「君は兎がどうして穴を掘るか知っている?」



「それはね、おうちにするためよ。動物のおうちは巣っていうのよ。」



僕の問いに彼女は私は物知りでしょうとでも言いたげに答えた。



「そうだね、その通りだ。

 でも、僕は違う答えを信じているんだ。

 兎はね、寂しいと死んでしまうから、心の穴を埋めるために土を掘るんだよ。

 結果として、地面には穴ができあがる。

 兎の巣穴は心の穴と同じ深さなんだよ。」



「そんなの違うわ。だって私、ご本で読んだもの。」



「そうだね。君が正しいよ。ごめんよ。」



頬を膨らます彼女をなだめながら僕らは帰路に着いた。