はぁい。
書くよー。





第5章~決闘の火蓋~






夜。
辺りは真っ暗だ。
僕には周りが良く見える。
道に転がってる、石ころだって、
道端にある草だって、
はっきりと見える。
僕はゆったりと歩いていた。
着々と目的地、僕の通っている学校へ。
考え事をしていた。
・・・クリーパー。
吸血鬼ハンターであり、吸血鬼でもある。
僕と同じ弱点で、血を吸えば死ぬ。
僕は勝てるのだろうか?
実戦経験からいえば、圧倒的にクリーパーの方が上だろう。
そこからどう勝てば・・・?
「・・・鏑木君?」
ん?
「ああ、やっぱり鏑木君だ。まった会ったね。」
「白川・・・」
ヤバい。
白川と遭遇してしまった。
非常にマズイ。
最悪の場合白川を巻き込んでしまうだろう。
それは絶対に阻止しなければならない。
どうする?
「最近会うね。鏑木君も散歩かな?」
「まぁ・・・な・・・。」
「?なんか元気ないね。どうかしたの?」
「いや、別に。」
ヤバい。
白川を追い返す方法が見当たらない。
どうすれば?
「あのさ、鏑木君・・・。」
「白川。」
「何?」
「僕はお前に言わなくちゃいけないことがある。」
「何かな?」
「僕は、お前を友達だなんて思ったことが一度もない。」
「・・・え?」
白川は訳がわからないといった風な表情だ。
僕は続けて言った
「だいたい、僕の携帯を勝手にいじりやがって・・・正直迷惑だ。」
「・・・。」
白川の表情がみるみる変化する。
もう見ていられなかった。
許せ、白川。
「そんなに仲良くないのに馴れ馴れしく話しかけやがって、こっちは迷惑してたんだ。」
「迷惑・・・だった?」
「っ!」
もう嫌だ。
本当は嘘でしたと言ってやりたい。
でも、もうあと戻りはできない。
僕は携帯を取り出した。
「こんなものなんか・・・要らない。」
手が震えていた。
僕は、白川のアドレスを白川本人の目の前で消した。
「ご、ごめんなさい。鏑木君がそんなに迷惑なんて思ってるとは思わなかった。本当にごめんなさい。」
「ああ、迷惑だ。もう顔も見たくない。」
「っ!」
白川は我慢できなかったのか、走り出した。
このまま家に帰ってくれればいいのだが。
僕は最低だ。
心に思ってないことを良く並べたもんだ。
泣かれなかったのだけは幸いだ。
・・・お前を巻き込まないためだ。
こんな僕を許してくれ。
僕は白川の名前が消えた、携帯をしまった。

学校に着いた。
どうやらまだ相手は来ていないようだった。
僕は辺りを見渡す。
どこに何があるのか、確認のためだ。
あとは、相手が来るまで、イメージトレーニングをしてよう。
数分後、どこからともなく声が聞こえてきた。
というより心に話しかけているような感じだ。
「待たせたな。ガーネット・シザース・カーネージの眷属よ。」
「・・・クリーパーか?」
「如何にも。戦いを始める前にお前に、一つ質問があるのだが、良いか?」
「何だ?」
「・・・我々の仲間に入らぬか?」
「は?何でだよ?」
「いや、何。ガーネット・シザース・カーネージの眷属とあらば、それなりの待遇が待っている。言うなれば我々の仲間でNo.1になれる。」
「そんなことないだろう?だって僕は実戦経験ないし、絶対に無理だろ?」
「いや、お前がNo.1だ。」
クリーパーが言い切った。
僕には訳がわからなかったが、もちろん答えはノーだ。
「残念ながら、答えはノーだ。僕は人間に戻りたいんだ。」
「・・・どうしても、ダメか?」
「ああ。」
「そうか、ならば仕方ない。全力で潰すとしよう。」
言い終わると、クリーパーはどこからともなく現れた。
どうやら霧になっていたらしい。
そういえば、吸血鬼っていろんなものに変身できるんだったな。
どうやらクリーパーはそれで姿を消していたらしい。
「では、ルールの確認だ。負ける前に降参しろ。あの男にも言われているだろうが、この戦いは殺しちゃいかんのだ。中々無茶を言うが、まぁしょうがない。お前も私を殺せば、ガーネット・シザース・カーネージの右腕がどこにあるかわからなくなるのだからな。」
そんなルールがあるなんて初めてきいたぞ。
あのおっさん、わすれてたな。
「では、行くぞ!」
クリーパーが突っ込んできた。
あの巨体の割に・・・速い!
僕は避けることもできずに、まともにくらってしまった。
「ぐっ・・・!」
そのまま体育倉庫まで吹き飛ばされた。
おいおい、ここから体育倉庫まで2、30メートルあるぞ。
しかもさっきのせいで腕が折れた。
驚異的な再生能力で治ったが、傷みは感じる。
でも、そんなこと言ってられない。
「かわすこともできぬか。ならばもう一度受けるがいい!」
クソ!何かないのか?
っ!ここは体育館倉庫!
確かあれがあるはず!
・・・あった!
迫りくるクリーパーに思いきり投げつけた。
「っ!」
クリーパーに野球のボールがヒットした、しかも固いやつだ。
「ぐぅ・・・姑息な。」
クリーパーの動きが止まった。
それもそのはず、吸血鬼化した僕の力は人の域を超えているのだ。
恐らく、さっきの球のスピードはメジャーリーガーも尻尾を巻いて逃げ出す速さだっただろう。
「・・・いける!」
ボールを投げまくる。
しかし最初の一球はまぐれだったのか、ボールは見当違いのところへ行く。
そしてクリーパーが再度突っ込んできた。
「来るとわかっていれば、耐えることは容易いわ!」
恐らく、力が人間の域を超えているため野球のボールじゃ軽いんだ。
もっと重いやつはないのか?
近くにあった砲丸を見つけた。
これならいけるか?
「っ!・・・ぐがぁ!!」
ヒットした。
さすがのクリーパーでも膝をついていた。
「貴様・・・やるではないか。」
しかし砲丸でもいささか軽いな。
砲丸より重いやつはないのか?
ヤツが倒れているうちに考えろ!
考えろ、考えろ、考えろ、考えろ!
っ!!!!
あるじゃないか。
しかしそれがあるところまでどうやって行くかだな。
恐らくジャンプすれば行けない距離ではないが、どうする?
しょうがない。一か八か!
「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
僕はクリーパー目掛けて走った。
クリーパーを踏み台にしてジャンプする!
全力で走った!
「猪の如く突っ込んでくるのは、きらいじゃないぞ!私も本気を出そう!」
そう言ってクリーパーは手をしならせた。
何だ?ヤツの手がしなって・・・?
あれは・・・刃物!?
そして僕は間一髪でヤツの攻撃を避けた。
そうか!ガーネットの右腕をあれで斬ったんだな!
「何を企んでいるかは知らんが。さっさと終わらせるぞ!」
クリーパーが斬りかかる!
今度は避けきれず、左手を持ってかれたが、直ぐに再生した。
落とされた左手は砂になって消えた。
くそっ!僕が欲しいものは未だにクリーパーの後ろだ。
どうすれば?
しょうがない、これに賭けてみるか。
僕はクリーパーに背を向けて走った。
「逃げる気か?」
クリーパーは追ってきた。
しかもこの先は行き止まりだ。
逃げ場はない。
「その先は行き止まりだぁ!貴様に勝ち目はない!降参しろ!」
「それは、どうかな!?」
行き止まり。
つまり、前には壁があるということだ。
その壁を僕は蹴った。
そして一気に自分の目的地へ着いた。
そう、テニスコートだ。
僕はこのローラーに用があったのだ。
そして僕は砂を蹴った。
砂が舞い上がる。
煙幕代わりだ。
そして僕は隠し持っていた砲丸を投げつけた。
「ぐがぁ!!」
ヒットした。
僕はローラーを持ったまま走り幅跳びの要領で跳び、ローラーをクリーパーに叩きつけようとしたその時
「ま、待て。降参だ。降参する。そんなのに叩きつけられたら、死んでしまう。」
クリーパーはあっさりと負けを認めた。
そして僕は、勝ってしまった。
「やった・・・やったんだ!」
思わず叫んでしまった。
「まさか、あんな子供騙しにやられるとは、私も落ちたものだ。約束通り右腕は返すぞ。」
こうして、第一戦目が幕を閉じた。
が、
「鏑木君・・・」
「白・・・川・・・」
見ていたのか?
いつから?
「今の・・・何?」
「・・・。」
終わった。
全部見られてた。
「あのローラーを片手で持ち上げてたよね?説明してくれるかな?」
「・・・。」
あまりの衝撃で何も言えない。
「あと、さっきの言葉。あれ全部嘘でしょ?私にはわかるんだから。だから私に説明して。」
「だ、ダメだ!白川!話すと白川まで巻き込んでしまう!それだけは、ダメなんだ!」
「もう、見ちゃったもん。鏑木君が戦ってるところも、異常な力を持っていることも。」
そうだ。
もう知られてしまった。
見つかってしまったのだ。
僕は何故か涙が出た。
そして、
「白川・・・ゴメン、ゴメンな・・・。」
「うん。やっぱり鏑木君は優しいね。」
白川に抱き締めれながら僕は泣いた。
「白川、僕と友達になってください。」
この日から、正式に白川と友達になった。





第5章~決戦の火蓋~ 完





P.S.
いやぁ長かった。
頑張って書くよー。これからも。
クリーパーさん、あっさりだったね。
やっぱり白川はいい人だね。
ではでは~。