今日は子育ての話題から少し離れて、ルクセンブルクでは、日常的にどのように公用語を使い分けているか、お話ししようと思います😉

 

 

【ルクセンブルク語、フランス語、ドイツ語】

 

この3つの公用語の中で「どれが最も大切か」と言われれば、

私はズバリ、フランス語だと思います。

 

ルクセンブルクでの行政言語はフランス語で、法律、通達、証明書などの公文書は、原則すべてフランス語で記載されています。

(証明書は、物によってドイツ語や英語が併記されることもあります)

 

私はかつて在外公館で仕事をしていた時、各省庁とのメールや公文書のやり取り、証明書等の翻訳も、基本的にはすべてフランス語で行っていました。

 

なぜ、ルクセンブルク語ではないのか?というと、ルクセンブルク語は原則口語として使う言葉だからです。

文語としての公式的な書き方の規則はないようで、かつて「その人が書きたいように、書いていい」という話を聞き、ビックリ😱❗️

 

そのため、ルクセンブルク人の同僚に聞いたところ、

省庁や警察などと電話のやり取りはルクセンブルク語でしても、

お互いに顔見知りの間柄でない限り、ルクセンブルク語でメールを書くことはしないのだそうです。

ルクセンブルク人同士でもルクセンブルク語で文書を書かないと聞いて、なんだか不思議な気がしました。

(日本人が、例えば関西弁でメールをやり取りしているようなイメージなのでしょうか?)

 

(↓ これはコロナのワクチン接種に関する政府から住民へのお知らせパンフです。

このような住民向けアナウンスには、フランス語、ドイツ語、ルクセンブルク語、ポルトガル語、英語が併記されることが増えてきました)

 

地域によりますが、例えば首都のルクセンブルク市では、フランス語はほぼ100%通じます(それはフランス語を含めた複数言語を話せる人が、圧倒的だからです)。

外国人労働者が85%を占めるため、むしろルクセンブルク語よりフランス語の方が通じます。

 

逆に、ほとんど通じないのではないか、というのがドイツ語。

以前ドイツ在住の友人から、ルクセンブルクでドイツ語が通じなくて困った、という話を聞いたことがあります。

ルクセンブルクには、周辺諸国からの越境労働者が45%いますが、地理的割合からいっても、フランス語話者であるフランスとベルギー在住者の割合が多いのではないかと思います。

レストランやカフェのメニューでも、ドイツ語の記載をそんなに見ないなぁという印象があります。

私が在職中ドイツ語の公文書を見たのは、警察の盗難・紛失証明くらいでした。

 

 

…といいながら、場合によってはドイツ語が必要な場面もあります。

EU各国を含めて、様々な国から食品を輸入しているルクセンブルク。

食品に含まれる原材料の表示、ありますよね?

 

EU輸出用に、予め何ヶ国語でも翻訳表記してパッケージに印刷されている場合もあるのですが、時々ドイツで生産されたものは、翻訳がなくてドイツ語表記しかない場合もあります。

 

 

(↓ ちなみに、こちらはドイツのお菓子ですが、ちゃんとドイツ語、イタリア語、フランス語で記載されています)

 

 

 

例えば、翻訳した表記が義務付けられるので、フランスだったらフランス語に訳されたシールなどが貼付されると思うのですが、

ドイツ語はルクセンブルクでは公用語のため、翻訳はなし!

 

当たり前といえば当たり前なのですが、普段フランス語にどっぷり浸かった生活をしていると、若干違和感を感じる部分でもあります。

 

(↓ こちらは、ルクセンブルクブランドの、とってもうまい❤︎ポテトチップス。

表記は、フランス語、ドイツ語)

 

(↓ 今、手元にあるもので、表記言語の数が一番多かったのが、このコーヒーカプセル。

フランス語、イタリア語、オランダ語、ドイツ語、スウェーデン語、デンマーク語、フィンランド語、ノルウェー語、ギリシャ語、英語、ヘブライ語の11ヶ国語❗️

ヘブライ語って今まであんまり縁がなかったので、改めて見たら優しい感じの文字ですね〜😊)


 

 

私の個人的な印象ですが、根っからのルクセンブルク人は、フランス語よりドイツ語の方が使いやすそうです。

おそらく、ルクセンブルク語がドイツ語寄りだからでしょうか。

フランス語は聞いて理解できても、話すのは得意ではない方、

話すフランス語にゲルマン語系のアクセントがとても強い方もいらっしゃいます。

 

 

しかし、ルクセンブルク国内の外国籍居住者は 47,4%、

首都ルクセンブルク市に至っては、167ヶ国 70%と言われています(2020.1)。

 

そのため、街中で聞こえる言語は、実に様々。

公用語以外にも、自分たちの国の言葉でみんな自由に話しているので、いろんな言語が通りすがりに聞こえるのが、すっかり当たり前になりました(笑)。

 

逆に、かつて近隣の国へ行った時に、地元の人みんなが同じ言葉を話していると、なんだか違和感を感じるという、変な現象も😅

 

日常的にいろんな言語に溢れているルクセンブルク、

言語習得が大好きな方には、もってこいな国だと思います😉

(バム)