久しぶりの、遠出。
とは言っても、北方向へと進む新幹線は、90分もすれば、東北で何本指かには入るであろうターミナル駅のある街へと到着する。
車窓からの景色は退屈を極め、さして、言葉を当てはめる意味をもなさない。
いや、待て。
これらの町は、3・11と呼ばれる悲惨な現実を未だ背負い、原子力と呼ばれる、正しきものか悪しき憎みべきものか判断に苦しむ人類の発見と混迷極まりない発明の産物の恥部を目の当たりにした、いや、させられた辺り。
地球の怒りをかい、宇宙の法則をも裏切ったのでは、と思える地の振動と堤防を遙かに上回る穏やかそうに見えるが恐ろしきパワーをもった波が押し寄せた町。
そう、あの日から半年が過ぎた頃だっただろうか、炊き出しを行う方々とご一緒させていただき、仮設住宅の集会場や空き地で、演奏をした。意味を持ちすぎる言葉を伴う歌よりも、心地よさ、あるいは癒やし、または、辛さをより助長させてしまったかは判断もつかない優しさを身につけたサウンドを奏でるオカリナやケーナ、それらを演奏するミュージシャンに同行。無力感にさいなまれながらも、ギターをつま弾いた。
復興? 蘇り? 新たなるスタート?
突きつけられた現実からみたら、どれも陳腐に映る字面は、許していただくとし、
『どうなんだろう?』
日々の生き様、苦しみや自分勝手な精神的肉体的欲求と弾劾されるべき誘惑を語る歌など、今は、歌う気にもなれないが、それらを伝えるがための表現方法の一部を手伝う仕事? のために、今は、これらの町を越えて、向かっているのだ。
抜けるような青を呈していた空は、突如露わになった真っ黒な暗雲。
何かの暗示か、ただ、そこに、それが存在するだけかは、難問奇問。
まっ、いつか、近い将来、また、このあたりに、足を踏み入れさせていただこう。
何かの役にたてるか、など、大層なことは言わず、ただ、出来ることを…。
そうだった、もとより、この世に生を受けた意味、ましてや使命など、分からないまま歳だけを重ねてきた輩の一人に、誰も何をも求めないだろうし…。
はてさて、もう、10分足らずで、目的の街。
こんな、一日の始まりだ…。