November 5, 2011 Lions at Hawks | Peanuts & Crackerjack

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Dedicated to the Saitama Seibu Lions organization and its players, baseball itself, and those who want to know what counts most in a given situation you are in and to make right decisions in a confident manner everytime. May the 'dose of luck' be with you!




$ピーナッツとクラッカージャック-20111105


 ★Tips 1 : 今日の涌井さんのストライク率は約63.8%、残念ながら2/3には多少及ばない成績でした。

         ただし35度の打者との勝負のうち2ボールまでいったのがのべ11度、
         3ボールまでいったのがのべ5度、そして四球3で
         1ボール以内での勝負が約68.6%とこちらはかなり優秀であり

         つまりは3球以内の勝負が全体の6割を占める21度とかなり多かったように
         ホークス攻撃陣が初球から積極的に打ち返していったことが
         涌井さんのストライク率を下げる大きな要因としてあり

         基本的に今日の涌井さんは大胆にゾーン内でじゅうぶんに勝負できていたと
         高く評価できる投球でした。

         その涌井さんの投球の詳細を観ていきますと
         今日の涌井さんの速球は今シーズン最高と言ってもいいもので

         特に4シーム速球(全52球)に限って観てみると、130km/h台を計測したものはわずかに3球のみ
         (※うち2球は相手打者が犠牲バント戦術を採ってくる中でのもの)、

         また最速147km/hを計測し、144km/h以上のものが23球であったように
         平均して約142.6km/hを計測する素晴らしい球速を誇り

         また外野フェア領域にその速球を打ち返されたのは
         内川選手のフライアウトとフライシングルの2球のみという
         素晴らしい精度を示してくれるものでした。

         その今シーズンのベストと言ってもいい抜群の速球を数多く駆使しながら
         そのおかげで涌井さんの自慢の、素晴らしい精度を誇るスライダー系が非常に活き

         まだまだ縦に鋭く落ちるスライダーはそこまで効果的ではないものの
         斜めに曲がり落ちるスライダーと、そして今日一番効果的だったのは

         速球系のカッターと分類してもいいくらいの
         常時130km/h後半を計測してき、時折140km/hに届こうかという
         球速をある程度保ったまま鋭く打者の手元で水平方向に滑るスライダーでした。

         その素晴らしい速球系とスライダー系とを投球の軸として数多く駆使していきながら
         そこにおそらく2種類ずつのカーヴ系、チェンジアップ系を織り交ぜ緩急を駆使し

         ただし今日も上述した通り縦のスライダーが効果的ではなく、また
         フォークも3回に多村選手に外野へ鋭いフライアウトを打ち返された1球のみで
         それ以降今日も利用せずに封印していったことで

         5回までに6三振を奪うもののそれ以降は三振0に終わったことは
         来シーズンに向けての涌井さんの大きな課題のひとつではありますが

         それでも外野フェア領域に到達したフライアウトを4個のみに抑えつつ
         グラウンドアウトを12個、中でも併殺打を3個と数多く奪いながらイニングを重ねていく
         素晴らしい本格派グラウンドアウト・ピッチャーの投球を魅せ続けてくれ

         結果9.2イニングを投げて127球(約13.1球/イニング)、
         出塁を四球3を含め10個にまとめながら自責点・失点ともに1のみに抑え

         QSをじゅうぶんにクリアしてくる素晴らしい成績を残すことに成功しました。

         来シーズンに向けて涌井さんに期待したいことは

         ① 今日魅せてくれたような、素晴らしい球速と精度とを誇り、維持した速球を
           どんなゲームでも、どんな状況でもどんな打者相手でも変わらずに
           常に数多く、安定して駆使し続けること

         ② 縦のスライダーでも、フォークでも球種はそこまで問いませんが
           相手打者から数多く空振りを、とくに空振り三振を奪うことのできる
           垂直方向に鋭く変化する“3つめの勝負球”を早めに確立し

           同じくどんなゲームでも、状況でもまったく変わることなく
           その素晴らしい精度と制球とを維持したまま安定して数多く駆使し続けること

         この2点になります。

         まずは①から、これが可能になれば素晴らしいスライダー系とのコンビネーションで
         安定して数多くのグラウンドアウトを奪いながらイニングを重ねていける
         本格派グラウンドアウト投手として数多くQSをクリアでき、また勝利も順調に積み重ねていけるでしょう。

         その上で、更に②も可能になっていければ今度は安定して数多くの三振を奪いながら
         相手攻撃陣を圧倒していきながらどんどんとイニングを重ねていける
         本格派エースの投球をどんどんと展開し魅せていくことが可能になり

         エース同士の、お互いQSをクリアしてくる厳しい投手戦の中でも
         勝ち星をある程度数多く積み重ねていくことができるようになり

         結果、リーグを代表するような防御率や勝ち星数といった
         素晴らしい成績を残すことができるようになっていくでしょう。

         とても苦しかった今シーズンの経験を経て
         来シーズン、涌井さんがどれだけ、またどうやって挽回し
         更にまた一皮むけ、成長した姿を私たちに魅せてくれるか。

         今から非常に楽しみに、是非心待ちにしたいと思います。

 ★Tips 2 : 今日のライオンズ攻撃陣は得点圏にランナーを置いての打席は計7度のみ、
         その内訳は 3-6、敬遠四球1で得点圏に残塁3、得点1。

         今日は7安打・1死球・1四球で出塁は9、その全9人のランナーの行方は
         残塁6、併殺打によるニ塁封殺1、右翼手補殺による本塁刺殺1で得点1という結果でした。

         ホークス先発投手、杉内投手に対し9.1イニングで127球(約13.6球/イニング)
         またトータルでもホークス投手陣に対し12イニングで168球(14球/イニング)

         今日もライオンズ攻撃陣は残念ながら数多く忍耐強く闘い続ける打席を積み重ね続けたとは言えず
         その投球の前に思うように出塁を重ねていくことに失敗します。

         昨日のゲーム後のレヴューにて
         ポストシーズンを通して中軸打者の前の打者たちの出塁がじゅうぶんでなく
         なかなか満足に数多く、中軸打者たちがその一番重要な仕事である“打点を稼ぐ”状況ではないことに大きな懸念を示しましたが

         今日は相手先発投手が左腕の杉内投手ということもあり
         2番打者に原さんではなく阿部さんを起用するものの

         結局残念ながら今日も状況は改善せず
         特にナカジさんはその全5打席ともにランナーなしの状況で打席を迎え
         彼自身がどうにか出塁を目指すという場面ばかりでした。

         特にポストシーズンを通してクリさんが.227/.227/.227(打率/出塁率/長打率)
         残念ながら思うような成績を残すことができなかったことは
         結果として、ライオンズ攻撃陣にとって非常に大きな痛手、誤算となりましたね。

         ただしそれでも中軸が出塁を奪っていき、下位に名を連ねる打者たちで
         なんとかその走者たちを本塁へと生還させ、得点を奪い積み重ねていき

         1st stageを勝ち抜き、またこのfinal stageでもどのゲームでも終盤に至るまで
         常に僅差の得点差の緊迫した局面の中で戦い続けることができたことは

         これまでのように上位の、ヤスさん・クリさん・ナカジさん・剛也さんといった
         常に固定してラインアップに名を連ねる限られた選手たちに
         その得点パターンの大部分を頼りきりになるのではなく

         ライオンズ攻撃陣が更にヴァリエーション豊かな得点パターンを見出していくという
         更なる大きな成長につながるものであったと高く評価できるものでした。

 ★Tips 3 : ライオンズの選手の皆さま、そして首脳陣の皆さま、長いシーズンの闘い、ほんとうにお疲れ様でした。

         これまでライオンズの強みとしてあったラインアップ上位4人の抜群の得点力
         そして順調に勝ち星を重ねていくことのできる、確立された先発投手陣

         もちろん今シーズン以前から少しずつほころびを見せ始めてはいたものの
         今シーズン、あきらかに以前ほどうまく機能しなくなっていき

         それと共に彼らが今までなんとかかんとかカヴァーしていた
         長年のライオンズの大きな弱みが白日の下にさらされることとなり

         シーズン途中には長い間リーグ最下位に低迷するという
         非常に苦しい時期が続くことになりました。

         もちろんベストはそうやってカヴァーしきれなくなる前に
         その大きな弱点を、課題を少しずつ少しずつ解決していくことであって

         それができずに今シーズン何度も何度も観客に見せるに値しない
         散々な敗戦を喫してきたことは決して称賛できるものではありませんでしたが

         それでも遅きに失しすぎたキライは十二分にあるものの苦しい中でようやく、
         牧田さんをクローザーに抜擢するなどの大胆なブルペン陣の整備を行い
         また中堅手に秋山さんを抜擢するなどの大胆な守備陣の整備を行ったことで

         まだまだもちろん理想からすれば未熟な物足りない部分は多々あります
         長年の課題であったラインアップ下位に名を連ねる選手たちの攻撃力・守備力
         ブルペン陣に名を連ねるそれぞれの投手たちの投球成績が少しずつ向上・改善し始め

         加えて浅村さんが実に5つもの守備位置を経験しながら1年を通じてゲームに出場し続け
         また原さんが2番打者として安定した攻撃面・守備面での貢献を残すなど

         とにかく“チームをひっぱる数人の主力選手たちだけ”におんぶにだっこではなく
         そのゲームのrosterに名を連ねるすべての選手たちのそれぞれの特長を、魅せどころをうまく結集して

         全員で得点を奪いにいき、失点を防ぎにいき、そして勝利を奪いにいく姿
         ダイナミックに、活き活きとライヴで魅せ続けてくれたことは
         それだけで本当に素晴らしい、楽しく心躍るものであり

         (※もちろん今の状態で決して満足できるといったものではなく
           今後も継続して、更なる大胆な改革をしていく必要があることは言うまでもないことですが)

         改めて振りかえって、素晴らしいプレイの数々を魅せてくれたと
         大きく感謝したいですね。

         改めてライオンズの選手の皆さま、また首脳陣の皆さま、
         長いシーズンの中での素晴らしい闘いの、プレイの数々ほんとうにありがとうございました。

         来シーズンも更なる素晴らしいプレイの数々を魅せ続けてくれることを
         心より願っております。