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■ NOTES ■
今日の十亀さんは5個の四球を始めとして
単打5・三塁打1の被安打6本を合わせると
6イニングを消化した中で計11個もの出塁を奪われ
また6度迎えたイニングの先頭打者について観ていっても
うち計4度までで出塁を奪われていくなど
常に塁上に走者を賑わせて、走者を気にしながらの
非常に苦しい投球が続いていくこととなりました。
その今日の十亀さんの投球をもう少し掘り下げてみていきますと
まずは第一に、
その四球5個のうち
もちろん3回の大引選手、そして4回の近藤選手との勝負のように
ボール球が先行して結果四球を奪われるものもありましたが
その他の3個の四球については、特にその速球について
ストライクと思って自信を持って投じた素晴らしい軌道の勝負の一球が
ストライクのコールをもらえずにボールのコールを受けていったりと
ある程度今日の嶋田球審のストライクゾーンに
ゲームの序盤を中心に戸惑っていたことも要因として挙げられ
実際初球ストライクを奪った勝負は計17度で全体の65%ほどを占め
また初球から2球続けてボール球を記録した勝負も3度で全体の12%ほどになんとかまとめながら
今日の嶋田球審の判定するゾーンに慣れていった中盤以降は
四球を出さなくなっていくなどきっちり調整してき
全体を通してみればストライク率も結局は63%を超えてくるまでの
まずまず合格点の成績にまとめてきましたから
序盤を中心に球審の判定に合わせることに苦労しボール球が、そして
四球によって奪われた余計な出塁が大きくかさんでいくものの
それは決して打たれることを怖がって、慎重になってのものばかりではなく
むしろ厳しく、大胆にそして高い集中力を維持して
ゾーンを攻め続けていった結果であると一定の評価をしてよいものであったと評価できます。
また、まだまだNPBでのキャリアも2年目、更には先発ローテーションに入り
それを一年通して維持していくことに関してはルーキーである
若く荒削りな十亀さんですから
走者を塁上に背負っての投球に対し技術や経験がまだまだ乏しく
そういった場面での投球を大きな課題として抱え続けている中で
“今現在の”十亀さんがその課題を“解決する”ために
最優先で遂行すべきミッションは、
極力その課題が頻発しないように、まずは奪われる出塁を、
特にイニングの先頭打者に奪われる出塁をできるだけ防いでいく、
つまり課題を“根本から断つ”ことなのですが
今日は上述しましたようにそのミッション遂行は
大きく失敗に終わったと言わざるを得ず
もちろん今後もひきつづき、まずは出塁をそれも先頭打者のそれを
ゾーンを更に効果的に攻め続けていきながら防ぎ続けていくかについて
最優先で取り組んでいってほしいと願いますが
続いて第二に、
今日はそんな非常に数多くの走者を背負っての苦しい投球続きの中でも
結局失点・自責点ともに初回の1点のみに抑え
みごとにQSをクリアしてくることに成功したことも事実であり
最高148km/h、平均でも143.9km/hと数多く140km/h台中盤を計測してくる
いつも通りの素晴らしい精度を維持してきたその自慢の速球を
投球の軸として全体の半数近くと数多く駆使していきながら
また打者の内外角の厳しいゾーンのそれも低めへと効果的に投げ込んでいきつつ
加えていつもどおりの
左打者の外角に対しボール領域からストライク領域に巻いてくるカーヴや
また右打者の外角に沈ませていくシンカーなどもうまく織り交ぜつつ
その持てる投球レパートリーを効果的に活かした
ゾーンの攻め方を魅せ続け
今日奪ったアウト18個のうち
外野手が処理したある程度鋭く飛距離の長いフライアウトを
初回の大谷選手との勝負における1度のみに抑える一方で
三振6個・グラウンドアウト8個(うち併殺打2)と
数多く三振やグラウンドアウトを積み重ねて行きながら
イニングを消化していく本格派投手の安定したアウトの奪い方を魅せたこと、
また今日は西川選手に2度盗塁を決められたことで
これで今シーズン十亀さんがマウンドにいる間に
奪われた盗塁は計8個にのぼり、それも
うちファイターズ戦で実に6個を奪われていながら
逆に十亀さんがマウンドにいる間に盗塁を刺したケースは
十亀さんの牽制から走者が一塁に戻りきれず二塁に走り出して
盗塁刺となったケースが1度あるだけで
純粋な盗塁刺は1度も記録していないという成績となり
ここからも十亀さんが走者を塁上に背負った場面においては
純粋な投球以外のことを含めて課題を抱えていることがよくわかりますが
それでも前回登板8/21 マリーンズ戦の9回に魅せた、
最後のアウトを奪った二塁走者サブロー選手に対する牽制刺に引き続き
今日も1回に一塁走者大引選手に対し
素早い牽制で一塁上で今シーズン3個目となる牽制刺アウトを奪ったり
また確か5回だったと記憶しておりますが
二塁走者西川選手に対しても送球が多少逸れたためアウトにはならなかったものの
非常に鋭い、際どいタイミングの牽制を
野手とのコンビネーションよく塁上に送ったりと
つまりは純粋な投球面でも、そしてそれ以外の守備を含めた技術面でも
徐々にではありますが、走者を塁上に背負ったとしても
落ち着いて効果的にゾーンを攻めたりアウトを積み重ねたり、そして
失点を防いでいったりする姿が魅せられるようになったことは
ひとつ歓迎すべき点として今日の投球の中で
見逃せないものであったと評価できます。
もちろん、今日のように数多くの出塁を奪われていくゲームが継続していけば
どんなに投球術の優れた、豊富な投手であっても
それに応じて数多くの失点を喫していくことは避けることはできないのですから
上でも再三再四述べたとおり
基本は土台はまずは出塁を、それも先頭打者のそれを極力防いでいき
できるだけ数多く、走者のいない場面で投球を継続していくことであります。
だた、そんな中でもどうしても走者を背負っての
投球を、勝負をする場面は必ずある程度は巡ってきますから
今後もそうなったらそうなったで
走者を釘付けにし簡単に進塁させ得点させない技術を含めて
変わらずに落ち着いて効果的にゾーンを攻め続け
そして最少失点にまとめ続けていくノウハウを
数多くの試行錯誤と、成功と失敗の経験の中で
どんどんと蓄積し、編み出し、そして魅せていってほしいと願います。