足元にある
活断層のはなし
伏見には
南北に桃山断層が走っている
断層の位置を具体的特定するのに
地形の特徴から
ある程度
それを推定することが可能だ
JR桃山駅と西側の近鉄桃山御陵駅では
国道24号線をはさんで20メートル
竹田街道とは
30メートルの高低差がある
JRの線路に沿ってはっきり段差とわかる
このような地形から
断層の推定はできるが
深草桃山地域の場合は
それだけでなく
別の事実が証拠となる
この界隈には
伏見稲荷 藤森神社 御香宮の
大きな神社が
南北に一列に並んでいるのだ
寺院や神社は
活断層上に位置することが多い
一つの理由として
活断層に沿って
地下水が湧き水として
地表にしみだすからだ
つまり
身を清める必要のある神社には
湧き水は不可欠である
御香宮の御香水は
そのような湧き水の代表だ
「深草」の地名のとおり
「深い草の野」であり
森林ではなく野であった
その最大の理由は
地下水位が低かったためである
その例外となって
森林を形成した場所が
この三つの神社だ
規模 格式 歴史のいずれから見ても
京都有数の神社である
直線距離で2㎞ずつ
伏見稲荷と御香宮では4㎞離れているが
それらの位置が
いずれも海抜30メートルのところにある
これは偶然ではなく
その高さのところに
湧き水があることを教えてくれている
地質調査によれば
伏見エリアは
ここ10万年以内に
30メートルの高低差を生じる
垂直の変位が生じたことになる
ということは
1.5メートルずれる地震が
500年に一回の割合で
起こったと考えても
おかしくはない
実際桃山丘陵内には
比高が2メートル程度の
地層のずれが
いくつも見られるらしい
つまり桃山断層は
その程度の活動度を持つ
活断層だと考えられる
いつ起こるのかはわからないが
そういう活断層の上に
伏見はある
こうして本から得た知識を持って
地形や神社の成り立ちをみて歩くのも
おもしろいです
私的「伏見学」