今日は、東洋経済オンラインに載った後藤経済学部長が発表した大学改革のニュースを取り上げたいと思います。老舗の中央大学経済学部が、2027年春に向けて大きな「シンカ(深化・進化・真価)」を遂げようとしているんです。
140年の歴史ある経済学部が、なぜ今「再編」なのか?
1905年に経済学科として産声を上げた中央大学経済学部。100年以上の歴史を持つこの学部が、現行の4学科から2学科へと大胆に再編する計画を発表しました。
正直、最初聞いたとき「えっ、縮小?」と思いましたよね。でも実態は真逆です。
問題意識はシンプルで、「歴史があるだけに、今のニーズに合わない学問分野や学び方が混在してきた」という率直な自己認識にあります。時代が変わっても変えられない組織は多い中、これを公言してメスを入れる姿勢は正直、かなり潔いと思います。
新しい2学科、何が違うのか?再編後の2学科の方向性は対照的で、それが面白い。経済学科と社会経済学科の二本立て
経済学科は、ミクロ・マクロ経済学をベースに理論とデータで物事の本質を見抜く「分析力」を磨く。いわば"経済学の王道"を深掘りするコースです。
一方、社会経済学科は、経済学・統計学・経営学・会計学を横断しながら、貧困・ジェンダー・地域格差といった「多様な立場が絡み合う問題」への実践力を養う。こちらはより社会課題に直結した"現場感覚"重視のコースと言えます。
この2本柱、うまいなと思いました。「理論で考える人材」と「現場で動ける人材」、どちらも社会に必要なんですね。
私が特に刺さった「ナッジ理論×学食フードロス」の話
学部長が紹介していたエピソードが秀逸でした。
学生たちが学食のフードロス削減を行動経済学で解決しようとしたという話。メニューの配置を変えるだけで人の選択行動が変わる。これがナッジ理論の実践です。
難しい理論を外の世界に持ち出して、身近な問題に当てはめて検証する。これこそが「実地応用の素を養う」という140年前の建学精神を、令和の時代に体現している姿だと感じました。
社労士・行政書士の視点から見ると……
少し私事を挟むと、私自身、社会保険労務士、行政書士として日々、法律と制度の「現場」に向き合っています。制度の理論を知ることと、それを実際に人や組織に適用することの間には、大きなギャップがある。
今回の再編で目指す「分析力と実践力を持った人材」像は、そのギャップを埋められる人材育成だと思います。将来、労働・社会保障分野の政策立案を担うような人材が、こういう学びから育ってくれたら、と素直に期待してしまいます。
「自分が何を学んだか」を語れる卒業生を
後藤学部長の言葉の中で、もう一つ響いたのがこれです。
社会に出る際、「自分が何を学び、何を身に付けたのか」を明確に提示できるようになってほしい。
これ、すごく本質的だと思います。「経済学部を出ました」ではなく、「私はこういう問いに向き合い、こういう力を身に付けた」と言える学生を育てる、という宣言ですよね。
就職市場でも、資格試験でも、独立開業でも、結局は「あなたは何ができるのか」を問われる時代です。カリキュラムを体系化することで、学生自身が自分の学びを「言語化」できるようにする——この設計思想は、他の大学・学部にも広がってほしいくらいです。
文系学生が就職難になるかもしれない」という書き出しの経済記事(日経新聞 4月26日)が読まれています。その根拠になっているのが今年3月に経産省が発表した「2040年の就業構造推計(改訂版)」というレポートです。
2027年の船出まで、あと少し。中央大学経済学部の「シンカ」が、どんな人材を社会に送り出していくのか。引き続き注目していきたいと思います。
下記が東洋経済オンライン記事です。
体系的に専門性を極める学び、中央大学経済学部の「シンカ<sup>※</sup>」とは より良い社会のために「行動する知性」を育む | 中央大学 | 東洋経済オンライン