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新大久保ドラマ&映画祭のオープニング作品「愛のバトン」(※「完全に大切な愛」から変更)を見てきました。

>以下、映画祭公式サイトの作品紹介より

かつて小児ガンを患ったオニュは、いつも笑顔を忘れない明るい青年。しかし社会の小児ガンに対する偏見や無理解を跳ね返すのは並大抵のことではない。

かたや元K-POPガールズグループのメンバー、イェナは芸能活動をあきらめ、いっそ自殺しようと考えていた。そんな2人がある日、運命的な出会いを果たす。

きっかけを作ってくれたのは、2人がボランティアをしている病院で治療を受けているガン患者の少年サランだった……。

>引用ここまで

イェナを演じたシム・イヨンさんは、「棚ぼたのあなた」のジェソクの妻コ・オク(くるくるパーマの女性)、オニュを演じたイム・ジギュさんは、「最高の愛」でチャ・スンウォンさん演じるトッコジンのロードマネージャー役などでお見かけしたことがあります。

小児ガン患者へ偏見と差別をなくす事が根底にあり、日本ならば24時間テレビなどチャリティ番組内の2時間ドラマスペシャルになりそうな内容でした。

寄付文化が根付いている韓国では、人気歌手が多数出演する慈善コンサートの開催、テレビでは著名な俳優や歌手が海外の発展途上国に行くドキュメンタリー番組、慈善団体がバックについて、日常的に目にすることができます。

この映画は、韓国の大手ポータルサイトのdaumが映画制作費を寄付、収益の40%を小児ガン財団、30%は文化財団に寄付との事。しかし、観客動員数は2万人に手は届かず・・。ホスピスを舞台にした「フェニックス~約束の歌~」のCNBLUEホンギ君のように、やはり1人だけでも目玉になる俳優がないと集客は無理なのかな?

映画の作り手にとっても、制作費用をいかに集めるか?特に社会問題への提言をテーマにする作品にわざわざ投資する人はほとんどいません。「折れた矢」、「26年」、「もうひとつの約束」など、一般から出資者を募る制作ドゥレもまだまだごくわずか。すべてがボランティア、ギャラなし、採算度外視、では成り立たない映画制作、ハードルは高いですね。

OST "It time to love"のMV
こちらから

歌手のキム・ヒョンチョルさんが才能寄付、小児ガン病棟の患者サラン役のイ・ウジン君(Mnetボイスキッズコリアでリトル ロイ・キンの愛称を得た)が歌っています。

※才能寄付:ブロボノ、公共の利益のために自分の才能や知識を無料で提供すること

【おまけのコメント】

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※こちらも撮影禁止告知なかったので添付します

開幕式に登壇された、イム・ジギュさんが、上映終了後舞台挨拶と質疑応答に立たれました。

貧困のため大学で演技の勉強をすることができず、テレビ局?のカメラマンとして働きながら、カメラレンズを通して俳優さんの演技を見ることで独学した等、貴重なお話を伺うことができました。

お話を聞いているうちに、内容が次第に宗教系に傾き始め、イム・ジギュさんがなにやら牧師さまに見えてきました。後で調べたら某教会に属していて日本にも宣教でいらしているとの事。

個人的な意見ですが、映画祭としてそこは線引きをした方がよかったと思いました。そして、寄付がまだ根付いていない日本では、1円以上の寄付という曖昧さよりは、100円とか500円のワンコイン定額、寄付先をあらかじめオープンにした方が、一般の観客には分かりやすかったのでは?と感じます。

もし来年開催するとしても、1度つけられてしまった「1円映画祭」を払拭するのは難しいでしょうね。