ジェミンの腕の中。
ジェミンは最近のあたしの異変に気づいている。
『好きな人が出来たの?』
なんてことは聞かないけど、ジェミンはきっと分かってる。
『モードは寂しがり屋だから。ひとりでいるのが嫌なんだろ?』
ジェミンはあたしを抱きしめながら言う。
『ずっと守ってあげたいけど、俺はずっと一緒にいられない。』
そうだよ。
女の子を守る役目は恋人。
でも、その恋人は所詮他人であたしはひとりぼっち。
『俺の恋愛対象は男だから。
モードの恋人にはなれない。
でも、モードに恋人が出来たらなんか嫌なんだ。
勝手だけど、モードを誰かにとられるのが嫌だ。』
あたしもそうだよ。
ジェミンが恋人じゃないことはわかってる。
ジェミンにもあたしにもいつか恋人が出来る。
嫌。
でも、一緒にいたい。
ずっと。
それっていけないこと?
『これっておかしいこと?』
ふたりだけの世界。
ジェフのことで落ち込んでいたあたしを慰めたくれたジェミン。
でも、聞かれても何も答えないあたしにジェミンは。
『ここ数ヶ月。モードの様子が変なのは気づいていたよ。』
とジェミン。
『なにかあった?何か隠してるね。前と態度が違う。分かるんだ。』
ジェミンはなんでもお見通し。
最近、あたしの不可思議な行動も見抜いてる。
『どうしちゃったんだモード。
最近の君は以前とは違うよ。
俺は以前のモードに戻って欲しい。
今のモードは俺の妹じゃないみたい。
俺なんかした?
俺のせいなら一緒にいるのはもうやめるべきかな?』
ジェフと付き合うことによってジェミンとの安定した生活も危うくなった。
これはいつものこと。
ジェミンに。
あたしに。
恋人ができるといつものあたしたちじゃなくなる。
ふたりがふたりでいるためには。
あたしたちのふたりだけの世界が必要かも。
ジェミンの優しさ。
ジェフからの電話を切り、メールを送った後。
涙があふれてきたあたし。
ベッドでまだ寝ていたジェミンがあたしの異変に気づいて起きてきた。
『よしよし。モード。』
と言いながらあたしを抱きしめてベッドへ。
ジェミンにこういうとき優しくされると泣き止むどころかもっと泣きたくなる。
あたしはもっと泣いた。
泣き止むまでジェミンは何も聞かずにあたしを抱きしめていた。
泣き止んだあたしにジュースを持ってきて水分補給。
あたしのとなりに座って頭を撫でながらあたしの顔を覗き込むジェミン。
『どうした?』
ジェミンは聞くけど。
あたしにはなんて説明していいかわからない。
ジェミンに隠して、韓国人男性と付き合っていて、あなたとの同居を隠していたおかげで別れちゃったっていうの?
言えないよ。

