時に声を荒げ、時に涙を流しながら訴えた二人のハルモニ。昨年末の日韓合意についても「事前に何の説明もなかった」と憤る。彼女たちが望んでいるのは、日本政府が直接ハルモニたちに謝罪をすることだ。現在まで、日本政府は従軍慰安婦問題の責任の所在を曖昧にし、法的責任も認めてない。日韓合意では歴史教育など、再発防止措置の約束も一切なかった。被害者の存在を無視しながら、岸田文雄外相は「最終的かつ不可逆的に解決された」とまで発言。

 証言会が終わり、控え室でイ・オクソンさんと話をする機会があった。
 「(連れて行かれたときは)日本語が分からなかったけど、ぶたれるのが怖くて覚えた。戦争が終わって中国の田舎に55年いたから、一度も日本人に会わなくて(日本語を)忘れた。」
 従軍慰安婦問題の真実を懸命に伝えるハルモニたち。その一方で安倍政権は加害の歴史を反省するどころか、歴史の真実を歪め、日本を再び戦争のできる国にしようとしている。