August 4, 2012 Lions at Hawks - Game 89 | Peanuts & Crackerjack

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★ Defense - starting pitcher ★

  今日のエンリケさんのストライク率は約63.8%を記録、
  あと一歩で2/3を記録してくる素晴らしい成績を残すことに成功しました。

  ただし21度の打者との勝負を観ていくと、うち2ボールまでいったのがのべ10度にのぼり
  1ボール以内での勝負は約52.4%を記録してくる成績に留まり

  また四球は1個のみに抑えることに成功するものの
  3ボールまでいった勝負がのべ8度にのぼるという非常に苦しい、緊迫の勝負が続いていきます。

  このように今日のエンリケさんは全体としてなんとかうまく、ストライク・ゾーンの中で
  大胆に勝負し続けることに成功した
と高く評価をすることができますが

  それでも3 1/3イニングを投げて投球数94(1イニング平均約28.2球)を費やさせられ
  奪われた出塁も四死球2に加えすべて単打ながら9本の安打で計11個は非常に物足りない成績といってよく

  もちろんこれまでも時折その課題が見え隠れしていた場面があったものの
  今日のゲームではエンリケさんが今後NPBの打者たち、攻撃陣に対して
  素晴らしい成績を安定して継続して残していくための課題がクッキリと浮かび上がる

  まさにNPBの厳しい洗礼を大いに浴びた登板となりました。

  “ガイコクジン”先発投手-つまりMLBで生まれ育ってきた投手たちにとって
  とにかくまずは何をおいても多少甘めでも大胆にゾーンを攻め続けていくこと
  もはや誰に何を言われなくとも身体にしみこんだ“クセ”になっていると言ってよく

  その上で投球を非常に強く、鋭く遠くへとはじき返そうとするMLBの打者たちに対し
  変化量は少なく球速差もあまりなくとも手元で少し鋭く変化する球種を数多く駆使し
  バットの芯を微妙に外して打ちとろうとする球種、そして投球を
  そのレパートリーとすることが主流、非常に多いと言っていいでしょう。

  典型的な投手を例として挙げるならば
  140km/h台後半の4シーム速球とほとんど同じ球速を誇るカッターや2シーム速球
  投球の軸として打者の内外角へ数多く駆使し続けることが最大の特長といっていい
  ファイターズのWolfe投手やKeppel投手でしょう。

  エンリケさんはそこまで典型的に“動く速球系”を武器とし数多く駆使していく投手ではありませんが

  それでも武器は140km/h台後半の速球に加え130km/h台後半の速いスライダー系
  そのスライダーとほぼ同じ球速を計測してくるスプリッターなのですから

  あまり球速差なく打者の手元で鋭く、少し変化する投球
  そのほとんどを占めていることは同じであるといっていいものです。

  そういったムーヴィング・ファストボール系を大きな武器として
  大胆にゾーンを攻め続ける投手たちがNPBで投げるにあたって何故まずは苦しむかというと

  強く鋭くスウィングし打球を少しでも遠く飛ばしていこうとする打者の多いMLBに対し
  NPBには“contact hitter”、つまり鋭く振りきることで打球を鋭く遠くまで飛ばそうというよりも

  今日、初回に実に12球を費やさせた内川選手や2回に10球を費やさせた高谷選手の打席が
  非常に典型的な、素晴らしい例であるといっていいものでしたが

  速球にタイミングを合わせ、多少の変化はうまく対応しバットに当て続けていくことで
  ファウルを稼ぎ、球数をかさませていく中でボール球をかさませ、
  打者有利なカウントで甘い投球をうまく弾き返すと共に四球などで出塁を奪っていくという

  バットに打球をうまく当て、のせ、うまく内野手の間や頭上を抜いていこうとする技術
  重きを置いた打者たちが非常に多いからです。

  今日のエンリケさんもストライク率はまずまず優秀な成績を残し
  初球から2球続けてボールを記録したのもわずかに1度のみなのですから
  まず制球難で苦しんだわけではないと言ってよく

  そんな“非常に適応力の高い”NPB打者たちに、今日は特に非常にうまく
  バットに投球を当てられ続け、ファウルで球数を稼がれ続け

  そして今日だけでなく、これまでの先発登板でもそうでしたが
  下に表示してある投球の球速チャート(velocity chart)を観ていただければよくわかりますが

  投球数がおおよそ80球を超え、100球付近に近づいていくにつれ
  その速球を中心とした球速がわかりやすく下降していくことも明明白白

  そうなってくると打者たちはある程度容易に、鋭く
  その投球を狙った角度・方向へと弾き返していくことが可能になってくる、

  今日はこういったホークス攻撃陣のまずは序盤は三振を、それも
  見逃し三振を喫するリスクを背負ってでも徹底的に打席で忍耐強く闘い続け
  とにかく早く球数をかさませていくことに重点を置きながら

  球数がかさみその投球の球速が全体的にわかりやすく低下した後
  初球から数多く、積極的に弾き返していくという戦術
  これ以上ないと言っていいほど嵌ったゲームであったと言ってよく

  もちろん今後、今日のホークス攻撃陣ほどうまく嵌ることばかりではないにせよ
  他チーム攻撃陣も(これまでもある程度その傾向はありましたが)
  同じような戦術を採用し続けてくることが大いに予測されます。

  それでは、今度はエンリケさんはとにかく球数少なく5イニングを超え、
  時にはそれ以降をもどんどんと順調に消化していく登板を作るためにどう対策を打っていくべきか。

  それは、同じように最初はNPBのcontact hitterたちにある程度苦しみながらも
  その後、数シーズンにわたって優秀な成績を残すことに成功してきた
  上で挙げたファイターズのWolfe、Keppel両投手の工夫、適応を手本にするとよく

  今日のゲームでも3回に長谷川選手に対し、121km/hと非常にブレーキの効いた
  スライダー(カーヴ?)を利用し、タイミングの合わない空振り三振を奪った打席は
  そのヒントとなる非常に素晴らしい投球であったと言え
  
  ポイントはズバリ“big breaking ball”、つまり“緩急”を数多く、
  効果的に駆使していくこと、ここになってくることでしょう。

  もちろん120km/h後半の遅いスライダー系もある程度駆使しているエンリケさんですが
  打者の意識を速球系のタイミング一辺倒から外していくためにも
  非常に印象深く、球速差を脳裏に焼き付けることが重要だと言え

  だからこそ、今後その120km/hそこそこのカーヴもしくはスライダーといった球種
  見せ球や初球のカウント構築球としてだけでなく、勝負球としても数多く、
  もちろん大胆にかつゾーンの低め以降に徹底的に到達するように心がけながら駆使していけば

  その自慢の速球や速いスライダー系、そしてスプリッターなども
  更に更に効果的になり、打者を順調に打ち取っていきアウトを積み重ねていきながら
  順調にイニングを消化していくことが可能になっていくことが予測できます。

  優秀な球速を始めとした精度を誇る速球を中心に常に安定した制球を魅せ
  大胆にゾーンを攻め続けることのできるエンリケさんなのですから

  後は、緩急を効果的に駆使し、相手攻撃陣にうまく意識づけていくことで
  ゾーンを三次元的に駆使していきタイミングを外しバットにうまく当てさせないこと、

  ここをまず最優先に改善すべき課題として取り組んでいき
  ぜひNPBでも長きにわたって、安定して継続して素晴らしい成績を
  残し続けていってほしいと心より願っております。

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★ Offense ★

  今日のライオンズ攻撃陣は得点圏にランナーを置いての打席は計4度にとどまり
  その内訳は 0-4(三振4)で得点圏に残塁2・得点0という成績、

  また今日は4安打・2四球で奪った出塁は6、野手選択による出塁1を加えた
  その全7人のランナーの行方は残塁5、二塁封殺1・盗塁死1で得点0という結果でした。

  今日は7回にフルカウントに持ち込み8球目で四球を奪い出塁を奪うなど
  全4打席で22球を費やさせることに成功したエスティさんなどを中心に

  全32打席中計20度の打席において5球以上を費やさせていきますが
  そこで三振10を奪われる一方で2四球・2単打を奪うにとどまるなど

  ホークス先発武田投手に対して
  6 1/3イニングで105球(1イニング平均約16.6球)を費やさせ
  またホークス投手陣全体に対しても
  9イニングで154球(1イニング平均約17.1球)を費やさせるまずまず合格点の成績を残していきながらも

  奪った出塁は四球2個を含め計6個に留まる物足りない成績となり

  長打についても残念ながら魅せることに失敗し
  残塁5に加え得点も0を記録するに留まりましたから

  今日は残念ながら全体としてうまくその“しごと”をこなすことに失敗した
  評価することのできるライオンズ攻撃陣でした。

  今日は武田投手の素晴らしい投球の前に出塁を奪うことに四苦八苦したライオンズ攻撃陣でしたが
  それでも今後もこれまでと何ら変わることなく、効率的な攻撃に頼り過ぎることなく

  残塁を恐れずにまずは数多く忍耐強く闘い続ける打席を創り出し続けていきながら
  初球から積極的に狙い球を絞って鋭く弾き返していく中で効果的に織り交ぜ続け
  
  出塁をひとつひとつ奪い続け、積み重ね続けていき
  その上で得点をスコアボードに一点一点、記録し続けていってほしいと思います。

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