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■ NOTES ■
野上さんに対して言いたいことはひとつ。
自らの投球で最優先で達成すべきミッションは
本塁打をはじめとした一発長打を浴びないようにすることなどでは決してなく
どれだけ本塁打を、長打を浴びようとも
それでも自らの中に湧き上がる恐怖の念に打ち克って
ゾーンを攻め続けていくことだということです。
岸さん登板後のゲームレヴューでも再三再四述べている通りに
被本塁打もソロ本塁打がその大部分であればそこまで特に問題となるものではなく
逆に最も注意しなくてはならないのは
ゾーンを大胆に攻め続けていくことに失敗して
四死球などで余計な出塁を奪われ、塁上に走者を賑わせて
一発長打、そして本塁打を浴びで大量失点を喫することです。
野上さんには一度、パ・リーグの被本塁打数上位に
自分以外にどんな投手が来ているかを観てほしいと願います。
岸さんを始めとして、それだけ本塁打を浴びながらも
それでも数多くのイニングを消化し規定投球回数をクリアした
そうそうたる投手たちが名を連ねていることがわかることと思います。
なぜ、野上さんがそれだけ本塁打を数多く浴びながらも
それでもそれだけ数多くのイニングを消化していくことができているのか。
それは、野上さん自身の成績を観ていってもわかるとおり
被本塁打17本のうちその15本までもが
走者なしもしくは走者一塁においての勝負で浴びたもの、
つまりソロもしくは2ラン本塁打に留めているように
基本的には、常にゾーンを大胆に攻め続けて
余計な出塁を奪われていくことを防いでいったから、
ここに尽きるということなのです。
つまり誤解を恐れずに大胆に述べるならば
本塁打を中心とした長打を、そして痛打を数多く浴びるようになったから
その投手は安定して長いイニングを消化していくことができなくなるのではなく
むしろ、そうやった長打や痛打を怖がって、恐怖に支配されて
ゾーンを大胆に攻め続けていくことに失敗し
余計な出塁を数多く奪われていくようになったからこそ
その投手は安定して長いイニングを消化していくことができなくなるのです。
前回登板9/14 マリーンズ戦(西武ドーム)に引き続き
2ゲーム続けてストライク率が6割を大きく下回った野上さん、
次回登板ではみごと自らの内部に巣食う恐怖に打ち克ち
大胆に、そして効果的にゾーンを攻め続けていく姿を
是非是非魅せていってほしいと願います。