前回のおはなし「2度目の手術からの生還」

※私が生まれたのは40年ほど前のことです。今はこの病気で余命を宣告されることもないし、早いうちに手術できるそうです。今回のお話は2006年ころの話です。

 

脈が早くなり、医者が飛んできて、バタバタと対応してもらいました。状況も落ち着いていたので母もこの日はゆっくり病院に来る予定でした。とはいえ、成人しているので比較的検査の同意等は私自身がサインすればよいものが多いのですが、「小児循環」という診療科なので、基本的には親の承諾が必要となります。あ、でもどこの診療科でも家族の同意って必要ですよね。

 

ほぼ、私に説明され、病棟内のICUに移動することに・・・。この時点で母への連絡はまだしていません。医者も来るならいいかと思っていたようで連絡しなかったようです。

そのため、母が病室についたらベッドごと私がいなく、焦ったようです。

 

病棟ICUは本当のICUにいく程ではないが、看護師さんお医者さんがすぐ対応できるところにいる必要がある人がいくところです。

 

この手術のとき、入院したその日の夜中に容体が急変してお隣のベッドの人がどこかに運ばれたんだけど、その人がそこにいたんです。

私が入院したときに挨拶をして、少しお話をした方。その日の夜中に急変してそのあとから全然見かけなかった。20歳前後の子でお母様が付き添い入院してらして・・・そのお母様もその日以来お見かけしてなくて・・・

 

自分も脈が早くて気持ち悪かったけど、その人が病棟ICUにいたことに気がつきさらに苦しくなりました。昼間元気だったのに、その日以来意識がないらしく、人工呼吸器も付けられ動かない状態・・・なにかあれば自分も同じようになるのではないかと、あーここは生と死が背中合わせのところなのだと改めて実感しました。

 

生きていることは当たり前ではないこと、元気になることは当たり前ではないこと、なにかあれば一瞬で死が近づくこと。いろいろ考えさせられた出来事でした。

他にも移植待ちでずっと入院している子もいました。こどもの心臓移植について賛否両論ありますよね。日本で移植が増えない原因でもある。私もしたほうがいいとも、しないほうがいいとも言い切れません。園にいる子が移植を待っていたら、早く早く!って思うだろうし、逆に脳死になりました。移植してくださいって言われている子がいたら、「なんで!?まだ生きてるよ!」ってなると思います・・・。複雑ですね・・。

 

話がそれちゃいましたね。

 

病棟ICUでエコーをしたり、薬を入れたりしましたが、なにも改善されませんでした。1度普通の病室に戻りました。すると母から連絡を受けた、父、兄も病室に・・・。

 

あーまた心配かけた・・・。なんでこうなるんだろ・・・ごめんなさい

 

兄は「仕事ちょうど終わったところにお父さんから連絡きて暇だったからきただけだよ」

なんて言ってたけど心配してくれたんだろうな・・・

 

翌日・・やはり脈は戻らず・・・。結局また病棟ICUに戻り、電気ショックをすることに・・・

 

え?電気ショック??

 

私脈早いだけですよね?止まってないですよね???

 

電気ショックって心臓止まった人がするものだと思っていました。

 

違うんですよね。完全に止まった心臓には電気ショックしてもあまり意味がないんですってね。心房細動、心室細動等心臓が痙攣しているときに電気ショックをすると心臓の動きがリセットされしっかり鼓動を始めるそうです。

 

へぇ・・・

 

でも電気ショック・・・怖いですよね・・・

 

20歳過ぎた私も怖くて怖くて・・・手術乗り越えているくせに怖かったんです。

 

医者は「麻酔するから平気だよ」

 

っていうけど・・・そういう問題じゃない・・・

 

結局不安でちょっぴり泣いてしまったんです。そしたら担当の看護師さんが

 

「バンビちゃんディズニーすきだよね?ほらみて!私のボールペンのスティッチ動くのー」

 

ってあやしてくれました←(笑)

 

「あ・・ほんとだァ・・・苦笑」

 

一生懸命考えてくれたとは思うけど、反応にこまった(笑)結局手を握って、

「大丈夫ですよ。大丈夫。私は夜勤明けで帰るけど、明日またきますからね」

 

って言ってくれてなんかちょっと嬉しかったのを覚えています。看護師さんってすごいよね。ありがたい。

 

麻酔を入れられ、寝るもんか!!って頑張りましたが、次呼ばれた時にはもう電気ショックかけられたあとでした(笑)

 

胸には赤いやけどのようなあとがあり、あー本当に電気ショックしたんだなと思いました・・・

 

そして、脈は無事に戻り、一般病棟に戻ることができました。