Q258)
三省堂CROWNⅠからの質問です。
下の文の、「 to visit 」は、不定詞だと思いますが、名詞的、形容詞的、あるいは、副詞的用法の、いずれかなのでしょうか?
Ryo, a friend of mine, invited me to visit.
Geniusでinviteを引くと、この形は例文に載っていますが、to doの部分については、用法に関する記載はありません。数研出版の、「チャート式シリーズ 基礎からの総合英語」にも、この形(want 人 to do)のところには、このto do について、「何詞的用法」という記載はありません。
この単元では、不定詞の用法を、文法事項として習うのですが、三省堂の指導書にも、この文の「 to visit 」の用法に関する解説は載っていません。
なお、クラスは、中学3年生で、高1の内容を先取りして教えているところです。
A) 実は、このタイプは、二通りの説明ができます。「英語語法活用大事典」(大修館書店)のp.482「want (for) … to~」にこうあります。
<文献1>
She wants her friends to visit her constanlty. この場合動詞に続く”O+to~”をまとめてネクサス目的語(Nexus Object)とする見方と”O+C”とする考え方とある。
前者であれば、SVOになるし、後者ならSVOCになる。ふつうは後者として教えます。
つまり、このタイプは、to不定詞の用法は名詞・形容詞・副詞用法のどれにも分類せず、SVO to do…の型で教え、第5文型に分類します。
たとえば、「ジーニアス総合英語」(大修館書店)では、「第7章不定詞」は、第1節 不定詞の名詞用法、第2節不定詞の形容詞用法、第3節不定詞の副詞用法、第6節SVO+to不定詞 となっています。
それでもto不定詞を分類したいのであれば、「現代英文法講義」(安藤貞雄著)(開拓社)では、「to不定詞の動詞用法」と分類されているので、その呼称を使う手もあります。P.215にこうあります。
<文献2>
14.4 to不定詞の動詞用法
to不定詞は、元来動詞であるから、当然、動詞としても使用される。以下のto不定詞は、補文の述語として機能しているので、to不定詞の「動詞用法」と呼ぶことにしよう。
(1) I want [John to win]. ジョンに勝ってほしい。
(2) I believe [John to be innocent]. ジョンは無実だと信じている
(3) I rely upon [you to come]. 君が来るのをあてにしている
(4) The police forced Bill [PRO to confess].警察はむりやりビルに口を割らせた
ただ、この「動詞用法」という言葉を使っている参考書や問題集は少ないので、生徒の混乱を考えると、分類しない方をお勧めします。
以上です。
なお、ご質問がある方は、以下のルールを踏まえてお願いします。
質問のルールです。
1.対象として高校の英語教師の方と予備校・塾の英語講師の方を前提としています。
よって受験生の方の質問はお断りします。
2.授業の教え方という前提から、問題文は出典を明記し、答えやマニュアルをそのまま写し、ご自分の考えを書いてください。
「次の文の訳をお願いします」「次の問題の答えをお願いします」といった受験生のような質問には一切お答えしません。
なお、質問は文法語法の問題と英文和訳に限らせていただきます。
言うまでもありませんが、「どうしたら下位レベルの授業がうまく行くのでしょう」といった漠然とした質問には一切お答えできません。
3.質問は下記のメルアドにお送りください。題名(例 need doingについて)と氏名と職業を書いてください。
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答えはブログに書きますが、その際質問者の方の実名などは一切公表しません。
それでは質問をお待ちします。