ゴールゲートをくぐってすぐに、救護スタッフの方に助けを求めようと思いました。
しかし…
すぐに救護所に行ってしまったら、せっかく完走したのにティファニーもフィニッシャーズタオルももらえないのでは?
もらえなかったら…
何の為に、こんなに痛みに耐えて完走したの???
そんな考えが浮かび、もう立っているのもやっとの体調で、ティファニーの受取ゲートの行きました。
両手がしびれて全く力が入らなかったので、イケメンタキシード隊の方が差し出して下さるティファニーのペーパーバックを受け取る事が出来ない
腕にかけて頂きました
続いてのボトルも手で握れないので、両手首ではさんで取りスタッフの方が広げて下さった紙袋に入れて、腕にひっかけてもらう。
フィニッシャータオルとTシャツも、その袋に入れてもらいました。
そうして、フィニッシャーグッズを全て手に入れてミッションコンプリートした私は、その先の通路沿いにいらした医療スタッフの方に、ようやく声をかける事が出来ました。
「すみません。両手と口がしびれて辛いんです」
<今回の記事は、私自身が同じ失敗を繰り返さない為の備忘録として書いています。
私が「全ての大会関係者の方には本当に感謝しかない」と思っている事をご理解頂いた上で、この先を読んで頂けると有難いです>
対応して下さった医療スタッフの方は、
「一旦、椅子に座りましょう」と言って、通路脇の奥に置かれた折りたたみ椅子に座らせて下さいました。
「これでようやく助かった。適切な対処をして頂けて、楽になれる」
そう思ったのですが…
私を椅子に座らせて下さった方も含め、全ての医療スタッフさんが、すぐに元いた通路脇に戻って行かれました。
その時間帯は、ちょうど制限時間を迎える頃で、最後のランナーさん達を見届けておられたのかなと、その時は思いました。
後になって思い返せば、フィニッシャーグッズを全て手に入れてやってきたので、それくらい余裕のある体調だと認識されたのかな、私でもそう思うかも、とも思いました。
椅子に座らせて頂いた直後から、どんどん身体が冷えて、強烈な寒さに襲われてきました。
「どなたか防寒シートを頂けませんか」
そう言いたいのに、口がもう動かず、声が出ない。
手を振って助けを呼びたいのに、どなたもこちらを見ておられず…
ゴール後は動いていた手首から上の腕も、どんどん脱力し、動かなくなっていく…
気づいてもらえない時間がどれほどあったのか、実際は本当に短い時間だったのか、時間の感覚がないのですが…
もう全身の力が抜けて、折りたたみ椅子に座っていられなくなり、ずり落ちかけた時、ようやく気付いて頂けて、そばに寄ってきて下さいました。
「救護室に連絡して!ストレッチャーを持ってきて!」
医療スタッフさんが他の方にそう声をかけるのを聞いた時、
「ああ、ようやく助かる」と思いました。