家族で牛丼屋へ行った。


子供たちが一足先に中に入ったが


入口のドアを開けて、笑いながら戻ってきた。


どうしたのか聞くと、


「入口でお客様は2名様ですか?」と聞かれたらしい。


ムスコは、4名とすまして言ったが


ムスメは、弟を恋人と間違えられたのに照れたようだ。

妻によると、ムスメというものは

ある時期、父親の存在がむしょうに嫌になるときがあるという。

そのきっかけは彼女が中学3年生の時だった。

流しで水を一杯飲むために、近くにあったムスメのコップを使った。

親戚から海外旅行のお土産にもらった、ネーム入りのモノだ。

「お父さんコレわたしのだから使うのをやめて!」

不快感をあらわにした。


ここから、少し距離が離れた。


今は、ボクが飲んでいるコーヒーを勝手に飲んでいるのに、何でだろう?

ムスコはポーカーフェイス。


マイペースで、いつもクールに装おう。


ムスメは、そんな彼の心の中を覗き込もうとする。


ある日、ムスメはムスコの学生カバンを持ってきて


妻に「お母さんホラ」


カバンの裏側に貼りついた小さな写真を見せた。


そこには、笑顔が素敵な女優の長沢まさみがいた。