★Tips 1 : 今日の涌井さんのストライク率は約67.6%、ほぼ2/3という素晴らしい成績でした。
26度の打者との勝負のうち2ボールまでいったのがのべ11度、
3ボールまでいったのがのべ4度、そして四球2で1ボール以内での勝負が約57.7%。
今日は2ボール以上を与える勝負が多少多く散見されるものの
基本的にはストライク・ゾーンの中で大胆に勝負できていたと高く評価できる投球でした。
今日の涌井さんの投球の詳細を見ていくと、その勝負球の1つである
フォークを封印したといっていいほどほとんど使わずに
投球の軸は素晴らしい精度と制球とを誇る数種類のスライダー系と
そして今日は最高144km/h、常時140km/hあたりを計測してくる速球系で、
つまりは今日は“エース”として数多くの三振を奪いながら
イニングを順調に重ねていく本格派エースの投球というよりは
その素晴らしい2つの勝負球を数多く駆使していきながら
今日非常に効果的だったカーヴや、そして左打者へのチェンジアップなどで緩急を駆使し
打者の狙いをなんとかうまく絞らせないでおくことに成功し
結果7イニングで111球(1イニング平均約15.9球)、四球2を含んだ出塁を6個にまとめつつ
外野フェア領域に到達したフライアウトを5個に抑えながら
三振2、そしてグラウンドアウト10個と数多くのグラウンドアウトを奪いながら
どんどんとイニングを重ねていく本格派グラウンドアウト・ピッチャーの投球を
1ゲームを通じてじゅうぶんに魅せてくれるもので
結果自責点・失点ともに0という、QSをじゅうぶんにクリアしてくる
素晴らしい成績を残すことに成功しました。
今シーズンおそらく後1度、先発登板の機会があることと思いますが
今シーズンのうちにフォークの精度を向上することが難しいと判断するのであれば
前回登板ゲーム後のレヴューで指摘した通り、
そして今日の登板で実行して魅せてくれたのと同じように
常に初球から、初回から、またイニングの先頭打者から継続して
“制球”と“精度”とを両立させた最高の速球だけをひたすら数多く駆使し続けていき
その最高の速球と素晴らしいスライダー系とを投球の軸としながら
その他の球種をも徹底的に低めに集めていきながら緩急を意識して効果的に織り交ぜ
とにかく外野フェア領域に到達するフライアウトを減らしていきながら
数多くのグラウンドアウトを奪っていき、1つ1つアウトを重ねていく
本格派グラウンドアウト投手の素晴らしい投球を魅せていってほしいと思います。
★Tips 2 : 今日のライオンズ攻撃陣は得点圏にランナーを置いての打席は計11度、
その内訳は 8-11(うち二塁打2・三塁打1・本塁打2)で得点圏に残塁1、得点12。
今日は15安打・2四球・1死球で出塁は18、その全18人のランナーの行方は
残塁5・併殺打による二塁封殺1で得点12という結果でした。
今日はランナーを得点圏において長打が5本も出たことで
残塁5で得点を12も奪う、素晴らしく効率的な攻撃を魅せてくれましたが
やはりその攻撃の基本は18個にも及ぶ出塁を積み重ねていったことにあり、
そして序盤から制球の定まらず苦しむファイターズ先発、武田勝投手に対し
フルカウントからそれぞれ7球、8球、7球を費やさせたクリさん、原さん、秋山さんや
フルカウントからの6球目をとらえ二塁打を放った剛也さん、
B2-S2から9球を費やさせることに成功した浅村さんをはじめとして
数多くの忍耐強く闘う打席を創り出し続け
3イニングで67球を費やさせつつ5得点を奪ってマウンドから引きずり降ろし
またその後も、初球に死球となった打席を除いた計3度の打席でそれぞれ
6球、7球、8球を費やさせつつ2つの安打で2つの出塁を奪った熊代さんをはじめとして
9イニングで166球(1イニング平均約18.4球)を費やさせたことにあったと
非常に高く評価できる、今日のライオンズ攻撃陣のしごとぶりでした。
明日も今日と同じく、素晴らしい投手が相手先発投手としてマウンドに登りますが
今日と何ひとつ変わることなく、変えることなくとにかくまずは
忍耐強く闘う打席を数多く創り出し、うまく交え続けながら
1つ1つ、出塁を積み重ねていくことだけに徹していってほしいと思います。
そしてもちろん、プレイオフ出場権をかけての緊迫の勝負の場の1つ1つに
自分が参加しているということをまずは大きな自分の誇りとし
最高の、そして適度な集中力を維持していきながら
ゲームの勝敗や、プレイオフ出場権の行方などまずはアタマから追いやって
とにかく自分が今、ここで向き合っている勝負の一瞬一瞬を
できうるかぎり、後悔を残さないよう心から楽しみ抜いてほしいと思います。