一通りの自分の会社の説明をした後、発した言葉です。


「ホームページを拝見したんですが、貴社の事業の内容を教えて頂けますか?」


「ホームページ、わかりにくいですか?」


「いや、そんなことないですが、かなり高度なことをやられているようなので、一応説明をお聞きしたいと思って。」




この人は事業内容が面白いので投資を検討したいといって面会を希望してきているわけです。

にもかかわらず、事業内容がよくわからないという、なんと矛盾した話でしょうか?

そして一通り説明をしても、あまり理解できているとは思えませんでした。

それは、一度説明したことをまた聞いてくるからです。


更に話を聞くとこの人が何千万円もの大金の投資を進めていくといいます。

大丈夫なのかなとものすごく不安になりました。




お金を持っているというのは非常に立場が強いということなんだと思います。

普通の会社であれば、このレベルの人が取引先に一人で出入りするなんていうことはありえません。



カルチャーショックを受けましたが、そこは気持ちを切り替えて話を進めていくことにしました。





どんな思いをしたかを話す前にベンチャーキャピタルとの出会いも紹介したいと思います。


複数のベンチャーキャピタルからのコンタクトのほとんどがメールだったのですが、驚くべきことにすべてのメールが同じなのです。違う会社の担当者からであるにもかかわらずです。

もちろん言い回しや表現方法は違いますが内容はそっくりそのままなのです。


その恐るべき内容はこうです。


・記事を見てわが社に興味を持った

・情報交換がしたい

・これだけの投資実績がある

・色々な会社を紹介できる



恐らくプレスリリースしたすべての会社に名前だけ変えてローラーをかけているのだと思います。



更に驚いたのが、訪問してくるベンチャーキャピタルの人の若さです。

それこそ、リクルートスーツに身を包んだ学生のようないでたちです。


なるほどそれで合点がいきました。


彼らがやっているのであのような内容のメールになるのだなと。

社会経験のない新入社員同然の彼らが、経営者にコンタクトをとるのですから、無理もありません。


そして、その彼らと話をして更に驚かされました。

ベンチャーをはじめてちょうど1年ぐらい経ったころでしょうか。

当初考えていたものが出来上がって、さあこれから営業を開始しようかという時期です。


やっぱり、告知が必要だと思ったのでプレスリリースをうちました。この時はこのプレスリリースでどうこうしようという気持ちはなく、こういうものができたというその業界に向けたアピールにしか考えていなかったのでそんなに反響は期待してませんでした。



ところが・・・


意外なところからすごく反響がありました。

ベンチャーキャピタルです。

記事を見たというベンチャーキャピタルからかなりの数の面会のオファーがきました。


ベンチャーキャピタルという業界はよくわからなかったのですが、電話で聞いてみると「未公開企業の支援をする」会社とのことだったのでとりあえず話だけでも聞いてみることにしたのです。会った数は十数社にのぼりました。


彼らが言う支援を大きく分けると

・出資

・取引先の紹介

になります。


最初はそんな気はありませんでしたが、両方とも大変ありがたく魅力的なお話だったのですっかりその気になってしまいました。


そして、ある大手ベンチャーキャピタルが先行して走りだしたのでそれに乗る形で、ある意味お任せで、増資の話を進めていったのです。


思えば、この時、もう少し勉強するとか、周りでベンチャーキャピタルをよく知っている人から話を聞くとかしておくべきでした。



そうすれば、あのような思いをせずにすんだのです。