ガンの治療や予防に関する情報が氾濫し、眉唾ものも少なくないので、豊富な情報がありがたい反面、混乱も避けられない。そこで、これまで読み漁った、あるいは見聞きした情報を自分なりに整理して、今後の指針にしたいと思う。

 

個人的には、ガン治療の基本は標準治療だと信じている。鵜呑みに信じるのはよくないが、これまで医学の研究と現場で積み上げられてきた実績にもとづいた治療は、たとえ発展途上で、今後の変革が期待されるとしても、現時点で最良と考えられている治療は信じるに値する。だから、抗がん剤、放射線治療などを否定するつもりは毛頭なく、そのプラスアルファとして、各自が取り組めるガン予防(特に、再発や進行を防ぐ方法)を考えたい。

 

運動

 

運動ほど、確実に効果が判明している予防法はないらしい。様々な情報を総合すると、23回以上、一回30分以上、早足でウォーキングするのが最良らしい。

 

過度の運動は控え、適度に、継続的に体を動かすべきで、それに最適なのが歩くことだから、特にウォーキングが薦められている。ストレス解消も、ガン予防の重要な側面であるから、楽しみながら、体調に合わせて無理なくできるスポーツなら、ウォーキングに限らず、何でも良いと思う。

 

また、ウォーキングが薦められる理由には、血行促進やリンパの流れを良くする効果もあるはずで、そのためには、のんびり歩くよりも、腕をよく振って、しっかり歩いたほうがより効果的である。

 

特に、乳ガンなどで腋下リンパ節を除去した人は腕をよく振ることでリンパ浮腫の予防になり、ホルモン治療を受けている人は歩くことで骨粗しょう症の予防にもなる。

 

ガン予防には、免疫力の向上が鍵だとよく言われる。免疫を司る白血球(ガンに対しては特にリンパ球)は血液で全身に運ばれるので、そのためにも、手足を動かすことによる血行促進は、体調が許す範囲で毎日行ったほうが良い。

 

食事

 

野菜と果物を中心に食べ、肉を減らすことが、一般的に薦められている。その重要性は、ほぼ常識となっているので、ここでは深く言及しない。

 

その常識に加えて、以下の点を考慮したい。

 

腹八分目

 

食べ過ぎは胃腸に余計な負担が掛かることは言うまでもない。免疫力はまず胃腸で発揮されると言われるが、食べ物も外部から体内に持ち込まれる異物にほかならず、多少の毒性は避けられないことを考えれば、当然と言える。食べ過ぎで免疫システムに余計な負担を掛け、体内の免疫力を少しでも低下させることは避けたい。

 

発酵食品(ヨーグルト、納豆など)

 

上記のように、免疫力が胃腸から発揮されることを考慮すれば、整腸作用のある食事が免疫力の向上につながるという情報は信憑性が高い。

 

きのこ類

 

きのこ類も免疫力を上げる効果が高いという情報を頻繁に目にする。特にシイタケのガン予防効果は近年注目されているようである。

 

糖分カット(?

 

糖分がガン細胞を育てるという情報を頻繁に目にする。ガン細胞に限らず、すべての細胞の成長に糖分は必要なはずで、ガンもその例外ではないのだろうが、ガン細胞が特に糖分を好むかどうかは判らない。ただし、ガン細胞は他の正常な細胞よりも分裂(成長)が速いことを考慮すれば、糖分の取り過ぎがガン予防に良くないことは理に適っている。

 

糖分を大量に含む清涼飲料などを控えることは言うまでもないが、体内で糖分に変わる炭水化物をどれだけ控えるかは意見が分かれる。ご飯やパンを断つ必要はないが、野菜・果物中心の食事が薦められることと関連し、ご飯やパンを控えめにし、その分おかずやサラダ、果物を多めに採る食事がより良い。ご飯を玄米に変えれば、なお良い。

 

バドウィッグ療法

 

コテージチーズと亜麻仁(フラックスシード)オイルをよく混ぜて食べる療法が、ガン治療に効果があると欧米では広く信じられている。それによってガンが治ったという情報は鵜呑みにはできないが、オメガ3の吸収を高めて細胞のガン化を防ぐ理論は荒唐無稽ではない。具体的には、加工脂肪によって傷ついた細胞膜を、オメガ3が豊富な良質の油で修復する(細胞膜の電荷をマイナスに戻す)らしい。したがって、コテージチーズと亜麻仁オイルを採ると同時に、サラダ油、動物性脂肪などを控えることも推奨される。

 

バドウィッグ療法でガンが実際に消えるか否かにかかわらず、肉を控える代わりのタンパク源ともなるコテージチーズと、オメガ3が豊富な亜麻仁オイルが健康に良いことは確かなので、バドウィッグ療法を食事に取り入れても損はない。

 

血管新生(アンジオジェネシス)抑制/抗酸化作用

 

新しく生まれた細胞には、毛細血管が徐々に伸びて結合しないと栄養が補給されない。栄養補給が途絶えれば、新生細胞はやがて死滅する。という血管新生の抑制によるガン成長阻止は理に適っている。それを自分の体の中でどう実現させるかのメカニズムは不確かだが、血管新生を抑制すると言われる食品リストは、抗酸化作用があると言われる食品リストとほぼ重複しており、普段から積極的に採るに越したことはない。活性酸素で細胞を傷つけてガン化させないことと、新しくできたガンを死滅させることの両方、あるいはどちらか一方に、多少なりとも効果があるのなら、ガン予防食として信じるに値する。

 

抗酸化作用がある食品として各種情報に頻出のもの

 

トマト、バナナ、ニンジン、カボチャ、ニンニク、生姜、ブロッコリー、ブルーベリー、イチゴ、リンゴ、ミカン、大豆、緑茶、ナッツ類

 

血管新生抑制効果がある食品として各種情報に頻出のもの

 

ブルーベリー、イチゴ、ブロッコリー、レモン、リンゴ、赤葡萄、赤ワイン、大豆、舞茸、ターメリック、トマト、カボチャ、ニンニク

 

各種情報を見れば見るほど、上記以外にも食品リストが増え、同じ食品でも、ある資料では抗酸化作用があるとされ、他の資料では血管新生抑制効果があるとされるので、上記のような食品は概ね健康に良く、ガン予防効果があるのだろう。つまり、緑黄色野菜全般、ベリー類全般、アブラナ科の野菜など、上記以外の野菜・果物も含め、いろいろなものをバランスよく食べるのが良い。

 

大豆

 

大豆は上記の通り、抗酸化作用もあり、血管新生抑制効果もある食品として各種メディアに頻出であり、その信憑性も高い。また、肉を控えるべき食生活においては、重要なタンパク源であり、大豆を食べない手はない。

 

ただし、ホルモン受容体陽性の乳ガンに限っては、イソフラボンのエストロゲンに似た作用が気懸かりで、ガン予防食と考えてよいのか意見が分かれる。その理由で豆腐を控えている人も多いと聞く。実際には、イソフラボンが体の中のエストロゲンに取って代わるのなら、逆にエストロゲンによるガン成長を抑える効果も考えられ、むしろ、豆腐をどんどん食べたほうがよい可能性もあるらしい。あくまで可能性であり、大豆が乳ガンの予後に良いのか悪いのか判明していない。大豆を食べている人のほうが予後が良いというデータははっきりと出ているのだが、それが大豆のおかげなのか、あるいは大豆を食べている人のほうが、肉よりも野菜を中心に食べている傾向が強いためなのか、データを絞ることができず、大豆の効果が明確になっていないらしい。いずれにせよ、大豆が予後に良いというデータはあるが、悪いというデータはない。よって、大豆食品を特に控える必要はないが、イソフラボンサプリメントは控えるべきと考える医師が多いという。

 

レモン

 

レモンに抗ガン剤と同じ、あるいはそれ以上の効果があるという情報を度々目にする。抗ガン剤の働きをするかどうかは疑問であるが、上記の抗酸化作用にも、血管新生抑制効果の食品リストにも頻出であり、加えて、ビタミンCが免疫力を向上させることを考えれば、レモンがガン予防に良いと謳われるのは当然だろう。ビタミンCが豊富な他の果物に比べ、レモンのガン予防効果が抜きん出ているという確証はないが、予防効果の優れた食品であることに違いはない。

 

緑茶

 

緑茶も、抗酸化と抗血管新生の両方で頻繁に推奨される。抗血管新生に関しては、緑茶同様に紅茶(特にアールグレー)にも効果があり、混ぜれば効果が高まるという研究もある。実際に混ぜて飲むのは抵抗があるが、日によって変えるなど、多種のお茶を飲むのも良いかもしれない。

 

また、乳ガンのホルモン治療においては、コーヒーをよく飲む人は飲まない人よりも効果が高いという研究があり、それによると、コーヒーのカフェインがホルモン治療薬(タモキシフェン)の効果を高めたという。カフェインが高めたのなら、緑茶や紅茶にも、コーヒーほどではないにせよ、多少なりとも同様の効果が期待できるはずである。

 

新鮮なうちに食べる・よく噛んで食べる・いろいろ食べる

 

上記も含め、体に良い食べものリストといった情報はインターネットなどに氾濫しており、どれが良いのか判らない。基本的には、どれも嘘ではないと思う。重要なのは、偏らずに、多品目を新鮮なうちに、よく噛んで食べることである。

 

ストレス解消

 

ストレスが免疫力を鈍らせるという話をよく聞くが、科学的に証明されているわけではないらしい。戦場など、極度のストレスを体験した人がガンになりやすいとか、免疫不全の人がガンになりやすいというデータもないらしく、それをもって、ストレスとガンの関係を否定する意見も多い。しかし、ストレスが原因で帯状疱疹が出たりするなど、ストレスが免疫力を下げ、体調に悪影響を与えることは疑いようがない。

 

外部からの侵入物(ウイルスなど)に対処する免疫と、内部の新生物(ガン)に対処する免疫は異なるが、その関係でストレスとガンの因果関係が不明なのかもしれない。仮に、ガンに対する免疫力がストレスの影響を受けないとしても、ウイルスなどで他の病気に罹ってしまえば、体力低下は避けられず、結局、全体的な免疫力が低下する。ガンに対する免疫が何の影響も受けないとは考えにくい。ストレスはないに越したことはない。

 

笑うとガンが消える、という情報を度々目にするが、結局、上記のような体調全般と免疫力の相関関係のことを指しているのであって、極論ではあるが、嘘ではないと思う。なるべく楽しく過ごすこと、笑うことは、ガン予防に何らかの効果があるに違いない。

 

保温

 

体温が上がれば、免疫力が上がるのは、風邪を引いたときに熱が出ることからも、機知の事実である。体温を上げるとガン予防になるかどうかは、上記ストレスに関しても言及したように、その免疫力とガンとの因果関係が不明である。ただし、上記同様、仮に、外部からの侵入物に対する免疫力しか向上しなくても、その結果、健康が保たれるのであれば、ガン予防効果がないとは言えない。したがって、体を冷やさないこと、暖かくして寝ることは、ガン予防に重要と言える。

 

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以上、ガンの再発・進行を防ぐ方法を、なるべく重要な点に的を絞ってまとめてみた。他にも実践すべきことは多々あり、調べ出したらきりがないが、適度な運動と栄養のバランスが二本柱であり、それを徹底した上で、他の情報を取捨選択するのが良い。