それで
本来は昼過ぎにダバオの空港に着いて
バスとジムニーを乗り継いで目的地に向かう予定だったのだが
フライトの3日ほど前にセブパシフィック航空からメールが来て

親愛なる大友部草鞋さん
あなたのフライトがキャンセルになったので早朝の便に変更するけど、
良いですか

といった内容だった。
原文は英語なので
多少ちんぷんかんぷんだが
グーグル翻訳など駆使して謎の暗号文を解読した。

早朝だとマニラに到着前で乗り継ぎが出来ないので
渋々遅い便にした。

予約番号などは変更前と同じなので
プリントアウトはしなかった。

お陰で乗り継ぎの待ち時間が10時間ほどになったので
空港近くのラブホテルに一人で入って仮眠した。

夕方、マニラの空港に戻り
チェックインして搭乗した。
姉ちゃんが筆者の席に座っていたが
シッシッと追いやった。
実際はタガログ語混じりの英語で猛烈に抗議してやっとどかした。

ドアが閉まるまでは予定時間通りだったが
そこで小一時間フリーズした。
セブパシフィックでは遅れない方が珍しい。
順調に行ってておかしいなと思っていたよ。

フライトがナイトトリップになったが
無事にダバオ空港に着いた。
時間は午後9時半。
良い子なら寝てる時間だが
筆者はもう50キロ移動しなければならない。

選択肢はタクシーしかない。

フィリピンのタクシーには乗る度にトラブルで
乗りたくは無いが
ダバオのタクシーは安全だとか
他のブロガーさんが書いてたのを思い出した。

運転してるのはフィリピン人で本質は同じだろ。

それでもお世話にならないと仕方無い。

追い剥ぎだけはやめてね
筆者は貧乏で現金も少額しか持ってないよ。

タクシー乗り場は乗客が5人ほど並んでいて
案内の係の方が順番に案内していた。
筆者も案内されたタクシーに乗った。

行き先を告げると
白髪で短髪の70歳くらいの運転手さんは
「遠いから2000ペソ」と答えた。
50キロあるから
東京のタクシーだと2万円くらいだろうし
日本円に換算すると5千円くらいだし
揉めるのも面倒だから
渋々了承した。

場所の説明にはグーグルマップを使ったが
運転手さんがアルツハイマーなのか
元々知能が低いのか分からないが
イマイチ分からない様子だったので
グーグルナビにして
「この通りに走ってくれ」と言った。

運転手さんは走り出し
「中国人か?」
「いや、日本人だ」
「子どもは居るか?」
「二人」
など、雑談した後
「嫁を途中で乗せて良いか?」
と聞いてきた。
「遠いので帰り道が一人で運転するのは寂しいので嫁を乗せて行きたい」との事だった。
渋々了承すると
行き道の途中で一時停止し
年配の小柄な女性が乗ってきた。

一時間のドライブだから
そんなもんなんかなと思ったが
日本では有り得ないな。

フィリピンのタクシーは客が乗っててもガソリンスタンドで給油するし
道端で立ちションするし
ぼったくるし
困ったもんだ。

そして運転手はナビを無視して左折した。
ナビは20キロほど直進と言ってる。

ナビを無視し
今度は筆者にどっちに行くか聞いてきた。

本当に困った運転手さんだ。
値段は交渉で決まっているので
遠回りでも構わないが
違う道を通る羽目になったので
筆者もナビ頼りだ。

運転手さんはナビ通りに走る事も出来ない様子だ。

仕方無いので
カリワ、左
カナン、右
ディレチョ、まっすぐと
不慣れなタガログ語で指示を出した。

地元のタクシー運転手に
何で4千キロも離れた所に住んでるガイジンの筆者が指示を出さなあかんねん、
とは思ったが
感情的になってはいけない。

脇道を走ったので
曲がる箇所も多く
未舗装路もあった。
街灯はなくて家も少ない。
お化けか山賊でも出そうな不気味な道だ。

時間はかかったが
何とか目的地に着いて支払いを済ますと
「遠かったのでもう少しチップをくれ」
と運転手さんは言った。
「メーターは900ペソで、俺は倍の2千ペソ払ってる。(タクシー管轄の役所の)LTOと会社に電話するぞ」と恫喝してやっとタクシーから開放された。

多分
あの運転手さんだと
空港に帰り着くのに朝までかかってるな。