度絞っているとはいえ、広範囲に散らばっている事が多いオオタナゴを寄せるという意味で、今回はグルテンをエサにして釣りを開始しました。



やはり最初は食いが立たなかったのですが、しばらく撃ち返しているとウキがすーっと消し込みました。

当たりの大きさも他のタナゴより派手です。






こちらがオオタナゴです。

パッと見ではカネヒラにも見えなくもありませんが、全体的に銀色で鰓蓋の右側に大きめの斑点があるので見分け方は簡単です。

名前の通り最大で15cmは軽く超える、現在日本国内で釣る事が出来るタナゴの中でもっとも大きくなります。



着いたのが日没1時間前だった事もあり実釣時間は非常に短く30分とやれなかったのですが…。






7匹ほど釣る事が出来ました。

小型のタナゴはタイリクバラタナゴにも似ていますがこれらは全てオオタナゴです。



オオタナゴを釣る上での注意点として特定外来生物に指定されている事です。

釣った後のリリースに関しては今のところ問題はありませんが、生きたままの移動は全面的に禁止されております。

綺麗だからという理由で持ち帰って飼育する事は法律で禁止されていますので、釣り上げたオオタナゴは必ずリリースしていただきたいと思います。



という事で今回は北関東をぐるっと回って合計3種類ほどのタナゴを釣る事が出来ました。

ただこの行程はかなり無理があるので、興味がある方はそれぞれ分けて出掛ける事をオススメ致します。