バリの朝、変化の始まり。 | バリと大富豪とワタシたち〜豊かなオンナ道〜

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このブログでは、バリの大富豪アニキから教わった宝物のようなアドバイスを、たくさんの女性の皆さんにシェアします。
特に、女性にしか感じられないであろう、悩みや課題だけを集めてみました。執筆期間1年、と決めてある、期間限定のブログです。

バッテリーが切れかけのスマホが

残り少ない力を振り絞って

アラームを鳴らす。

 

時差1時間。

 

WiFiも繋いでないので

日本時間から1時間マイナスすると

バリは朝6時だ。

 

気がつけば

もぐりこんだはずのベッドカバーは

私の立派な足で蹴り散らかされていた。

 

寝るときは日本の冬の習慣が出てしまったけど

起きるときは夏の習慣が季節外れに顔を出した。

 

といっても

バリでは季節外れでもなんでもないけど。

 

四季の習慣リズムを少し狂わせたものの

スマホとは反対に

 

たっぷりチャージされた自分の心身を感じる。

 

久しぶりの感覚。

 

身体を起こして寒さに遠慮の必要がないバージョンの

ノビをする。

 

そしてツブやく。

 

あっつ。

12月かよ、これ。

 

これまた習慣で

今日の予定に頭を巡らす。

 

えーっと、

ロビーで朝食後グッチさんと待ち合わせて

まっすぐ向かうところは

「ヌガラ」だったっけな。

 

・・・・・そうだ。

今日、アニキに会うんだ・・・・・

 

 

冬がやってきたかのように

身体がキュッと縮む。

 

寒さではなく、緊張で。

 

 

あかん、あかん。

平常心、平常心。

 

そうはいっても

小さな緊張の糸は張られたまま

収まりそうもないので

 

ヴィラタイプのお部屋の外に、

ちょっと早いけど出てみることにした。

 

そしたらなんと、

バリ島の朝6時は、もう早くはなかった。

 

あちこちにヴィラスタッフがいて

散歩中の私に

 

「スラマッ(ト) パギー!」と

あのクオリティの笑顔で声をかけてくる。

 

ふむふむ、さすがに4〜5回聞いたら

スラマッパギーは「おはよう」って意味なんだな、

 

と理解した。

 

 

ラバックホテルの庭を見回しながら歩く。

 

昨夜は暗くて見えなかったが

こんなにシンプルで美しくて豊かだなんて。

 

ウブドの山の自然はホテルの一部であるかのような、

そんな景色を目にしながら

 

朝の新しい空気をいただく。

 

ああ、シアワセ。

 

ふっ、と口から漏れた。

 

え?私、今、「シアワセ」って言った?

 

そんなこと、

この前いつ言ったか記憶にないくらい

遠い言葉だよ?

 

何かの間違いじゃない?

 

と思ってみたけど。

 

咲き誇っているフランジパニや

ブーゲンビリア、プルメリア、チュンパカ、

山の遠くから聞こえる鳥や動物の声、

芝生に横たわる白い石だたみ、

ヴィラスタッフの笑顔、

まっすぐな水面をたたえたプール、

川のせせらぎの音、

ラタンのプールサイドチェアに

赤いパラソル、

 

レストランで出された朝食のフルーツは

マンゴーにパイナップル、パパイヤにスイカ、

ドラゴンフルーツ、

スパイスの効いたナシゴレンの香りと

沈殿させてのむコーヒー・バリコピの香り、

流れてくるBGMはガムランで演奏されたクリスマスナンバー、

暑い中を時折そうっと通り過ぎていく

涼しい風。

 

そして惜しみなく注がれる

太陽の光。

 

ヨガで「太陽礼拝」って聞いたことあるな。

礼拝するにふさわしい太陽。

 

五感が「シアワセ」だと言っていた。

 

それが脳を伝って

言葉になった。

 

言葉は考えて発するものじゃなく、

五感が勝手に発生させることもあるのだと

 

改めて気づき直した。

 

人は幸せだと泣きたくなるということも

久しぶりに確認した。

 

幸せな結婚をしたつもりだったけど

妻になって

主婦になって

子どもを産んで

母になって

自分の時間はなくなって

(なくなっていたことにも気づいてなかった)

自分のリップより服より

子どもの幼稚園やベビーグッズに

お財布は忙しくて。

 

下着も何年選手だろう。

ブラは寄せて上げる気力も失っている。

 

そんな毎日の中で起こった

事件を消化できずに

 

「不幸な自分」をわざわざ泣いて過ごすことで

なんとか感情を引き止めていたのかもしれない。

 

でも、「シアワセ」だ。

今、ここ。

 

わざわざ泣かなくても

勝手に涙が浮かんできた。

 

嬉しいのか安堵なのかわからない。

 

ただ、

一つ自分の中で変化が起きた。

 

 

「離婚」に向けて

最後のピースを拾いに来た

このバリ島の景色を

 

夫にも見せてあげたいと思ったのだ。

 

涙に好き勝手させて

出たいようにさせていたら

 

もう一回、スマホのアラームがなった。

 

はっ!

グッチさんとロビーで待ち合わせるまでに

身支度して

 

腫れた目を戻さなくては!!!

 

残りのバリコピを飲み干して

沈殿物をうっかり口に含みながら

 

急いでレストランから部屋に向かった。

 

 

 

 

 

更云サリ

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