2017年を境に、公園内の雰囲気は一変しました。「6000人の虐殺はなかった」と主張する団体「そよ風」が朝鮮人虐殺の追悼式と同じ時間、わずか20メートル先で新たな活動を始めたのです。そよ風は朝鮮人犠牲者の追悼碑の撤去を求めていました。


慰霊祭というものの、嫌がらせとも思える行動をエスカレートさせていきます。2019年に大きな垂れ幕とスピーカーを外側に向け、「犯人は不逞朝鮮人」「朝鮮人によって家を焼かれた」などと発言。こうした主張は、東京都によってヘイトスピーチと認定されています。

関東大震災の虐殺を研究してきた加藤直樹さんは憤りを隠せません。

ノンフィクション作家 加藤直樹さん
「朝鮮人を悼むと、心にもないことを言って、集会を追悼碑の前で開こうとしている。こんなことは許されないと思う。もしベルリンで、ホロコースト追悼碑の前で、ネオナチが集会を開くって言ったら認めるのか?」

東京都は、状況を見て「そよ風」に集会をあきらめるよう伝えました。