つながる打“線”とは何か | Peanuts & Crackerjack

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$ピーナッツとクラッカージャック-BS20100602

今日のゲームのライオンズの勝利は

ライオンズの先発、ワクさんの
8回を投げ切って打者33人に対し投球数145、
被安打10ながら与四死球0、奪三振10で自責点、失点ともに2という


初回の2失点以降無失点で8回までイニングを消化、
みごとQSをクリアしてくるエースの素晴らしい投球と

9回、ライオンズの1点のリードをそのまま保ち
最後のアウトをとって勝利を確定させたクローザー、
シコースキーさんの素晴らしい投球、そして

ワイルド・ピッチ2つで勝ち越し点を与えてしまった
ベイスターズ守備陣の自滅に求められるものでした。

今日も変わらずいつもの正攻法を貫くライオンズ、

そしてその期待に応え攻撃陣が得点を挙げ、逆転するまで
粘り強く追加点を許さなかったワクさんは

ここ3戦、好投しながらもリードを許し
攻撃陣がなかなか得点を思うようにあげられず
ビハインドのままで終盤になって追加点を奪われ

残念ながらそのしごとをこなすことができず
マウンドを降りてしまった帆足さん、岸さん、そして
一久さんの投球内容を越えてくる、

それこそチームの苦境を救うまさにエースのしごとでしたね。

そしてそのワクさんの粘りの投球が続くイニングの裏で
今日もライオンズ攻撃陣はなかなかしごとをこなせず
非常に苦労した1打席1打席となりました。

攻撃陣の軸であるクリーンアップは当然
これまでどおり正攻法で固定でしたが
その彼らがなかなかうまくしごとをこなせない中

ガラッと一新したラインアップの6番以降が
その大胆な気分転換ともいうべき変化という
現場におけるひとつの応用戦術のもと打席に臨み

様々なカタチで得点を叩きだしてくれ
わたしはそこに1つの繋がる打“線”の
ヒントを見れたように思います。

そもそも“打線”とは何か。

打順、ラインアップという意味での“打線”ではなく
繋がり、線となるという意味での打“線”の定義って

わたしたちはホントあいまいなまま
なんとなくのイメージでいつもあたりまえのように
気軽に使っていないでしょうか。

例えば、イニングの先頭打者が四球で出塁し
次のバッターが犠牲バントで1アウト2塁、
3番目のバッターが内野安打で1アウト1、3塁、
1塁ランナーが盗塁して1アウト2、3塁として
4番目のバッターが粘って四球を選び1アウト満塁としても

5番目、6番目のバッターがいずれもランナーを還せずに
得点0のままでそのイニングを終わったとすれば


この攻撃陣は打“線”として
繋がったとは言わないですよね。

逆にイニングの先頭打者が3塁打で出塁し
次の打者がシングルヒットで打点を挙げ
そのランナーを1塁に置いて3番目の打者がHR、

そしてその後の打者が上と同じように
1アウト満塁としながらもいずれも凡退し
得点をあげることができなくとも


この攻撃陣は打“線”として
繋がったと言いますよね。

つまり

① どんなに繋いで繋いでランナーを進めても
それを得点に結び付けられなければ
打線として繋がったとは言わない

② 長打やHRはその中に含まれていてもよいが
手数をかけずランナーをためず、進めずに打った
HR(ソロ、ランナー1塁での2ランなど)だけで
得点を挙げたのでは打線と言わない


このあたりは定義として
あり得るのではないかと思います。

これをライオンズ攻撃陣に当てはめてみると

A、クリーンアップが得点を奪った後、
そのイニングに奪う“もう1点”

B、クリーンアップ以外、特に
下位打線数人で奪った1点


こういった得点をあげることができたとき
ライオンズの打“線”は繋がったと

そう判断できるのではないかと思います。

そう考えると

今日、ライオンズ打線が繋がったのは
6回裏2アウトランナー2塁において

上本さんが放ったグラウンドボール・シングルで
ライオンズが1点をもぎ取ったとき。

興味深いのはライオンズの各バッターが
そこまでも様々な試行錯誤をし得点を何とかあげようと
しっかりとらえた鋭い打球を放っても
ホントなかなか奪えなかった1点が

2ストライクと早々に追い込まれ
「何が何でも還そうと思い」
打球の質や方向にこだわらず
きた球を無心に近い状態でスウィングし

それが決して当たりのよくない緩い、高いホップで
外野へとうまく到達するシングルで奪えたということ。

もしかすると、ライオンズ攻撃陣がこれから
打“線”として徐々に繋がっていくためには

この1点はとても大きなヒントになるかもしれません。

打点をその一振りで挙げることを期待される
クリーンアップは別として

そうでない選手たちがランナーを得点圏に置き
そのランナーを本塁に生還させ得点を挙げ
打線をつなげるためには

しゃにむに得点を、結果を追い求めて
一番高確率で得点に結びつくラインドライヴ性の
強い打球を左中間、右中間にとイメージするのではなく

とにかく打球の質だとか、方向だとか、
球種、アウトカウント、ピッチカウント、、、
そんなことは一切アタマから消し去って

日ごろの準備とトレーニングで培った
身体の反応やひらめきでもって

初球から、ゾーンにきた球にしっかり自分のスウィングで
コンタクトしていくのがいいのかもしれません。

そもそももともと打線なんて水もので
クリーンアップ以外の選手が安定して
得点圏にランナーを置いて結果を残すことなんて

冷静に考えれば“期待”できないのが現実なのですから

点を取りたい、結果が欲しい、
イメージ通りの美しい打球を放ちたいなんて
そんな余計なことはアタマから消し去って

とにかく失敗してもともとの図太さを持って
自分の能力と集中力をひたすら信じ、賭けて

初球からストライク・ゾーンに来る球に
きっちり自分のスウィングでコンタクトするだけ。

そのあとの打球の行方は、もう運まかせでただただ
ヒットになるのを祈ればいいのではないでしょうか。

よく、インタヴューでその1打を
「気持ちで打ちました」
と表現する選手がいますが

そのメカニズムは上述のような開き直りの
結果は運任せの無心の心境なのだと思います。

これからもしばらくは確実に
ライオンズ攻撃陣は打線として繋がることを課題とし

その重圧の中で様々な試行錯誤があると思いますが

重要なのは繋がりを、結果を求めてあれやこれやと
高度な細かい技術論や戦術論にこだわりすぎずに

とにかく日ごろの準備とトレーニングをしっかり積み
1つ1つの勝負の“魅せ場”ではそんな自分を信じ

結果は度外視してとにかく積極的に
悔いの残らない自分のスウィングを心がけ
ボールにコンタクトしていくだけ。

必要な得点はクリーンアップが叩きだしてくれるし
先発投手陣とシコースキーさんが守ってくれます。

ですから3試合に1度、いや4試合に1度でいいので
今日のように確率は低く多くの失敗を重ねても

どこかの1イニングで下位打線で得点をあげましょう。

そう考えれば、それは今までだってやってこれたことだし
肩の力を抜いてこれからも考えすぎることなく
積極的に集中してできることなのです。

今年のマリーンズ攻撃陣のように
凄まじい“勢い”をバックに歯車が面白いように噛み合い
繋がりの連続で一挙大量得点なんて望む必要もありません。

ライオンズ攻撃陣は自分たちのいまいる現状なりに
少しずつ少しずつそのヒントを掴んでいけばいいのです。

ライオンズ攻撃陣の各選手が
それぞれこの課題に向かっていく中で

何か1つでも解決に向けたヒントを掴んで
その持てる能力と集中力をよりうまく得点に結びつけ
その貢献のもとライオンズが1つ1つこれまでどおり
順調に勝利を積み重ねていけるよう
心より祈っております。



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