本日、朝日新聞朝刊第2面で「給食 心の傷にしないため」という記事を見た。記事によると、「給食を口に押し込んだり、完食することを強要したり、行き過ぎた指導が問題になる例が報告されている。昨年は保育施設で相次いで発覚した。・・・」また、「専門家は無理やり食べさせると将来の食行動に影響が及ぶ場合もあると問題を指摘する。・・・」といった内容である。

 私には3歳の孫が二人いる。彼らの食事風景を見ていると、どちらも食への執着が強く、口一杯に食べ物を詰め込む。その様子は見ていて爽快である。妻によると、私の子たちはいずれも食が細くて困ったとのことである。かく言う私も、上述した新聞記事そのもので、小さいころから少食で、親から無理に食べさせられた記憶がある。小学校中学年ごろは、5時間目の始まる前まで教卓で一人給食を食べさせられていた。先生から「もういい」と許しを得て、調理室に食器を返しに行くと、給食のおばさんから「今ごろ持ってきたんか。もう洗い終わったのに。」と小言を言われたのを覚えている。また、残したパンはランドセルに隠し、それを帰り道、近所の公園にあったお地蔵様に、ぶつけたことも覚えている。なぜそんな罰当たりなことをしたのか、今考えてもよく分からない。

 こんな私でも、小学5年くらいになると、食べ終わった人の食器を自分の残したものの上に乗せて隠し、知らん顔をして食器を返却できるようになった。しかし、その後も、見えないところで影響が残った。私は外食や他者との会食が今でも苦手である。まず、自分の分として食事をたくさん出されると、途端に「残したらどうしよう」と不安になって食べられなくなる。さらに、他者との会食場面では、早く食べないとと焦り、一層食べられなくなる。こうした私だけに、食欲から先に生まれたような孫は、とても頼もしく映る。

 上述した新聞記事の中では、「日本会食恐怖症克服支援協会」というところに、自分と同じような体験をした人の声が寄せられているとも紹介されていた。自分と同じようなことを気にして生きている人が他にもいるんですね。お互い頑張りましょうね。