指標RCBsPの展開・考察・限界、そして今後の展望② | Peanuts & Crackerjack

Peanuts & Crackerjack

Dedicated to the Saitama Seibu Lions organization and its players, baseball itself, and those who want to know what counts most in a given situation you are in and to make right decisions in a confident manner everytime. May the 'dose of luck' be with you!




はじめに。
こちらのエントリーは昨日のエントリー、
指標RCBsPの展開・考察・限界、そして今後の展望①
の続きとなっております。

お時間とご興味が許すのでしたら
できればそちらから追っていただけると幸いです。


【算出したRCBsPは2013年シーズンにも適用できるか-課題と展望-】


さて、この時期にこれまでのデータからRCBsPを算出したのは
もちろんこれからのライオンズの2013年度シーズンのゲームで

そのRCBsPの値を基に
それぞれの選手たちのそれぞれの打席および走塁イベントにおける得点貢献値を算出し

総得点貢献値、1打席あたりの平均得点貢献値、そして
RCBsPが正か負かによってそのイベントごとに成功か失敗かを振り分けることによって
該当選手の打席成功率を観ていこうという

プロジェクトを走らせるためです。

そこで、2010年~2012年のライオンズのゲームにおける
平均値として算出したRCBsPについて、

もちろんシーズン進行中は暫定値として利用するにとどめ
シーズン終了後に改めて2013年シーズンのオフェンス・ディフェンスそれぞれについて
そのRCBsPを算出しなおし修正はするものの

暫定値としてではありますがそれでも利用していくことの妥当性を
これから考察していきます。

では手始めに、2010年~2012年のライオンズのディフェンス・オフェンス
6パートそれぞれの走者の動き、そしてそれぞれの正確なRCBsPを
一覧にて観ていきたいと思います。

まずは2012年シーズンから。

Peanuts & Crackerjack-2012LIONS_OFFENSE_RCBsP Peanuts & Crackerjack-2012LIONS_DEFENSE_RCBsP

  OFFENSE 5,299PAs 3,806outs 72baserunning outs 516runs   DEFENSE 5,415PAs 3,824outs 89baserunning outs 518runs

続いて2011年シーズン。

$ピーナッツとクラッカージャック-RCBsP07_2011offense $ピーナッツとクラッカージャック-RCBsP08_2011defense

  OFFENSE 5,427PAs 3,843outs 52baserunning outs 571runs   DEFENSE 5,352PAs 3,844outs 66baserunning outs 522runs

最後に、2010年シーズン。

$ピーナッツとクラッカージャック-RCBsP09_2010offense $ピーナッツとクラッカージャック-RCBsP10_2010defense

  OFFENSE 5,576PAs 3,812outs 52baserunning outs 680runs   DEFENSE 5,523PAs 3,832outs 57baserunning outs 642runs

やはり統一球導入前の2010年シーズンと
統一球導入後の2011年シーズンとでは大きく異なっていることがよくわかります。

もちろんいずれも144ゲーム制ですから
アウト数はモデルとしての144ゲーム×9イニング×3アウト=3,888アウトから
どれもそれほど大きくかけ離れておらずいずれも3,800~3,850個の間に収まっております。

また興味深いのは残塁数で
いずれも1,000個~1,100個付近に集まっており

逆に得点数は2010年に比べ2011年以降では大きく減少しており
それに呼応するように総打席数も大きく減少していることから

得点数を向上させるためには
“効率よい攻撃”、つまり残塁数を少なくすることに主眼を置いた攻撃戦略よりも

むしろいかに出塁数を増やし、総打席数を増やしていくことに主眼を置いた攻撃戦略のほうが
いわゆる王道、つまり優先的に追及すべき命題であるということ、

そしてディフェンスにおいてもひっくりかえして同じことが言えそうですが

この課題については明日、新しくエントリーを設けて詳しく観ていきたいと思います。

さて、話を本筋に戻して肝心のRCBsPについてそれぞれの差を観ていきますと

2010年シーズンに比べ2011年シーズン以降では
やはり統一球導入という環境の変化が大きく影響したか

打席に立つということの価値が多少目立って減少し
その分、三塁を出発し本塁(得点)に到達する塁間の価値が多少目立って増加しております。

ただし、それ以外の部分では大きく目立って変化した部分はないといってよく
また各年度のオフェンス・ディフェンスに大きな差異も観られません。

ということで、昨日算出したRCBsPの値を
2013年シーズンのライオンズのゲームにも適用することは
ある程度問題ないといっていいと判断しますが

それでも統一球の導入などといったある程度大きな環境の変化があれば
多少ではありますがある程度変動することも確かなのですから

やはりシーズン中の暫定値として利用するにとどめ
シーズン終了後には改めて算出しなおした
2013年シーズン・ライオンズのオフェンス・ディフェンスごとに算出しなおした
それぞれのRCBsPの値に基づいて改めて評価しなおすことが必要であると言えます。

また、もう1つの課題として

打席に立つことの価値が0.11得点ということであれば
単純に得点数を1点増やすためにはプラスで約10人を打席に送れば良いのかといえば

その仮説のもとではアウト数が変化しない限りその他の9人は残塁、ということになり
残塁数も大きく増えていくことになりますが

得点・失点共に多かった2010年シーズンを観ると
オフェンス・ディフェンス共に残塁数が飛躍的に増えたかといえば

そうではなく、ほとんど同じか多少微増したか位に留まっていることがあり

だからこそ得点・失点共に多かった2010年シーズンでは
本塁(打席)に立つ価値が比較的それ以降の2シーズンに比べ
多少高まっていると分析できそうです。

そして、打席数は結果としてアウト数+残塁数+得点数へと
そのほとんどが分類されていくことを考慮に入れると

アウト数や残塁数がほとんど変化しないのであれば
必然的に総得点数は総打席数に大きく依存する、ということも見えてきそうです。

このことについても、明日のエントリーで詳しく観ていきます。

いずれにせよ、まだまだRCBsPは様々な限界そして改善点があり

その一方で得点を挙げていくためにはどのようなプロセスを経ていくものなのか、
そして得失点数の増減要因としては何が挙げられそのうちどれが重要なのかについて
いろいろと見えてくるものがでてくることも確かです。

今後もじっくりと、RCBsPと共に
得点を挙げるため、そして失点を防ぐためのプロセス、要因を
じっくりと見つめ続け分析し続けていければと思います。