○○先生のアシスタントを始めて少したった頃、先輩アシスタントが一人辞め、新しいアシスタントA君がきた。(←やったぜ!ついに私も先輩にw)

○○先生のスタジオは、先生とアシスタント3人の4人で仕事をしていた。

仕事場は6畳間で、先生の隣にA君が机を並べ、二人とも机は壁につけて座っていた。

そしてその後ろに、同じように私ともう一人のチーフアシスタントOさんが机を並べ、やはり壁の方を向いて座っていた。

私は先生の真後ろの席だったので、先生と背中合わせで作業をしていたわけだ。(←時に先生の殺気を感じながら・・・((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル)


新人のA君はまだ初日なので、漫画のコマの枠線を引く仕事と、髪の毛など黒い部分を塗る「ベタ塗り」という簡単な仕事を任された。

そしてそれに慣れてきた頃、簡単な背景が出てくると頼まれたりもしていたのだが・・・。

背景を描こうとしたA君が、インクを原稿用紙に垂らしてしまった。(アワワ ヽ(´Д`;≡;´Д`)丿 アワワ)

先生は不機嫌そうに「気をつけて下さい・・・」と一言言って黙ってしまった。(←恐ろしかった・・・)

それで終わりなら良かったが、なんとA君はまたもや原稿にインクを垂らしてしまったのだった。

先生は「気をつけて下さいと言いましたよね!?」とやや声を荒げて言った。(←こっちがちびりそうや・・・w)


そんな先生の怒りを背に感じながら、背景を描きまくった私。

1時間ほどたった頃、事件は起きた。

なんとA君がまたまたインクを垂らしてしまったのだ!(←ちょっとちょっと~!勘弁してよ!って感じだった)

さすがに3回目になると、先生も怒り爆発。

机をバンッと叩き、「いい加減にしろ!」と叫んで持っていたペンを壁に向かって投げつけた。

先の尖ったつけペンは、壁に刺さり、まるでダーツの矢のようになっていた。

この時ほど「この場から逃げ出したい」と思った事はなかった。(ノД`)シクシク)

その夜、精神的にヘトヘトだった私とチーフOさんは、布団に倒れこむと気を失うように爆睡。


そして夜が明け・・・。

起きてみると、A君の姿がない。(Σ ゚д゚≡(   ノ)ノ エッ?)

荷物もない。(エェ━━━━━( ゚Å゚;)━━━━━!!?)

なんとA君は夜逃げしてしまったのだった・・・。(Σ(゚д゚lll)ガーン)

言うまでもないが・・・その後の時間はまさに『修羅場』であった・・・。



・・・今となればいい思い出だが。(笑)

担当Kの勝手な行動により、○○先生のアシスタントに入る事になってしまった私。

○○先生の第一印象は、『優しいけど神経質そう・・・』だった。


週刊連載のアシスタントは、だいたい泊まりこみでやる事が多い。

○○先生の仕事場でのスケジュールは、昼の12時から次の日の朝の6時までの18時間労働を3泊4日繰り返すというものだった。(←今考えるとありえないスケジュールだわww)

食事休憩は3回あるが、1回10分で合計で30分という健康には悪そうな超早食いモードで行われるのであった。(;´д`)トホホ…


アシスタントの仕事は、主に背景、効果線、トーンの処理などで、ぶっちゃけ先生が描く人物以外の部分をほぼ担当する事になっている。

○○先生の描く漫画には、自然物(草や木など)が多く出てきた。

そんなわけで私の最初の仕事は木を描く事。

私はひたすら何コマも、木が出てくる背景を描き続けたのであった。

そしてトーン処理になると、空の雲が出てくる。

カッターで白く削って雲の形を作り出すのだ。(←めんどくさがり屋の人にはイライラする作業ですな)

私はひたすら雲を作ったのであった。


そんな毎日を繰り返していたある日。

「このコマに森を描いてください」と先生に言われたので、森を1時間かけて描いた。

仕上がった原稿を持って行くと、先生は「おお、いいですね。ありがとうございます。」と喜んでいた。

そしてまた新たな原稿を取り出し「ここに今のと同じように森を描いてください」と言って私に渡した。

私は言われた通りに、さっきと同じ森を描いた。

そしてまた1時間後に完成した原稿を先生に持っていった。


すると・・・。

「なんですかこれは!?さっきと同じじゃないですか!全部消してやり直してください!!」

と怒鳴られた。

意味が分からんw(エェ━━━━━( ゚Å゚;)━━━━━!!?って感じですた)

同じの描けって言ったじゃ~~ん。(苦笑)


実は○○先生は超気分屋だった。(←神経質なんて可愛いもんじゃなかったw)

どこかで怒りのスイッチが入ってしまうと、さっき良かったものも悪くなってしまうのであった。(←めんどくさ~~)

そんな事を知って、「先が思いやられる・・・」と遠い目をしてしまった私であった。


しかし、まだ始めたばかり。

まだまだ○○先生のもとでの修行は続くのであった・・・。(´Д`)ハァ…

漫画賞を受賞し、小学館に吸収されてしまった私。


しばらくして担当Kは言った。

「君さ、絵ヘタだから週刊連載のアシスタントやった方がいいよ」(←余計なお世話!)

しかし、そんなにやる気のなかった私は「めんどくさ~」と思い、返事をせずにいた。


するとある日の打ち合わせで担当Kはこう言った。

担当K「○○先生のアシスタントに入れてもらう事にしたから。」(←突然)

私「はぁ!?」(←怒り度90%)

か、勝手に決めるなYO~~~!!

そう思ったが、もう先方に話が伝わってるらしく、もはや行くしかない状態に・・・。(;´д`)トホホ…


後日、しぶしぶ○○先生の仕事場へ向かった。

○○先生(←これから色々ぶっちゃけ話が出てくるので一応伏せておきまする)といえば、当時のサンデーの連載漫画では、コナン・犬夜叉と並ぶ人気漫画の作者。

アシスタントの応募も多かっただろうに、担当Kの「やっぱり売れてる先生のところで経験積んだ方がいいっしょ。」の一言でわざわざ倍率の高い修羅の道を歩まなければならなくなった。(←まぁ、今思えばいい経験でした。今思えばね。)

尋ねてみるとやはり候補者が何名かいたらしく、一週間ずつメンバーをかえて、そこで一番良さそうな人を採用するらしかった。(←そんなんなら最初からやんない!って感じだった・・・(;><)



そして・・・特に目立った仕事もできなかったのに、なぜか私は採用される事になってしまった。(←「なってしまった」って・・・w)

そんな感じで、私の週刊連載漫画アシスタントの日々が始まろうとしていたのだった。



そして、この時はまだ、この先のアシスタント生活が地獄の日々だとは知る由もなかったのだった・・・。((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

→次回に続く・・・

ペタしてね

厳粛なムードの授賞式とは違い、二次会は立食パーティ風のくだけたものだった。

授賞式では、「児童部門」「少年部門」「青年部門」「一般部門」「少女部門」全5部門の中からそれぞれ一番評価が高かった人が代表してスピーチをしたのだが、二次会では受賞者全員が自己紹介を兼ねたスピーチをした。


そういう挨拶がある事は前から担当Kに聞いていたので(←授賞式のスピーチの事は知らなかったけどな!!)私はそこで拳法の型を披露する予定だったのだが・・・。

それを急遽授賞式の方で使ってしまったので、自己紹介でやる事がなくなってしまった。(←困った(;><)

そこで少し考えてから私は担当Kに言った。


「関節技かけて投げていいですか?」(←ひどいwww)

すると担当Kは答えた。「え・・・?いいよ。」(←いいんかw)


でもさすがに技をかけると痛くて可哀想なので、私は技をかけるふりをし、担当Kにはそれに合わせて派手に転んでもらう事にした。(←演技ですなw)

その時、私はちょうど次の漫画のネーム(下書きみたいなの)を書いており、それが拳法の関節技の漫画だったので、それを使う事にした。

担当Kは「ああ、あれね!あれなら俺も分かるよ!君の漫画で何度も見たからね!OKOK!」

と余裕の表情で答えた。


そしていざ、発表の場。

私は技をかけるふりをした。担当は転ぼうとした。

本来転ばなくてはならない方向とは逆の方に・・・。(←アホやね!)


私はサインを送った。「違うよ!そっちじゃないよ!」担当Kは気付かなかった。(←(ノ∀`)アチャー)

私は何度もサインを送った。でも、担当Kは気づかなかった。(←(´Д`)ハァ…)


仕方なく私は本当に技をかけた。

すると担当Kの巨体は、きれいな弧を描いて宙に舞った。(←けっこうダイナミック)

そしてドーン!!!とものすごい音をたてて地面に倒れた。(←床が割れたかと思ったw)


会場内は立食パーティ中なので、各々気のあった人と話をしていたりしてザワついていたが、一瞬にして静まり返った。(←そりゃそうだ)

最前列で、ワインを持った藤子不二雄A先生が口を開けてこちらを見ていた。(←あの表情は未だに忘れない)

少し離れた場所で、あだち充先生も呆然とこちらを見ていた。(←凄い顔してたw)

藤子不二雄A先生は、静かに私に歩み寄り言った。(←ドキドキした)


「君はどこの流派だね・・・?僕は極真空手をやっていたんだが、是非お手合わせ願いたい。」

私は答えた。「是非闘いましょう!」



せっかく有名漫画家と触れ合ったのに、漫画の話は一切する事なく闘う約束だけをした私・・・。(←ある意味すごい)

この日から、私は編集部内で格闘家と呼ばれる事となった。

って、漫画家じゃないし・・・。(苦笑)

ペタしてね

漫画賞の授賞式の日。

授賞式は小学館近くのホテルで行われるため、サンデー編集部で担当Kと待ち合わせ。

前の打ち合わせの時での「授賞式の服装はやっぱりスーツとかがいいんですかね?」という私の問いに、「え?普段着でいいんだよ。スーツなんて着てたら目立っちゃうよ。」と答えた担当K。

なので私は超ラフな普段着で向かった。(←一応襟つきシャツw)

担当KはTシャツで現れた。(←ホントに普段着でいいのね~と思った)



そして一緒に授賞式会場へ。

会場内はスーツ姿の人ばかり。(←え・・・?って感じだったw)

とりあえず普段着は私と担当Kの二人しかいない。(←悪い夢を見ているのかと思ったw)

そんなショックを受けている私に、受付で追い討ちが待っていた。


受付の人「ジェイシロウ様ですね?今回は少年部門で一番上という事で、事前にお伝えしました通り、代表して受賞の挨拶を宜しくお願い致します。」

私「はっ??」(←初耳w)

担当K「あ~!そうだった!忘れてた!ごめんごめん。挨拶なんだよー、君。あはは。」(←笑い事じゃないから!)

私「え~!?じゃあ、考えないと!!今すぐ考えないと!!」(←今まで生きてきた中で一番焦った)

担当K「でももう授賞式始まるしー・・・たぶん挨拶5分後くらいだからなぁ・・・(←お前のせいだろーが!)

私「どーするんですか~!?」

担当K「あ、君って確か拳法とかできるんじゃなかったっけ?型とかやってごまかしちゃえ!」

私「は~~!?!?」(←怒りMAX)



しかし時間がないので、本当にそれを実行する事にした私。

他の部門の受賞者が素晴らしいスピーチを終えた後で、私は堂々とやってやった。(←もうヤケクソ)

「受賞の喜びを特技の拳法の型で表現します!」と言ってやってやった!

みんなスーツの中、一人普段着で!!(←恥ずかしいったらありゃしない!)

会場は静まりかえり、サンデーの編集長は「すごいの来ちゃった・・・」という顔で口を開けてこちらを見ていた。(←偉い人みんな口開けてたw)

あだち充先生も口を開けてこちらを見ていた。

担当Kは爆笑していた。(←こいつ・・・!)

みんな唖然とした表情でこちらを見ていたが、私はやりぬくしかなかったので、演武を最後までやりぬいた。

受賞者、関係者、すべて含めて400人はいたであろう会場で、私は一人激しく型をやりつづけたのだった。


私の演武中会場は静まりかえっていたが、終わった瞬間なんと拍手の嵐。

立って拍手する人も大勢いた。気付けば大盛り上がりだった。

最後の記念撮影では、「少林寺!真ん中真ん中!」と皆に言われ、ど真ん中であだち充先生の隣で写真に写った私であった。


そんな私を見て担当Kは笑っていた。

これは彼の計算だったのか・・・?

そう思ってしまった私だったが、やっぱりただの偶然だったようだ。(←後で聞いた話で判明)


そして・・・そんな授賞式の後は隣の部屋で2次会の立食パーティ。

そこでも担当Kと私は色々やらかしてしまったが、それはまた次の日記で・・・。→続く