団体の事務所にもこの1年、嫌がらせの電話がかかってくるようになった。病院での騒動や資産凍結など目立つ動きがあると、それを利用するように電話は増えるという。
日本クルド文化協会のワッカス・チョーラク事務局長

日本クルド文化協会のワッカス・チョーラク事務局長

 日本クルド文化協会のワッカス・チョーラク事務局長も「ヘイトを垂れ流している大半の人は、顔も分からない、名前も知らない、一部のネット右翼」とみるが、「うそを放っておけば信じてしまう人が出てくる。既に大きな影響が出ている」と警戒する。
 その一端が見えたのが今年3月、さいたま市の秋ケ瀬公園で開かれた、クルド人の伝統的な春祭りネウロズだった。公園の管理事務所に「クルド人に会場を貸すな」といった内容の電話やファクスが寄せられ、公園側は当初、「安全を担保できない」と使用を認めない方針を示していた。

◆ヘイトから逆に、支援の輪に加わる日本人も

 文化協会などとともに抗議した温井氏は「あのまま開催できなければ、ヘイトに屈してしまうところだった。大変でも、一つ一つ声を上げていかなければいけない」と決意する。