関東大震災の発生から1日で100年が過ぎました。震災の混乱の中、多くの朝鮮人が命を奪われました。デマを信じた群衆によって罪のない人が殺される――。そんな事件が、この地方でも起きていました。

木本神社(三重・熊野市)

 2日午前9時半。名古屋駅近くの映画館に大行列ができました。

Q.これだけ並ぶのは年に何回?
「5年に1回ですよ」(シネマスコーレ 木全純治代表)

 並んだ人のお目当ては1日に公開された映画です。

 関東大震災が起きた5日後、千葉県の旧福田村で100人以上の村人が香川県から来た行商の一行を襲撃。

 9人が殺害された「福田村事件」を描いた作品です。

 村人は「朝鮮人が襲ってくる」というデマを信じ、行商を朝鮮人と疑って襲いました。

 

監督の森達也さん

 監督の森達也さんにとって、初めてとなる劇映画です。

「これはたまたま福田村で起きましたけど、関東全域でああいうことが起きていた。更に言えば日本のどこで起きていてもおかしくないし、そういう意味ではまったく他人事ではないと思って見てください」(監督 森達也さん)