はい。
続きを書くよ。






第6章~ヴァンパイア・ハーフ~






あのあと、白川とはすぐに別れた。
説明は明日するからと約束して
僕はあの廃ビルに戻った。
「よくやった!お前様よ!」
そしてガーネットはテンションが七割増しだった。
「ふふ。やっと儂の身体が戻って来るぞ!かかっ!笑いが止まらぬわ!」
ガーネットは机の上に座り足をぶらぶらしていた。
「・・・かわいい・・・持ち帰りたい・・・」
「ん?なんか言ったかの?」
「い、いや?」
あ、危ない危ない。
つい心の声が口から出てしまった。
それにしてもガーネット・・・
今度は床を転がり出したぞ。
テンション高いなぁ・・・
「あははははははは~~~!」

とりあえず今日は疲れたので寝ようとしたら霧野が帰って来た。
「いやぁ。鏑木君。みごとだったね。ひとまず一勝ってところかな?」
霧野は楽しげに言った。
「見てたのか?」
「うん。バッチリとね。でもちょっとマズイことになったねぇ。」
「マズイこと?」
「部外者に見られちゃったじゃない?まぁこの戦いにはあまり関係ないけど、君のことだ。どうせその子に説明するんでしょ?あまり巻き込むのは感心しないなぁ。」
「あぁ、その事については僕が責任を持つ。」
白川には酷いことをしたからな。
見られてしまった以上、説明はやむを得ないし、もう巻き込んでしまった。
僕が白川を守る。
そう決めたんだ。
「ふーん。そうかい。ならせいぜいその子に怪我とかさせないように頑張ってね。」
そう言って、霧野は机のベッドに横たわった。
「あぁ、そうそう。カーネージの右腕は明日取りに行くから。カーネージに言っておいてくれ。」
と言って寝てしまった。
まったく、霧野はいまいち掴み所がないな。
まぁ霧野がいなかったら、今ごろ僕は殺されていたからな、感謝してるよ。
そう思い僕は寝た。
「ヤッホォォォォォォォォォォ!!!!」
・・・まだ、騒いでるのか・・・

目が覚めて、気付いたことがあった。
そう、服がぼろぼろなのだ。
クリーパーとの激しい戦闘で服が破けてしまったのだった。
ここ数日着替えてないし。
うーん、どうしよう。
そうだ。白川に頼もう。
実は別れる直前にもう一度アドレスを登録してもらったのだ。
そして白川に、
「もう消さないでね?あの時すごく悲しかったんだから。嘘でもあれは酷いよ。」
と念を押されたので今後消すこともないだろう。
ていうか、消したくない。
むしろ、毎日メールしたいくらいだ。
でも、僕はシャイなので恥ずかしくてできませんよ。そんなこと。
とりあえず白川にメールを送っておいた。
書き始めて10分かかったぜ。
そして1分も経たない内に返信がきた。
「・・・速すぎるだろ。」

日が落ちた。
白川との約束の時間。
集合場所に行ってみると、すでに白川がいた。
おいおい、集合10分前に居るのかよ。
とてもお早いですね。
「あっ。鏑木君。」
「よ、よう。」
そして廃ビルに案内した。
「鏑木君、着替えとか買ってきたよ。着替えちゃいな。」
「おう。サンキュー。」
白川が持っていたビニール袋を漁った。
「ん?」
パンツが二枚入ってる?
「パンツね、どっちかわからなかったからブリーフとトランクスどっちも買ってきたんだ。」
・・・さすがです、白川さん。
「あと一応Tシャツも白と黒二枚買ったよ。」
・・・あなたは神ですか?
そんなこんなで着替え終了。
ちなみにパンツはトランクスだ。
ブリーフだと蒸れるからキライだ。
「・・・トランクス派なんだぁ・・・。」
「ん?なんか言ったか?」
「い、いや!何でもないよ。あはは。」
なんか聞こえた気がするけど気のせいか?
まぁたぶん気のせいだろう。
そして白川にこれまでのことを説明した。
吸血鬼に出会ってしまったこと。
その吸血鬼を助けたこと。
僕が吸血鬼になってしまったこと。
人間に戻るため今していること。
全部話した。
「なるほど・・・だから、夜だけに鏑木君と遭遇したワケか。」
「まぁそういうことになるね。」
「で、今人間に戻ろうとしてるわけね。」
「うん。」
「それで?どうやって、人間に戻るの?」
「いや、それはまだ聞いてない。聞こうとしたら、いつも話しを剃らされるんだ。」
「それって、カーネージさんがうそをついてる可能性があるんじゃない?」
「あるかも知れないけど、今はそれしか方法がないから。」
「鏑木君らしいね。」
「そうか?」
「うん。」
「まぁ自分じゃわからないからな。」
とりあえず白川は理解してくれたようだ。
正直このことを話せて僕はなんか例え難い解放感を感じていた。
まぁ有り体にいえば、スッキリした。とでも言っておこうか。
「そういえばさ、あの夜の時、鏑木君に会ったじゃない?」
「あぁ。」
「鏑木君に会う前にね。鏑木君に会えないかなぁって思ってたの。そしたら、目の前に鏑木君がいたんだ。」
「何で僕に会いたいって思ったんだ?」
「え、えぇっと・・・あはは・・・。」
何でそこで言葉を濁すんだ?
「えぇっとね、私の家ね。ちょっと特殊なんだ。それでちょっとイライラしてて話し相手が欲しかったんだぁ~。あはは。」
「そうなのか。」
確かに、白川は委員長で常に成績がトップだ。常にトップなのだから、プレッシャーはかなりのものだろう。
家でも勉強して、なおかつ、あの時間まで勉強しているのだ。
しかも毎日。
さらには、親からの圧力。
ストレスが溜まるのは無理はない。
「鏑木君と話してると楽しいよ。だから、鏑木君に会えて私、嬉しかった。」
「そ、そうか。」
な、なんだろう?
少しドキッとしたぞ。
お、おい白川。
その上目遣いで僕を見るのはやめろ。
すごくドキドキするだろうが!
やっぱりもっと見てください。
「・・・(じー)」
はっ!
ガーネットがこちらを見ている。
コマンドが表れた。
1.気にせず会話
2.ガーネットを交えて会話
3.白川とガーネットとで夜の町へ
さぁどれだ!
いやいや、3番はありえないだろ!?
夜の町って何よ?
今夜は熱帯夜ですか?
今夜はパーリィーナイツですか!?
まったくもって意味不明だ。
うん、これは正解は2番だな。
うん、これしか選択の余地がない。
何だよ?3番とか。
どうせみんな僕のこと変態だと思ってるんだろ?
ハイハイ、認めますよ。
だがな、僕は仮に変態だとしたら
僕は変態という名の紳士さ。
でも大丈夫。
白川は知り合ったばかりだが、それなりの好意を抱いてる。
むしろ、好きさ。
でもその好きは、友達としてさ。
そう友達だよ。
友達。
そう、ちゃんと節度をもって接してるさ。
うん。
これから白川にはお世話になりそうだからガーネットとも親交を深めてもらったほうがありがたい。
よし、ここは白川とガーネットを仲良くさせよう作戦でいくか。
ちょうどガーネットも暇そうだし。
よしよし。

「おい、ガーネットと白川。」
「何?」
「何じゃ?」
「今夜はパーリィーナイツだ。」
「「・・・。」」
し、しまった!
つい本音が出てしまった。
意味わかんねーよ!
何だよ?パーリィーナイツって?
「行きましょう。カーネージさん。鏑木君、ちょっと疲れてるみたい。」
「そうじゃな。イインチョウとやら。儂の話しを聞かせてやる。」
ち、ちょっと待って。
話し合えばわかる!
ち、チキショー!
作者テメー!!!!
覚えてやがれ!
その日、鏑木は久し振りに声を出して泣いたという。







第6章~ヴァンパイア・ハーフ~ 続く








P.S.
前回はシリアス系だったので今回はギャグパートです。
次からはまたシリアスな感じになっちゃいますが、楽しんで見てください。
白川さんは作者の欲望の塊です。
ではでは~(^-^)/
はぁい。
書くよー。





第5章~決闘の火蓋~






夜。
辺りは真っ暗だ。
僕には周りが良く見える。
道に転がってる、石ころだって、
道端にある草だって、
はっきりと見える。
僕はゆったりと歩いていた。
着々と目的地、僕の通っている学校へ。
考え事をしていた。
・・・クリーパー。
吸血鬼ハンターであり、吸血鬼でもある。
僕と同じ弱点で、血を吸えば死ぬ。
僕は勝てるのだろうか?
実戦経験からいえば、圧倒的にクリーパーの方が上だろう。
そこからどう勝てば・・・?
「・・・鏑木君?」
ん?
「ああ、やっぱり鏑木君だ。まった会ったね。」
「白川・・・」
ヤバい。
白川と遭遇してしまった。
非常にマズイ。
最悪の場合白川を巻き込んでしまうだろう。
それは絶対に阻止しなければならない。
どうする?
「最近会うね。鏑木君も散歩かな?」
「まぁ・・・な・・・。」
「?なんか元気ないね。どうかしたの?」
「いや、別に。」
ヤバい。
白川を追い返す方法が見当たらない。
どうすれば?
「あのさ、鏑木君・・・。」
「白川。」
「何?」
「僕はお前に言わなくちゃいけないことがある。」
「何かな?」
「僕は、お前を友達だなんて思ったことが一度もない。」
「・・・え?」
白川は訳がわからないといった風な表情だ。
僕は続けて言った
「だいたい、僕の携帯を勝手にいじりやがって・・・正直迷惑だ。」
「・・・。」
白川の表情がみるみる変化する。
もう見ていられなかった。
許せ、白川。
「そんなに仲良くないのに馴れ馴れしく話しかけやがって、こっちは迷惑してたんだ。」
「迷惑・・・だった?」
「っ!」
もう嫌だ。
本当は嘘でしたと言ってやりたい。
でも、もうあと戻りはできない。
僕は携帯を取り出した。
「こんなものなんか・・・要らない。」
手が震えていた。
僕は、白川のアドレスを白川本人の目の前で消した。
「ご、ごめんなさい。鏑木君がそんなに迷惑なんて思ってるとは思わなかった。本当にごめんなさい。」
「ああ、迷惑だ。もう顔も見たくない。」
「っ!」
白川は我慢できなかったのか、走り出した。
このまま家に帰ってくれればいいのだが。
僕は最低だ。
心に思ってないことを良く並べたもんだ。
泣かれなかったのだけは幸いだ。
・・・お前を巻き込まないためだ。
こんな僕を許してくれ。
僕は白川の名前が消えた、携帯をしまった。

学校に着いた。
どうやらまだ相手は来ていないようだった。
僕は辺りを見渡す。
どこに何があるのか、確認のためだ。
あとは、相手が来るまで、イメージトレーニングをしてよう。
数分後、どこからともなく声が聞こえてきた。
というより心に話しかけているような感じだ。
「待たせたな。ガーネット・シザース・カーネージの眷属よ。」
「・・・クリーパーか?」
「如何にも。戦いを始める前にお前に、一つ質問があるのだが、良いか?」
「何だ?」
「・・・我々の仲間に入らぬか?」
「は?何でだよ?」
「いや、何。ガーネット・シザース・カーネージの眷属とあらば、それなりの待遇が待っている。言うなれば我々の仲間でNo.1になれる。」
「そんなことないだろう?だって僕は実戦経験ないし、絶対に無理だろ?」
「いや、お前がNo.1だ。」
クリーパーが言い切った。
僕には訳がわからなかったが、もちろん答えはノーだ。
「残念ながら、答えはノーだ。僕は人間に戻りたいんだ。」
「・・・どうしても、ダメか?」
「ああ。」
「そうか、ならば仕方ない。全力で潰すとしよう。」
言い終わると、クリーパーはどこからともなく現れた。
どうやら霧になっていたらしい。
そういえば、吸血鬼っていろんなものに変身できるんだったな。
どうやらクリーパーはそれで姿を消していたらしい。
「では、ルールの確認だ。負ける前に降参しろ。あの男にも言われているだろうが、この戦いは殺しちゃいかんのだ。中々無茶を言うが、まぁしょうがない。お前も私を殺せば、ガーネット・シザース・カーネージの右腕がどこにあるかわからなくなるのだからな。」
そんなルールがあるなんて初めてきいたぞ。
あのおっさん、わすれてたな。
「では、行くぞ!」
クリーパーが突っ込んできた。
あの巨体の割に・・・速い!
僕は避けることもできずに、まともにくらってしまった。
「ぐっ・・・!」
そのまま体育倉庫まで吹き飛ばされた。
おいおい、ここから体育倉庫まで2、30メートルあるぞ。
しかもさっきのせいで腕が折れた。
驚異的な再生能力で治ったが、傷みは感じる。
でも、そんなこと言ってられない。
「かわすこともできぬか。ならばもう一度受けるがいい!」
クソ!何かないのか?
っ!ここは体育館倉庫!
確かあれがあるはず!
・・・あった!
迫りくるクリーパーに思いきり投げつけた。
「っ!」
クリーパーに野球のボールがヒットした、しかも固いやつだ。
「ぐぅ・・・姑息な。」
クリーパーの動きが止まった。
それもそのはず、吸血鬼化した僕の力は人の域を超えているのだ。
恐らく、さっきの球のスピードはメジャーリーガーも尻尾を巻いて逃げ出す速さだっただろう。
「・・・いける!」
ボールを投げまくる。
しかし最初の一球はまぐれだったのか、ボールは見当違いのところへ行く。
そしてクリーパーが再度突っ込んできた。
「来るとわかっていれば、耐えることは容易いわ!」
恐らく、力が人間の域を超えているため野球のボールじゃ軽いんだ。
もっと重いやつはないのか?
近くにあった砲丸を見つけた。
これならいけるか?
「っ!・・・ぐがぁ!!」
ヒットした。
さすがのクリーパーでも膝をついていた。
「貴様・・・やるではないか。」
しかし砲丸でもいささか軽いな。
砲丸より重いやつはないのか?
ヤツが倒れているうちに考えろ!
考えろ、考えろ、考えろ、考えろ!
っ!!!!
あるじゃないか。
しかしそれがあるところまでどうやって行くかだな。
恐らくジャンプすれば行けない距離ではないが、どうする?
しょうがない。一か八か!
「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
僕はクリーパー目掛けて走った。
クリーパーを踏み台にしてジャンプする!
全力で走った!
「猪の如く突っ込んでくるのは、きらいじゃないぞ!私も本気を出そう!」
そう言ってクリーパーは手をしならせた。
何だ?ヤツの手がしなって・・・?
あれは・・・刃物!?
そして僕は間一髪でヤツの攻撃を避けた。
そうか!ガーネットの右腕をあれで斬ったんだな!
「何を企んでいるかは知らんが。さっさと終わらせるぞ!」
クリーパーが斬りかかる!
今度は避けきれず、左手を持ってかれたが、直ぐに再生した。
落とされた左手は砂になって消えた。
くそっ!僕が欲しいものは未だにクリーパーの後ろだ。
どうすれば?
しょうがない、これに賭けてみるか。
僕はクリーパーに背を向けて走った。
「逃げる気か?」
クリーパーは追ってきた。
しかもこの先は行き止まりだ。
逃げ場はない。
「その先は行き止まりだぁ!貴様に勝ち目はない!降参しろ!」
「それは、どうかな!?」
行き止まり。
つまり、前には壁があるということだ。
その壁を僕は蹴った。
そして一気に自分の目的地へ着いた。
そう、テニスコートだ。
僕はこのローラーに用があったのだ。
そして僕は砂を蹴った。
砂が舞い上がる。
煙幕代わりだ。
そして僕は隠し持っていた砲丸を投げつけた。
「ぐがぁ!!」
ヒットした。
僕はローラーを持ったまま走り幅跳びの要領で跳び、ローラーをクリーパーに叩きつけようとしたその時
「ま、待て。降参だ。降参する。そんなのに叩きつけられたら、死んでしまう。」
クリーパーはあっさりと負けを認めた。
そして僕は、勝ってしまった。
「やった・・・やったんだ!」
思わず叫んでしまった。
「まさか、あんな子供騙しにやられるとは、私も落ちたものだ。約束通り右腕は返すぞ。」
こうして、第一戦目が幕を閉じた。
が、
「鏑木君・・・」
「白・・・川・・・」
見ていたのか?
いつから?
「今の・・・何?」
「・・・。」
終わった。
全部見られてた。
「あのローラーを片手で持ち上げてたよね?説明してくれるかな?」
「・・・。」
あまりの衝撃で何も言えない。
「あと、さっきの言葉。あれ全部嘘でしょ?私にはわかるんだから。だから私に説明して。」
「だ、ダメだ!白川!話すと白川まで巻き込んでしまう!それだけは、ダメなんだ!」
「もう、見ちゃったもん。鏑木君が戦ってるところも、異常な力を持っていることも。」
そうだ。
もう知られてしまった。
見つかってしまったのだ。
僕は何故か涙が出た。
そして、
「白川・・・ゴメン、ゴメンな・・・。」
「うん。やっぱり鏑木君は優しいね。」
白川に抱き締めれながら僕は泣いた。
「白川、僕と友達になってください。」
この日から、正式に白川と友達になった。





第5章~決戦の火蓋~ 完





P.S.
いやぁ長かった。
頑張って書くよー。これからも。
クリーパーさん、あっさりだったね。
やっぱり白川はいい人だね。
ではでは~。
はい。
続きを書くよー。





第5章~決戦の火蓋~





僕は眼を覚ました。
すっかり昼夜逆転の生活になっていた。
しかも寝心地は、はっきり言って最悪だ。
低反発ならぬ超反発だ。
でも吸血鬼化しているからか、身体は痛くなってない。
都合のいい身体だぜ。まったく。
一方ガーネットはというと
「・・・すー・・・すー・・・」
まだ眠っていた。
それにしてもなんて無防備な・・・。
ゴクッ・・・。
おっといけない。
生唾を呑んでしまった。
因みにガーネットは大人バージョンの時はドレスを着ていたが、今は可愛らしい白いワンピースを着ている。
うん。
めっちゃ可愛いです。
おや?
裾が捲れ上がってるじゃないか。
これじゃあパンツが見えてしまうじゃないか。
いくらガーネットが吸血鬼でも女の子なのでこれじゃあ可哀想だ。
僕は超がつくほどの紳士なので
そっとその裾を
・・・捲ってあげた。
「こ、これは!?」
ガーネットが穿いていたのは・・・。


うん、あとはご想像にお任せします。
それはともかく、今何時だ?
携帯はもうバッテリーが切れたので使い物にならないし、
そうだ、腕時計してたの忘れてた。
ええっと今何時だ?
「・・・夕方の5時か。」
まだ夕方か。
まだ日が沈んでないから、外を歩けないな。
しょうがない。
うん、実にしょうがない。
外を歩けないんじゃやることは一つ。
本当はやりたくはないんだけど、しょうがないよね?
だってやることないんだもん。

そうして僕は近くに置いてあった椅子をガーネットの近くに置き、座る。
そしてひたすらガーネットの捲れ上がった裾の中身を見続けた。
「・・・グッドパンツ。」
僕は心の中で勝利を確信した。

しばらくして霧野が帰ってきた。
「おっ、鏑木君。もう起きたのかい?キミは早起きだなぁ。」
と霧野は笑った。
「なんか目が覚めたから。」
「そうかい、そうかい。ミスド食べるかい?」
霧野はミスドの袋を差し出した。
「いや、なんかあまり腹減ってない。」
「じゃあ、カーネージにでもあげるよ。」
そう言って霧野は近くにあった机に袋を置いた。
「霧野。交渉は上手くいったのか?」
「あぁ、上手くいったよ。でもね、鏑木君。あちらさんは、早い展開がお望みのようだ。」
「それはどういう?」
「今日の午前0時に勝負開始だ。」
「ち、ちょっと待て。いくらなんでも・・・。」
「いやいや、鏑木君。もう決まっちゃったことだし、もう後戻りなんてできないんだ。わかってくれ。」
「・・・わかりました。」
「うん。わかってくれるとありがたいよ。さて、試合形式は一対一のタイマンだ。何でもアリのガチンコ対決。但し殺しちゃダメだ。今日の対戦相手は、クリーパーだ。」
「・・・クリーパー」
あの巨大な男か。
あの男はあの時何も持っていなかったが、攻撃方法は素手なのか?
いや、そんなハズはない。
ヤツはガーネットの右腕を持っている。
しかもその断面はキレイなもので、刃物か何かでなければあんなキレイな断面はできないハズだ。
「あと、場所は・・・キミの通ってる学校のグラウンドだ。」
グラウンド?
「お、おい。グラウンドのどこが僕に地の利があるんだよ?」
「そりゃ、いっぱいあるだろう?相手はそこに行くのは初めてなんだ。それにくらべてキミは、グラウンドに何があるかは少なくとも把握してるハズさ。それを利用するんだ。」
「まぁ、確かに・・・。」
それならいくつか思い当たるところがある。
それはそれで有効打にはなると思うが、決定打になるかと聞かれれば、それはノーである。
「まぁ、健闘を祈るよ。」
霧野はそれだけを言って、机を並べ始めた。
どうやらベッド代わりにするのだろう。
僕も早く起きすぎたのかいささか眠い。
ちょっと寝るか。

僕は何かの衝撃で起きた。
ん、何だ?
背骨が・・・痛い!?
痛い痛い痛い痛い痛い!?
「海老反り固めぇ!!!!」
「ぐぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
・・・目覚めは、すこぶる最悪だった。
「おう、やっと起きたの?暇じゃったんで思わずかけたくなったんじゃ。」
それを満面の笑みでほざきやがった。
今日は決闘だぞ?
今日負けたらお前のせいだからな。
「そんなに儂を見るな。照れるぞ。」
「そこでボケは求めてない!」
まったく、やっぱりのんきだな。
「今日の相手はクリーパーだ、そうだな?」
「あぁ。なんか情報があるのか?」
「まぁ無きにしもあらずじゃな。」
「何でもいい。教えてくれ。」
「しょうがないヤツじゃのう。まぁいいわい。クリーパー。ヤツもまた吸血鬼じゃ。」
「クリーパーが、吸血鬼?」
「そうじゃ。だからヤツの弱点何ぞ貴様と同じじゃ。」
「ま、待て。吸血鬼だったら何で、吸血鬼ハンターなんかしてんだよ?」
「なぁに。吸血鬼同士の殺し合いなんてしょっちゅうじゃ。同族殺しなんて珍しくもなんともない。」
「そ、そうなのか?」
それにしても、ヤツの弱点か。
何だ?
銀の玉。
十字架。
ニンニク。
日光。
どれも吸血鬼の弱点だが同時に、
僕の弱点でもある。
どうすれば?
「吸血鬼の殺し方なんぞいくらでもあるが、手っ取り早い方法は・・・。」
「方法は・・・?」
「ヤツの血を・・・吸うことじゃ。」
それだけ聞いて、僕は外に出た。
そして、学校の方に足を向けた。




続く


P.S.
昨日は眠気に負けた。
明日から本気だす。