痛みを気にせず病棟散歩ができる様になってきた。
家族と友人が会いにきてくれて、調子乗って病院のカフェに入ったりしていたら、何も食べたり飲んだりしてないけどら昼過ぎからお腹が痛くなって、ぐったり。
多分五分粥になり、腸がまだ慣れてくれてなかったみたい。腸付近下腹部が痛くて病棟ぐるぐるもお休みして、ベッドでお腹暖めてた。
という事で、夜から全粥だったのに食どめになりました。
夜、隣の担当看護師さんが、チョロっとカーテンを覗きにきた。
「どう?」
その看護師さんは本当に今までで1番私の心を救ってくれた看護師さん。本日は私の担当ではなかったけど。
前回の入院の時は接点はあまりなくて、今回手術前日の夜勤の私の担当になっただけ。
手術前の最後の処理の浣腸を担当した人。
私は浣腸がなによりも苦手。というか下半身を触られるのも慣れないのに、浣腸なんてもってのほか。
前回の術前の浣腸は、する前に過呼吸気味になるし、呼吸が整わず、ちゃんと息をしてーー!と言われ続けた。
ということで今回も手術自体より、浣腸から逃げ出したくて、前の日から眠れなくなっていた。
しかし腸を切る可能性が高い私は拒否することは出来ず、昼間散々ニフレック飲んだのに、やっぱり逃げられなかった。
私が「すごい嫌いなんです」
というと
「そーだよねー。じゃあ内診も苦手かな?」
「はい」
「そりゃあ誰だって気持ちいいもんじゃないから、嫌だよねー。しんどいよね」
私心ここにあらずの返事
リラックスさせる為に私の子供の事とか色々聞いてくれた。
処置が全てが終わって部屋に戻ろうとしたら、処置室の外で待っててくれて(前回は終わったら1人で戻ってくださーいだった)、「一緒にもどるよ☆」と
そして私の肩にやさしく手をのせて「今まで色んなこと乗り越えてここまで来たんだね。頑張ったね」と、、、
その一言で涙が浮かんできてしまった。
今までの事が走馬灯の様に蘇り、ちょっとお腹痛くて行った病院で癌の可能性あるから大学病院行けと言われ、行った先で散々検査して腹膜に播種の疑いありといわれ、しかも実績は少ないからもっと良いところへ行った方がといわれ、今の病院に着いき、より深刻な状態といわれ、手術で取りきれると信じきっていたら、想像より酷くて取れなかったといわれ、ショックの中抗がん剤が始まり、、、、
そしてやっとの事で2回目の手術までたどり着いた。
これまでの苦労。。。その一言で救われた気がした。
翌日の手術当日も朝一の手術だったため、その看護師さんが手術室までずっと隣にいてくれた。
手術室へ向かうエレベーターの中「不安だよね?大丈夫だよ、ここまでいろんなこと乗り越えてきたんだから、大丈夫だよ」と背中をずっとさすってくれた。
その看護師さんが5日経った今日、私のベッドに担当でもないのに顔を見せにきてくれた。
「あれから会う機会がなくて気になっていたんだよー」
「無事終わりまして、お陰様で何もなくなっていました。術後2日3日らまで痛くて苦しくて、痛み止めに睡眠薬に沢山点滴してもらいながらだったけど、前回と気持ちが全然違うので、回復も早いです」
「ねーよかったねー。がんばったね。不安そうな姿みてたから心配だったんだよ。全部取れてよかったぁ」
と手を握ってくれた。
目に涙浮かべてくれた。
そして耐えきれず私も泣く。
強く握り返した。
死ぬかもしれないと真剣に思ったあの時を思い出し、今無事手術ができて生きられるという安心感なのか、涙がとまらなかった。
20人近くいる病棟の看護師さん達、殆どがそれぞれ素敵な人達で、とても親しみやすい人、優しい人、仕事ができる人、元気な人、色々いたけど、体に触れて、直接手を差し出してくれた人は唯一この看護師さん。
一気に心が開き、一気に引き寄せられる言動。そして何よりも不安で潰れそうだった私を癒してくれた。全てが労われた気がした。
「まだ4クール残ってるんですけどね〜」と言うと笑いながら
「大丈夫よーもうここまできたんだから、乗り越えられるから!」って
ありがとう玉田さん