41kmの表示が出て、

「PBは無理だったけど、今回は余裕で完走できるラブラブ

 故障を抱えてよく頑張った、私!!

と思っていた時でした…

 

ドーム前の最後の直線に入った瞬間、突然、両手と口が激しいしびれに襲われました。

特に両手は、手のひらを握る事も出来ないほどの脱力と、ドライアイスが押し付けられているかのような、強烈な冷たさに襲われました。

この時、手袋をはめていたのに…ガーン

 

こんな症状になるのは生まれて初めてて、自分の身体に何が起こったのか、理解できませんでした。

直前まで特に異変は感じていなかったし…

 

そして、両手と口の強烈なしびれを感じた直後、傷めている左足に、アイスピックを突き刺されたかのような、強烈な激痛が走りました。

それでも1、2歩頑張って足を出してみたものの、左足を踏み出すたびに、アイスピックで刺されるような激痛が走るので、もう全く前に足を踏み出す事が出来ず、立ち止まらざるを得なくなりました。

 

「あと1kmだぞ!頑張って走れ!」

沿道から声が掛かりました。

 

いつもは沿道の応援が嬉しくて、感謝しかない!と有難い気持ちしかないのですが、この時だけは

「走れるものなら、私が一番走りたいよ!」と言い返したくなるような、本当にやるせない気持ちでした泣

 

追い抜いていかれるランナーさんも

「もう少し!頑張れ!」と声をかけて下さるのですが、もうその方の顔を見上げるだけしか出来ず…

 

左足が動かせない以上、もうこれ以上前に進むことは、どうしても無理か…と絶望的な気分になりました。

 

41km、痛む足を何とかもたせて来たのに、

あとたったの1kmで、こんな事になるなんて…

 

どうしよう、どうしたら…

頭の中は「どうしたらいいんだ???」だけが、フル回転で巡っていました。

 

その時近くに沿道スタッフの方がおられて、目が合っていたら、絶対にギブアップしていたと思います。

「気力だけではどうにもならない」

それを痛感した時間でした。

 

その場にどれくらい立ち尽くしていたか、時間の感覚がなく分かりません…。

しかし、周りには沿道スタッフの方もどなたも見当たらず、助けを求められる人がいない…

そんな状況で「助けを求められないなら、自力で何とか出来ないものか…」と、逆に前向きな気持ちになりました。

 

「上半身が脱力したからインナーマッスルが抜けて、足に負担が来たのでは?

力が入らないのは、両手と口だけ。胴体は使える。

インナーマッスルの引き上げをもう一度意識し、立て直したら、足の負担が減るのではないか」

そう意識してみたら、なんとか激痛だった痛みがやや和らいで、なんとか我慢できる程度の痛みで、左足を前に出せるようになりました。

 

「もう最後の関門には間に合わないかもしれない。

 それでも再び激痛で動けなくなるまで、頑張ってみよう」

そう思って、再び足を前に出しました。

もう、歩くよりも遅い速度で…

ガーミンの表示を、ペースから時間表示に変えました。

 

十分な時間の貯金をしていたはずなのに、この時すでに

時刻は15時40分を過ぎていたと思います…。

 

「両手のしびれや足の痛みに耐えて、前に進んだとしても、この速度では完走は難しい」と思いました。

それでも「行けるだけ行こう」と思いました。