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★ Defense - starting pitcher ★
今日の雄星さんの、4イニングを投げて四球4・単打3・本塁打1で奪われた出塁8での
失点・自責点共に3という非常に物足りない成績のまず第一の、根本の原因は
恐らく中5日での先発登板で疲労が思うように抜けていなかったことの
影響が非常に大きかったことだろうと推察されますが
下の球速チャート(velocity chart)を観ていただくとよくわかっていただける通り
その自慢の速球が今日は平均136.0km/h、最高でも140km/hと
大きくその球速を中心とした精度を低下させていたことにあると言えます。
シーズン中盤に先発投手として投げ始めたころは、例えば今シーズンの初登板となった
7/1 ファイターズ戦を例にとると平均143.2km/h、最高150km/hを計測し
また先発登板を順調に積み重ねていった最近でも、例えば
前回登板9/12 バファローズ戦では平均139.9km/h、最速144km/h、
前々回登板9/5 ホークス戦でも平均139.7km/h、最高143km/h、
その前の登板8/29 ファイターズ戦では平均141.5km/h、最速147km/hと
最近の過去2登板では疲労の蓄積からか、ある程度その球速を中心とした精度を低下させていたものの
それでも安定して140km/h台前半を計測してくる水準は何とか保っていましたが
今日はその上で更に中5日での登板、ということも重なって
安定して130km/h台後半を計測するに留まり、更には130km/h台前半もちらほら散見されるなど
がくっとその速球の精度を低下させていたことがあり
その為、雄星さんがその速球を、自信を持って大胆にゾーンに投げ込めなかったことが
今日の雄星さんの物足りない成績の根本の原因となったと観て取れます。
その速球を大胆にゾーンに投げ込むことができず
恐れてゾーンの隅をかすめるかのような過剰な制球に頼ったり
また右打者に投じた速球計17球のうち真ん中~内角以内へと到達したのは5球(全体の約29.4%)、
更には内角以内を厳しくえぐったものに至ってはわずかに計3球で全体の17.6%で
そのうち2球はボール、残りの1球は3回の先頭打者、内川選手に
開き直って速球を投げだしたことをみごとに見透かされて狙われての本塁打と
とにかく右打者の内角を厳しく、かつ大胆に攻めえぐることができず
数多く真ん中~外角への逆球になっていったりしたためまったく効果的ではなく
今日投じた速球31球のうちストライクは17球で
そのストライク率も約54.8%にとどまっていくこととなり
結果いつもは速球を半数を超えてくるまで数多く駆使していけるものの
今日はその速球を全体の44%ほどと抑え、代わりにスライダー系に頼らざるを得ない投球となり
そうなってくると、その自慢のスライダー系の効果も
もともと前提として速球を数多く、効果的に駆使してこそ最大限発揮できるものですから
いつものように思うように効果的に、順調に凡打や空振りを奪っていくことができず
数多く見逃され、ボール球がかさんでいく非常に苦しい投球となっていくこととなります。
こうなっていくと、いつもは低めへの抜群の制球を誇る速球以外の球種についても
その全40球のうち、ある程度いつも通り低め以低に到達したのが24球と全体の6割を占めていくものの
それでもうち12球、つまり半数がボールになるなど効果的ではなくボール球がかさむだけとなりますから
高め以高に到達したものが8球と全体の2割を占めるなど
ある程度高めに、甘めに投げざるを得なくなっていったことがよくわかります。
ということで最終的には、
2ストライク以降の勝負が計5度で全体の1/4近くに留まるなど
ホークス攻撃陣がそこまで忍耐強く打席で闘い続けてきたわけでもないにもかかわらず
ストライク率約53.5%に留まりつつ4イニングで四球4個と
余計なボール球や余計な出塁を数多くかさませていきながら
ある程度鋭く飛距離の長い、外野手の処理したフライアウトも4個とかさんでいく
非常に危険な、そして不安定な投球を継続していくこととなったといえます。
今シーズン確か初めての中5日での先発登板が
ここ2ゲーム、若干疲労の蓄積の兆候が現れていた中で
それもシーズン終盤の優勝争い真っ只中の緊迫の、
非常に重要なゲームで訪れたという不運もあった今日の登板、
どうしても修正できずに非常に悔しい登板となったことと思いますが
1シーズンを通して先発ローテーションを守った経験のない若い雄星さんにとっては
今後の彼のキャリアにとって、これも得難い非常に貴重な経験となったことでしょう。
今後雄星さんが1シーズンを通して先発ローテーション枠を守り続けていくために
この疲労の蓄積とどのようにしてつきあい、大きな波なく安定して、継続して
先発投手としてのしごとをうまくこなし続けていくかは
彼にとって非常に重要な課題となって立ちはだかってくることでしょうから
是非是非この経験を大きく活かし、
今後の飛躍に大きくつなげていって欲しいと心より願います。
★ Offense ★
今日のライオンズ攻撃陣は得点圏にランナーを置いての打席は計11度、
その内訳は 2-10(うち三振4)、四球1で得点圏に残塁7・得点1という成績、
また今日は9安打に加え5四死球で奪った出塁は計14、野手選択による出塁1を加えた
その全15人のランナーの行方は残塁13に加えて二塁封殺1で得点1という結果でした。
今日は9イニングで172球(1イニング平均約19.1球)を費やさせながら
出塁14を奪っていくことに成功するもののことごとく走者を生還させることに失敗し
結果としては残塁13に加え得点は1という成績にとどまりましたが
それでも数多く忍耐強く闘い続けつつ
こちらも数多く出塁を積み重ねていくことには成功したことは高く評価してよく
以前も引用しましたが、 van Nistelrooy 選手の
-ゴール(※得点)はケチャップみたいなもの。出ないときは出ないけど、出るときはドバドバ出る-
(※は筆者注釈)
のことばのように、また順調に得点を積み重ねていくことができる時を信じ
今は苦しいからといって焦らず、効率的な攻撃に頼り過ぎることなく
基本的には今日の非常に忍耐強く闘い続ける攻撃を変わることなく継続し続け
とにかくまずは残塁を恐れずに
数多く忍耐強く闘い続ける打席を創り出し続けていきながら
初球から積極的に狙い球を絞って鋭く弾き返していく中で効果的に織り交ぜ続け
出塁をひとつひとつ奪い続け、積み重ね続けていくことだけに最大限・最優先に集中し続けていき
その上で絞りとるようになんとか1点1点を
スコアボードに記録し続けていってほしいと願います。