愛知県の国際芸術祭で展示されている慰安婦問題を象徴する少女像について、芸術祭の実行委員会は3日かぎりで展示を中止すると発表しました。愛知県の大村知事は「テロ予告や脅迫と取れるような電話やメールが来ている。あってはならないことが起きたことを、国民にも知ってもらいたい」と述べました。

愛知県で1日開幕した国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」には、「表現の不自由」をテーマに慰安婦問題を象徴する少女像などの展示コーナーが設けられていますが、芸術祭の事務局の愛知県には展示に批判的な意見が相次いでいました。

こうした中、芸術祭の実行委員会の会長を務める大村知事は3日午後5時から記者会見を開き「きのう『撤去しなければガソリン携行缶を持ってお邪魔する』というFAXも届いた。テロ予告や脅迫と取れるような電話やメールが来て安全な運営が危惧される」と述べ、現在警察と相談していることを明らかにしました。

そのうえで「トリエンナーレを楽しみにしている多くの方に安全にご覧いただくことを第一に考えたい」と述べ、3日かぎりで、少女像を含む「表現の不自由」をテーマにしたコーナーの展示を中止すると発表しました。

会見で大村知事は「今回のことは残念だ。脅迫の電話やメールなど、あってはならないことが起きたことを国民にも知ってもらいたい」と述べました。