ローザンヌ国際バレエコンクール2023結果で思うこと | バレエの悩み解決&情報公開

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自分自身が元バレエダンサーでヨーロッパの某国でバレエ学校の留学経験やバレエのカンパニーの経験をもとに、もっとバレエがうまくなりたい、上達したいという願いのお手伝いをするための情報を更新しています。

第51回ローザンヌ国際バレエコンクール2023は記念すべきコンクールの節目、50周年でした。

 

今回はyoutubeで初日から通常のレッスン風景、モニク・ルディエールさんのヴァリエーション・コレクション指導、コンテンポラリーダンスの指導状況もじっくりみられるようになり、かなりバレエファンには盛り上がりを見せていましたね。

 

今回の日本人入賞者は1人のみ、8位の宮﨑圭介さん(15歳)涌井バレエスクール出身が入賞されました💛


他の日本人出場者の方々も決勝ファイナル進出まででき、快挙でしたね。

斎藤杏さん、田邊陽奏さん、宮﨑圭介さん、井嶋奏太さんの4名がファイナル出場になりました。

 

ローザンヌ国際バレエコンクール2023参加者の衣装選び、個人的見解


ローザンヌバレエコンクール2023年でずっと夜中、タイムリーにARTEの動画を見ながら、メッセンジャーで恩師でありフランス人Toulouseコンセルヴァトワールの名誉校長のジャンヌ先生と話してました。

 

海外の参加者も日本人も特に見た目、バレエで必要なプロポーションは問題ない生徒さんが大半だということでした。ただ若干、このように国際コンクールに出てしまうと、まだまだ足の短さが目立ってしまう日本人の参加者もみられます。

 

横一面にまっすぐなチュチュを選ぶと足のラインや長さがあらわになってしまうため、生徒さんの良さを引き出すための衣装選びはかなり重要になると感じました。

 

  • ボンの長さ
  • ボンの床に対する垂直度
  • 生徒さんの肌に合うボンの色合い

こういった生徒さんの踊りを引き出す要素はやはり重要ポイントになります。

 

肌の色も一度専門のカラーコーディネーションを受け、自分自身に合うカラーの衣装を選べるように、つまり好感度や演出度がアーティスティックインプレッションへ繋がるため、高得点を狙うのでしたら、こういった衣装選びも最重要ポイントになります。

 

 

私も同様に思います。

 

オペラ座元校長先生の時の毒舌ですが事実である参加者に対する絶対美をもとめる意見もなくなり、和やかなムードになったと感じています。

 

ローザンヌ国際バレエコンクール2023参加者のバレエ基礎に思うこと、個人的見解

 

ローザンヌ国際バレエコンクール2023の出場者の踊りをみていて、セミファイナルの参加者、そして入賞しなくても個人的にバレエ学校へ留学のオファーを受けていることをフランス出場者からもメッセンジャーで聞きました。

 

上記は通常よくあることでもあります。

入賞することだけが留学やバレエ団研修への成功へ繋がるだけでなく、通常の予選のレッスンから特にバレエ学校の先生たちはこれから才能が伸びそうな生徒さんを探しています。

 

その時に何をいているかというと、やはり基礎力になるということです。

バレエにはいろいろ基礎事項がありますが、一つの例として前足を上げることを説明していきましょう。

 

日本のコンクールでは、審査員の先生によっては足を上げる高さをポイントにすることもあります。

ただしこれはアンディオールができていることが大前提ですが、審査員によってはアンディオールより足の高さによって見栄えがするという理由で高得点をつける事実も日本の一部のコンクールでは残っています。

 

外国のバレエ学校でバレエの基礎をやり直すように言われ、そのように訓練してきたバレエダンサーが審査員の時にはそのような誤った審査のつけかたは少なくなってきている、ということは事実ですが・・・💦

 

ただローザンヌバレエコンクールをはじめ、外国の著名なバレエコンクールでは上記のようなことは高得点になりません。

ちょっと具体例をローザンヌバレエコンクール動画をみましょう。

 

ローザンヌバレエコンクール2023参加者バリエーション指導より、バレエ学校で必要なドゥバンの上げ方

 

 

上記動画ではライモンダ夢の場のVAになります。

 

最初のドゥバンに上げる箇所をモニク・ルディエールさんに注意されてます。

上げる足を外して高さを上げようとする参加者に対し、腰の位置をまっすぐに修正して一つの軸にしてドゥバンを出すように指導されています。

 

その結果、足先の裏は客席からみてはっきり見えアンディオールしていることが明白ですね?

 

↑腰ラインをまっすぐにアンディオールさせ、一本の軸にすると、上げている足先裏が見事にみえアンディオールされています。

 

腰がアンディオールしていないと、つま先もアンディオールになっていませんよね?

ただ腰を縦にずらすことによって左のお尻の筋肉を内側につかって前足をあげると高さは上がります。

 

ローザンヌバレエコンクールではこのようなずるをして見栄えの良さだけを審査することはありません💦

 

↑参加者が修正しようとして腰をアンディオールさせたところ、いつもの癖でアンディオールをしながら足を前に上げることができず失敗しています。

 

ルディエールさんが実際に参加者のボディーに触れ、具体的にまっすぐに腰をアンディオールする位置に修正したところ、前に出している足がクロスされつま先裏まで観客から見えるように改善されました💛

 

 

足を上げる高さが問題でなく、バランス軸が一本になっているか?正しくドゥバンがあがるアンディオールを習得しているかどうか?このような点が審査員にはっきり見られてしまいます。

 

今後日本のコンクールに参加することが目的の生徒さんは、日本のコンクールの独特な審査方法に合わせた対策をすることも必要ですが、コンクールは一つの手段、過程で、最終ゴールが海外のバレエ学校へ留学する、バレエの踊りを美しくみせながら上達したい、と思う方は、コンクールの点数ではなく基礎力が身に着けるようにしましょう。